Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2005-01-01から1年間の記事一覧

冲方丁『マルドゥック・スクランブル The First Compression 圧縮』  ★★☆

SF

マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 冲方 丁 (私は生きていていいの――?) 誰もイエスと言ってはくれない気がする。それが、無条件に愛された経験がない人間が抱える欠落だった。その欠落に従うか、それとも――イエスという答えを探すた…

ニール・F. カミンズ『もしも月がなかったら』  ★★★★☆

もしも月がなかったら―ありえたかもしれない地球への10の旅 ニール・F. カミンズ, Neil F. Comins, 増田 まもる, 竹内 均 もしも月がなかったら? 月のない地球は、自転速度が地球よりずっと速く、1日は8時間となる。強風が絶えず荒れ狂い、高山も存在せず、…

赤木かん子編『科学者達の陰謀』  ★★☆

SF

科学者たちの陰謀 福島 正実, 大海 赫, 赤木 かん子

秋山瑞人『イリヤの空、UFOの夏(1)』  ★★☆

イリヤの空、UFOの夏〈その1〉 秋山 瑞人 (中略)大体、この廊下の光景を見ておかしいと思わないのか、何かが間違っていると思ったことは一度もなかったのか。これまでずっと、防空訓練があるたびに、この廊下の光景をその身の丈の高さから見下ろしてきたく…

時雨沢恵一『リリアとトレイズ(2)』  ★★★

リリアとトレイズ〈2〉そして二人は旅行に行った〈下〉 時雨沢 恵一 「――そうだ。全てがうまくいって終わったら」 「終わったら?」 「ご褒美にキスしてあげるわ」 「いっ――?」 1巻読んだの、いつですかー……。うっすらとしか覚えていません。二つのカップル…

年末

池袋西武の本屋で色々物色してたらこのミス2006が!! がーん。もう発売されていたのか。疎すぎる。 ついでに本ミス2005も、この恋愛小説がすごい! も出ていました。でもSFはなかったな。これから開拓したいジャンルなのに。 暫く読みふけって幸せに浸る。 …

山田詠美『風味絶佳』  ★★★☆

風味絶佳 山田 詠美 食べること。セックスをすること。眠ること。彼のそれらの行為に、自分が、どの女よりも有効であるのを確認したかった。空腹を満たすことから、すべては始まる。私は、彼の始まりを独占しようとしていたのだ。(夕餉) 「大人が初恋やり…

萩原浩『オロロ畑でつかまえて』  ★★

オロロ畑でつかまえて 荻原 浩 「代理店、雇うだ」 映画『七人の侍』の長老のような重々しい口調で言った。 「ダイリ……テン?」 「日本生命?」 「んにゃ、広告代理店だば。アメリカじゃ選挙に勝たすために、広告代理店が大統領のネクタイの色まで決めるっち…

三谷幸喜『オンリー・ミー 私だけを』  ★★★★

オンリー・ミー―私だけを 三谷 幸喜 しかしこうしてみると、これほど読んで役に立たないエッセイも珍しいかもしれない。だんだん心配になって来た。 ふと考える。 いったい読者はここから何を得るのだろうか。 ここにしか書かれていない新情報というものは、…

伊坂幸太郎『魔王』  ★★★★☆

魔王 伊坂 幸太郎 「でもよ、この道をあと何年進もうと、格好いい大人には辿り着かない気がするんだ」 「『でたらめでもいいから、自分の考えを信じて、対決していけば』」 「いけば?」 「そうすりゃ、世界が変わる。兄貴はそう言っていた」潤也君は起きな…

岡嶋二人『クラインの壷』  ★★★★☆

クラインの壷 岡嶋 二人 呑み終えた時、そこには何が残るのだろう。皮膚と胃袋が裏返しになった自分の姿だろうか? それとも、なにもかもが消え失せ、それでも呑み足らないと思い続ける意識だけになってしまうのか? 神! 岡嶋二人は神ですよ! 「驚愕の結末…

北森鴻『狐罠』  ★★★

狐罠 北森 鴻 「時間の流れとは、果たして平等であろうか、と。やさしさは必要ありませんが、時の流れだけは誰に対しても、どこに対しても平等でなければならない。(中略) けれど時間は本当に平等だろうか。もしかしたら絶対主たる存在にも好き嫌いがあっ…

米澤穂信『犬はどこだ』  ★★★

犬はどこだ 米澤 穂信 「こいつは貸しとくぜ、ボス!」 退職してからおそらく初めて、私はそうしたいのだという意志に基づいて行動している。(中略)単に社会的モラルに基づいてのことだろう。私は波風のない人生を送ってきた人間であり、どこまでも社会的…

J. K. Rowling『Harry Potter and the Philosopher's Stone』  ★★★

Harry Potter and the Philosopher¥'s Stone (UK) (Paper) (1) J. K. Rowling "Bye, Harry!" "See you, Potter!" "Still famous," said Ron, grinning at him. "Not where I'm going, I promise you,"said Harry. ここ三日ほど読書が滞っているのは大分今更…

姫野カオルコ『短篇集H』  ★★

短篇集H(エッチ) 姫野 カオルコ 女から見た図太さは、男から見れば魅力に変わる。ミステリアス、とかって表現するんだって? 女から見たふてぶてしさは、男から見れば魅力に変わる。コケティッシュ、とかって表現するんだって? 女から見たたくましい渡世術…

