2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧
耽美なわしら 完全版(上) 森 奈津子 「はっきり言って、世界中どこでも、軍隊は同性愛者だらけなのよっ。世界の国々は同性愛者に守ってもらっているも同然なのよっ。だから、国家はもっと同性愛者の権利を保護するべきなのよっ!」 恋愛小説にカテゴリわけし…
本気で書きたい人の小説「超」入門 松島 義一 ほんとに「超」入門だった。もう少し踏み込んだやつを借りればよかったよー。
痙攣的 鳥飼 否宇 もういやだ……イカはもう沢山だ、いい加減にしてくれないか。サークルで猛烈なプッシュがあったのでこのミス一位にしました、って言ってたから読んだんだけどとんでもなさすぎ。実際何位に食い込むのか、気になるところ。一位はねえだろ……。…
BG、あるいは死せるカイニス 石持 浅海 生まれた時は女性、その後優秀な女性だけが男性化することができる(人口の四分の一)。その中でも、「別格」なBG。それによって変化する制度や常識はあるものの、他はあまり現実と変わらない世界の話。こういうのをパ…
比類なきジーヴス P.G. ウッドハウス, Pelham Grenville Wodehouse, 森村 たまき 「君は本当にあれが嫌いか?」 「激しく嫌悪いたしております、ご主人様」 「時間がたてば君の考えも変わるとは思わないか?」 「いいえ、ご主人様」 「よしわかった。結構。…
黄色い目の魚 佐藤 多佳子 私の心からキライが減って、好きが増えてきた。それは、すごいことだ。ずっと望んでいて、なかなかかないそうもなかったことだ。木島一人を好きになっただけで、明るい濃い色が染みていくようにじわじわと好きが増えていく。世界が…
わたしのおじさん 湯本 香樹実, 植田 真 生まれてくる前の話って、女性じゃなくては書けないんじゃないかと思うことがある。
闇のなかの赤い馬 竹本 健治 「神父という生き方って、凄く特殊だろ。結婚もせず、ずっと禁欲しながら神への信仰に一生を託すんだから。(中略)人間の自然な欲望を完全に封じこめるような生き方をしていると、おかしくなってくる部分もあるんじゃないかとね…
ぞうのエルマー〈1〉ぞうのエルマー David McKee, きたむら さとし, デビッド マッキー 懐かしい! エルマーグッズはたまに見かける。カラフルでかわいい。
まほうつかいのまほうくらべ デイビッド・マッキー, 安西 徹雄 表紙の画像が出ないのが残念。ページいっぱいに描かれた絵は、隅々までゆっくり見ないと損。『ぞうのエルマー』と同じ作者だとは私はちょっとわからなかった。使っている画材が違うし、人間と動…
そして扉が閉ざされた 岡嶋 二人 「だして。ここから出して……」 「…………」 出して? 「たとえよ。あなたの幸せのために周囲の人たちみんなが不幸なのと、みんなは幸せだけど、あなただけ不幸。どっちを選ぶ?」 読み始めたらとまらない。朝、座れなかったので…
桃 姫野 カオルコ 男子がまだ字もろくに読めないころから、女子は、某姫がその美貌で経済力のある王子を射止める絵本を見聞きし、男子が怪獣カードを集めているころには、女子は、美貌はなくとも「ドジ」をキュートに演出する術で長身痩躯の男を射止める漫画…
ツ、イ、ラ、ク 姫野 カオルコ 人は恋に落ちたとき、相手のどんなに小さなさびしさも見逃せなくなるのである。恋する相手はさびしそうに見えるのである。笑っていても暗殺者のように孤独な表情をそこに見出すために。 ものすごい話だった。面白いとかではな…
八月の降霊会 若竹 七海 謎解き部分までミステリだと思ったら最後のオチはホラー? どろどろに憎しみやらが渦巻いているところが大好き(笑) 寧が好きです。わかりやすく。 一応理屈に合った答えを導き出してくれるんだけど、それは否定されてあの終わり方…
クリスマスの4人 井上 夢人 「いや、罪の重さが――」 ふん、と塚本は鼻を鳴らした。 「重いとか軽いとかじゃないんだよ」 僕は道路の向こうへ目をやった。数メートル先の路上に、男が倒れている。 「あの人のことは、どうでもいいのか?」 「どうでもいいなん…
緑の我が家―Home、Green Home 小野 不由美 「やっぱさ……いじめられたら、仕返ししたいと思うよな」 ぼくが言うと、和泉はキョトンとした。 「何、それ」 「そう思わないか?」 「……仕返ししたら、いいことあるの?」 本書も1990年のを加筆・訂正して再版した…
