Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

歌野晶午『死体を買う男』  ★★★

死体を買う男 歌野 晶午 「月恋病? なんだね、それは」 私は意味が呑み込めなかった。 「夜ともなると、月が恋しくなるのです。月に帰りたいと、サメザメ涙するのです。アア、あしたは十五夜でしたっけ。あの方はとうとう月に帰るのかしら」 乱歩を気取って…

レナード・サックス『男の子の脳、女の子の脳』  ★★★★

男の子の脳、女の子の脳―こんなにちがう見え方、聞こえ方、学び方 レナード サックス, Leonard Sax, 谷川 漣 子育て実用書ということで。 女の子の目は質感や色彩をとらえ、男の子の目は位置や動きをとらえる。また声の聞こえ方、感情処理の仕方など、男の子…

ロレンツォ・リカルツィ『きみがくれたぼくの星空』  ★★★★

きみがくれたぼくの星空 ロレンツォ・リカルツィ, 泉 典子 これが愛でなくて何だろう。きみのまなざしはぼくが唯一求めていたまなざしで、きみと一緒にいることはぼくが唯一したかったことで、きみといるときだけは孤独を感じないでいられたのに。それは愛だ…

我孫子武丸『弥勒の掌』  ★★★

弥勒の掌 我孫子 武丸 ここ数年はやっぱりいろんな不満があったんですよね。ぼくらよりちょっと下の世代の中には、ミステリと言えないようなものも入ってきちゃってるし、ライトノベル化してたりもする。それと、最近ミステリ読者がすごく優しくなったような…

清涼院流水『コズミック 水』  ★☆

コズミック水 清涼院 流水 ナンセンスだwww いやあ、想像以上でした。壁に投げつけたくなる気持ちもわかるってもんよ。トリックや事件の真相のみならず、得意技を持ってる探偵たちの組織とかね。ないよね。ナンセンスですよねw 大風呂敷をひらめかせて終…

若竹七海『古書店アゼリアの死体』  ★★★☆

古書店アゼリアの死体 若竹 七海 たとえば、ミステリーの最終章で、真犯人がサディスティックな性格で数々の悲劇の源であり、自分の罪を妻にかぶせようとしていた、という衝撃の事実があきらかになったとする。これがハードボイルドなら探偵が面と向かって犯…

清涼院流水『コズミック流』  ★☆

コズミック流 清涼院 流水 稀代のバカミスを読んでみたくなったので。皆口を揃えて「あれはひどい」って言うからさ。読み終えたら本を投げつけたくなるそうな。ひとつ試してみようかと。 「1年に1200人を密室で殺す」警察に送られた前代未聞の犯罪予告が現実…

荻原浩『四度目の氷河期』  ★★★

四度目の氷河期 荻原 浩 シベリアの氷河が溶けるように、事実が姿を現した、ぼくにはそう思えた。ぼくはすべてを理解した。自分が何者なのかを。 ぼくはクロマニヨン人の子どもだ。 「いいか南山、ふつうの人間なんて、どこにもいないんだよ。みんな少しずつ…

田中芳樹『銀河英雄伝説(4)』  ★★★★

SF

銀河英雄伝説〈4〉策謀篇 田中 芳樹 「いいか、ユリアン、誰の人生でもない、お前の人生だ。まず自分自身のために生きることを考えるんだ。それから……」 考えるそぶりをしたが、ヤンの言葉の泉はこのとき一時的に涸れてしまったようで、やがて口にしたのは無…

Newton「創刊300号記念 量子論」

Newton (ニュートン) 2006年 07月号 [雑誌] とことん噛み砕いて説明してくれているのでわかりやすいけど、食べたりない気がした。もっと!

谷崎潤一郎『痴人の愛』  ★★★★☆

痴人の愛 谷崎 潤一郎 私のナオミを恋うる心は加速度を以て進みました。(中略)「馬鹿!」と云いながら自分で自分の頭を打ったり、空家のように森閑としたアトリエの壁に向かいながら「ナオミ、ナオミ」と叫んでみたり、果ては彼女の名前を呼び続けつつ床に…

伊坂幸太郎『フィッシュストーリー』  ★★★☆

フィッシュストーリー 伊坂 幸太郎 (略)「おい、おまえ、この子、どういう関係の娘さん?」などと問い質した。言葉に詰まり、狼狽する今村の様子を楽しんでいた。果たして何とお答えるのだろうか、と興味津々で、助け舟も出さず待っていると、今村はしばら…

AERAムック「日本神話がわかる。」

日本神話がわかる。 ギリシアに行くにあたってギリシア神話の有名な話は知っておきたいので、図書館で神話の棚を物色してたんですが、結局借りたのがAERAムック「日本神話がわかる」でした。まずは日本かなって……! 日本神話ってイザナギ・イザナミやヤマト…

谷川流『涼宮ハルヒの退屈』  ★★☆

涼宮ハルヒの退屈 谷川 流, いとう のいぢ 「それでこそ孤島よね! 半時と言わず、何時間でも行っちゃっていいわ。絶海の孤島があたしの求める状況だもの。キョン、みくるちゃん、あんたたちももっと喜びなさい。孤島には館があって、怪しい執事とメイドさん…

角岡伸彦『はじめての部落問題』  ★★★

はじめての部落問題 角岡 伸彦 新書のよしあしってよくわからないんですが、私にとってはじめての情報がたくさん乗っていたので読んでいて「ほー!」となってばかりでした。そもそもお恥ずかしいことに私が部落差別を知ったのはつい最近でして。現代日本に差…

平山夢明『独白するユニバーサル横メルカトル』  ★★★

独白するユニバーサル横メルカトル 平山 夢明 このミスで一位だったので読んでみたのですが、うーん私にはそこまで魅力はわからなかったなあ。ホラー読みではないからな。グロいのもあまり好きじゃないしな(なら読むな!笑)。短篇集ですが最初の話が一番怖…