ほしおさなえ『ヘビイチゴ・サナトリウム』  ★★

ヘビイチゴ・サナトリウム ほしお さなえ 「なんだか気味が悪いな。いくら仲がいいって言ったって。これじゃあ、レズみたいじゃないか。女の子っていうのはこんなもんかね」 (中略) 「どうも女っていうのは、子どものころから別の生きものって感じでな。ど…

北方謙三『冬に光は満ちれど』  ★★★

冬に光は満ちれど―約束の街〈3〉 北方 謙三 「人を殺しても、殺したと思わずにいられそうだな、山南」 心のどこかを刺された。そう思えなければ、仕事は踏めない。 見返したが、群は笑っているだけだった。 いやあかっこいいね! 読み始めはそうでもないんだ…

森奈津子『耽美なわしら(上)』  ★★

耽美なわしら 完全版(上) 森 奈津子 「はっきり言って、世界中どこでも、軍隊は同性愛者だらけなのよっ。世界の国々は同性愛者に守ってもらっているも同然なのよっ。だから、国家はもっと同性愛者の権利を保護するべきなのよっ!」 恋愛小説にカテゴリわけし…

松島義一『本気で書きたい人の小説「超」入門』

本気で書きたい人の小説「超」入門 松島 義一 ほんとに「超」入門だった。もう少し踏み込んだやつを借りればよかったよー。

鳥飼否宇『痙攣的』  ★★☆

痙攣的 鳥飼 否宇 もういやだ……イカはもう沢山だ、いい加減にしてくれないか。サークルで猛烈なプッシュがあったのでこのミス一位にしました、って言ってたから読んだんだけどとんでもなさすぎ。実際何位に食い込むのか、気になるところ。一位はねえだろ……。…

石持浅海『BG、あるいは死せるカイニス』  ★★★

SF

BG、あるいは死せるカイニス 石持 浅海 生まれた時は女性、その後優秀な女性だけが男性化することができる(人口の四分の一)。その中でも、「別格」なBG。それによって変化する制度や常識はあるものの、他はあまり現実と変わらない世界の話。こういうのをパ…

P.G.ウッドハウス『比類なきジーヴス』  ★★☆

比類なきジーヴス P.G. ウッドハウス, Pelham Grenville Wodehouse, 森村 たまき 「君は本当にあれが嫌いか?」 「激しく嫌悪いたしております、ご主人様」 「時間がたてば君の考えも変わるとは思わないか?」 「いいえ、ご主人様」 「よしわかった。結構。…

佐藤多佳子『黄色い目の魚』  ★★★☆

黄色い目の魚 佐藤 多佳子 私の心からキライが減って、好きが増えてきた。それは、すごいことだ。ずっと望んでいて、なかなかかないそうもなかったことだ。木島一人を好きになっただけで、明るい濃い色が染みていくようにじわじわと好きが増えていく。世界が…

湯本香樹実『わたしのおじさん』

わたしのおじさん 湯本 香樹実, 植田 真 生まれてくる前の話って、女性じゃなくては書けないんじゃないかと思うことがある。

竹本健治『闇のなかの赤い馬』  ★★★☆

闇のなかの赤い馬 竹本 健治 「神父という生き方って、凄く特殊だろ。結婚もせず、ずっと禁欲しながら神への信仰に一生を託すんだから。(中略)人間の自然な欲望を完全に封じこめるような生き方をしていると、おかしくなってくる部分もあるんじゃないかとね…

デイビッド・マッキー『ぞうのエルマー』

ぞうのエルマー〈1〉ぞうのエルマー David McKee, きたむら さとし, デビッド マッキー 懐かしい! エルマーグッズはたまに見かける。カラフルでかわいい。

デイビッド・マッキー『まほうつかいのまほうくらべ』

まほうつかいのまほうくらべ デイビッド・マッキー, 安西 徹雄 表紙の画像が出ないのが残念。ページいっぱいに描かれた絵は、隅々までゆっくり見ないと損。『ぞうのエルマー』と同じ作者だとは私はちょっとわからなかった。使っている画材が違うし、人間と動…

岡嶋二人『そして扉が閉ざされた』  ★★★☆

そして扉が閉ざされた 岡嶋 二人 「だして。ここから出して……」 「…………」 出して? 「たとえよ。あなたの幸せのために周囲の人たちみんなが不幸なのと、みんなは幸せだけど、あなただけ不幸。どっちを選ぶ?」 読み始めたらとまらない。朝、座れなかったので…

姫野カオルコ『桃』  ★★★☆

桃 姫野 カオルコ 男子がまだ字もろくに読めないころから、女子は、某姫がその美貌で経済力のある王子を射止める絵本を見聞きし、男子が怪獣カードを集めているころには、女子は、美貌はなくとも「ドジ」をキュートに演出する術で長身痩躯の男を射止める漫画…

姫野カオルコ『ツ、イ、ラ、ク』  ★★★★

ツ、イ、ラ、ク 姫野 カオルコ 人は恋に落ちたとき、相手のどんなに小さなさびしさも見逃せなくなるのである。恋する相手はさびしそうに見えるのである。笑っていても暗殺者のように孤独な表情をそこに見出すために。 ものすごい話だった。面白いとかではな…