天切り松 闇がたり〈第1巻〉闇の花道 浅田 次郎 「盗みは小手先でするもんじゃござんせん。心意気で盗るもんだと、手前どもの親分はいつも言っておりますから」 「歌を、唄いなさい。唄うことは、人間にしかできない」 「おいら、歌なんざ知らねえもの。学校…
ユーウツなつうしんぼ アンドリュー クレメンツ, Andrew Clements, 田中 奈津子 ヤングアダルトというかむしろ子供向けなのでこのような文句はお門違いなのかもしれないが、天才の掘り下げが浅い。天才なんだから、もっとスマートにできないものかね? まあ…
過ぎる十七の春 小野 不由美 ――この子はわたしのたったひとつのものです。 力と力の拮抗で子供の手首を裂いた血が流れて伝わった。 ――母親とはその程度のものか。 ――なにを。 ――わが子の命よりわが身の執着のほうが愛しいか。 ラノベ読みたい~と物色してい…
扉は閉ざされたまま 石持浅海 ――よし。 伏見は一人うなずいた。 密室殺人、完了。 これぞ探偵と犯人の攻防戦! と言った感じでよかった! 表紙に引いてしまう気持ちも分かるけど、ロジックが好きな人は読むべし。まあね、ノン・ノベル頑張りすぎだよね……。ド…
龍は眠る 宮部 みゆき 「もしも高坂さんが僕だったら、僕みたいなガキで、まだ世間のことなんかよくわからないのに、見たくもないし聞きたくもないものを知る力を持って生まれちゃったらどうする? 見えるんだよ? 聞こえるんだよ? そしたら――自分のできる…
ぼっけえ恋愛道―志麻子の男ころがし 岩井 志麻子 一般のお嬢さんたちは、小説を書くわけじゃないから、とにかく恋愛をする。恋愛が作品なんだよね。恋愛してると、自分が主人公になれるんだもん。恋愛ってすごい娯楽。金はかかるっちゃかかりますが、たいし…
てるてるあした 加納 朋子 自分が嫌いだという思いは、いったいどこにぶつかり、どんなふうに跳ね返ってくるのだろう? 「変わった」という言葉が褒め言葉になるか否か。もしくは「頑張れ」という言葉が純粋な励ましとなるか否か。すべては自分次第なのだ、…
秘密。―私と私のあいだの十二話 ダヴィンチ編集部 「互いに一つずつ願いを叶え合いませんか」 「願い?」 「さしあたり僕は君の電話番号を知りたい」(森絵都) 『「毎晩、おぬしのことを夢に見る。これほどだれかを愛しいと思うのははじめてだ」』(三浦し…
まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事 麻耶 雄嵩 「あなた、慰めるときにちゃんと相手の目を見てる? そうでなければ誠意も何も伝わらないわよ」 「いや、見てるつもりだけど……」 天城は口ごもった。思わず俯く。自分が責められている、そんな視線に耐えられ…
オレたちバブル入行組 池井戸 潤 「オレは基本的に性善説だ。相手が善意であり、好意を見せるのであれば、誠心誠意それにこたえる。だが、やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。十倍返しだ。そして――潰す。二度とはい上がれないように」 「たまには正義…
かっこいー!! ハードボイルドを地で行く男・北方謙三。冒頭のサイン会(行きたかったなあ、三国志も水滸伝も未読だけど)では一人一人と握手して、写真までオッケーだった。ファンの一人と「ブラディ・ドールからのファンで」「誰、藤木?」「坂井です」と…
私という運命について 白石 一文 「所詮、人間なんて自分の夢や希望を実現するのが一番の希なんかじゃなくて、その夢や希望を誰かに託す方がずっと満足できるのかもしれないって近頃は思うわ。自分だけの夢や希望だったら、達成してしまえば、もうそれは夢で…
熊の場所 舞城 王太郎 そして恐怖に立ち向かうのは、明日ではもう遅いのだ。今すぐそこに戻らなくてはいけない。でないと、自分の恐怖を消し去ることはできなくなるのだ。(熊の場所) 愛情というのはどうしてこんなにも乱暴になれるのだろう?どうして物事…
女神の欲望(リビドー) 中村 うさぎ, 岩井 志麻子, テレビ東京『女神の欲望』 いやーはじけてるなあ。岩井さんがこんなエロスにまみれた方だとは知りませんでした。