Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

国内現代小説

江國香織『なかなか暮れない夏の夕暮れ』  ★★

最近の江國さんの長編には全然乗れないわ。 なかなか暮れない夏の夕暮れ 作者: 江國香織 出版社/メーカー: 角川春樹事務所 発売日: 2017/02/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見る 本ばかり読んでいる稔、姉の雀、元恋人の渚、娘の波十、友…

江國香織『犬とハモニカ』  ★★★

たーぶーんー二回目の読書だと思うんだけど江國さんは短編の文章が特に上手いね。 犬とハモニカ (新潮文庫) 作者: 江國香織 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/12/22 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 外国人青年、少女、老婦人、大家…

皆川博子『U』  ★★☆

皆川博子が初読の人は面白いかもしれないが、何冊か似たような話を読んできた身としてはいまいちだなあ。強制徴募からオスマントルコに馴染むまでの流れは面白かったんだけど、やっぱり似てるんだよな。半身というモチーフ、二人のそれぞれのキャラクターな…

津村記久子『浮遊霊ブラジル』  ★★☆

今気づいたけどこの本のタイトル「幽霊」じゃなくて「遊霊」なんだな。 浮遊霊ブラジル 作者: 津村記久子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/10/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (12件) を見る 初の海外旅行を前に死んでしまった私。幽霊と…

村上春樹『レキシントンの幽霊』  ★★★

同時期に読んだ『TVピープル』より余程よかった。特に表題作は好きと言ってもいい。男性作家が国外の同性の友人の家で留守番をするというシチュエーションに、堀江敏幸の『熊の敷石』を思い出したりした。そちらも好きです。 レキシントンの幽霊 (文春文庫) …

村上春樹『TVピープル』  ★★

文章はうまいと思うんだけど、この短編集の内容は好きではなかった。 TVピープル (文春文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1993/05 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (95件) を見る 不意に部屋に侵入して…

遠藤周作『深い河』  ★★★

この話ってこれで終わりなの……!? と解説に切り替わったときに三度見くらいしてしまいました。びっくりした。 深い河 (講談社文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1996/06/13 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 65回 この商品を含むブ…

恩田陸『ネバーランド』  ★★★★

名古屋は栄のブックオフで100円棚に並んでいたので懐かしくなってつい。 これほんと女性の夢想する理想の少年達だよ。十年以上ぶりに読み返したので新鮮な気持ちで読めた。 ネバーランド (集英社文庫) 作者: 恩田陸 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2003/05…

津原泰水『たまさか人形堂それから』  ★★★★☆

たまさか人形堂それから (文春文庫) 作者: 津原泰水 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/02/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 「玉阪人形堂」を祖父母から譲り受け、店主となった元OLの澪。今日もこの小さな店には人形に関する様々な難題…

柚木麻子『ランチのアッコちゃん』  ★

ランチのアッコちゃん (双葉文庫) 作者: 柚木麻子 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2015/02/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (13件) を見る 地味な派遣社員の三智子は彼氏にフラれて落ち込み、食欲もなかった。そこへ雲の上の存在である黒川敦子部…

津村記久子『ミュージック・ブレス・ユー!!』  ★★★★☆

ミュージック・ブレス・ユー!! (角川文庫) 作者: 津村 記久子 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング) 発売日: 2011/06/23 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 29回 この商品を含むブログ (11件) を見る 同じく何度目か分からない読了。…

津村記久子『君は永遠にそいつらより若い』  ★★★★★

君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫) 作者: 津村記久子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2009/05/11 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 49回 この商品を含むブログ (53件) を見る 十回目くらいの『君は永遠にそいつらより若い』を読み通して、何度…

津村記久子『エブリシング・フロウズ』  ★☆

エヴリシング・フロウズ 作者: 津村記久子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2014/08/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (13件) を見る 最後の方パラパラだけど読みきった。いつものように「子供として与えられた環境の中で生きてくのしんどいけど…

柚木麻子『終点のあの子』  ★★★★

終点のあの子 (文春文庫) 作者: 柚木麻子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2012/04/10 メディア: 文庫 クリック: 2回 この商品を含むブログ (19件) を見る プロテスタント系女子高の入学式。内部進学の希代子は、高校から入学した奥沢朱里に声をかけられ…

津原泰水『たまさか人形堂それから』  ★★★★☆

たまさか人形堂それから 作者: 津原泰水 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2013/05/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (9件) を見る 今日だけで既に2度読み通しているのだが、つくづく登場人物たちが愛おしい。いい本だ。きっと三部作だろうので、…

江國香織『赤い長靴』  ★★★

赤い長靴 (文春文庫) 作者: 江國香織 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2008/03/07 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 13回 この商品を含むブログ (83件) を見る 「私と別れても、逍ちゃんはきっと大丈夫ね」そう言って日和子は笑う、くすくすと。笑うこ…

江國香織『思いわずらうことなく楽しく生きよ』  ★★★★

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫) 作者: 江國香織 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2007/06 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 48回 この商品を含むブログ (96件) を見る 犬山家の三姉妹、長女の麻子は結婚七年目。DVをめぐり複雑な夫婦関…

藤原伊織『ダックスフントのワープ』  ★★☆

ダックスフントのワープ (文春文庫) 作者: 藤原伊織 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2000/11 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 17回 この商品を含むブログ (38件) を見る 大学の心理学科に通う「僕」は、ひょんなことから自閉的な少女・下路マリの家…

吉本ばなな『哀しい予感』  ★★★★

哀しい予感 (角川文庫) 作者: 吉本ばなな 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1991/09 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 33回 この商品を含むブログ (107件) を見る 弥生はいくつもの啓示を受けるようにしてここに来た。それは、おばである、ゆきのの家。…

吉本ばなな『N・P』  ★☆

N・P (角川文庫) 作者: 吉本ばなな 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 1992/11 メディア: 文庫 クリック: 8回 この商品を含むブログ (62件) を見る 7本の短編が収録された「N・P」。著者・高瀬皿男はアメリカに暮らし、48歳で自殺を遂げている。彼には2人の…

幸田文『おとうと』  ★★★☆

おとうと (新潮文庫) おとうと (新潮文庫)の他のレビューをみる» 幸田 文 新潮社 ¥ 529 (1991-02-10) 高名な作家で、自分の仕事に没頭している父、悪意はないが冷たい継母、夫婦仲もよくはなく、経済状態もよくない。そんな家庭の中で十七歳のげんは、三つ…

小川洋子『余白の愛』  ★★☆

余白の愛 (中公文庫) 余白の愛 (中公文庫)の他のレビューをみる» 小川 洋子 中央公論新社 ¥ 637 (2004-06) 耳を病んだわたしの前にある日現れた速記者Y。その特別な指に惹かれたわたしが彼に求めたものは…。記憶の世界と現実の危ういはざまを行き来する。幻…

津原泰水『廻旋する夏空』  ★★★★

廻旋する夏空―クロニクル・アラウンド・ザ・クロック〈2〉 (新潮文庫) 廻旋する夏空―クロニクル・ア...の他のレビューをみる» 津原 泰水 新潮社 ¥ 464 (2013-01-28) ベーシスト板垣史朗は、ライヴに乱入した暴漢の凶刃から岩倉をかばい、全治二ヶ月の傷を負…

津原泰水『爛漫たる爛漫』  ★★★

爛漫たる爛漫―クロニクル・アラウンド・ザ・クロック (新潮文庫) 爛漫たる爛漫―クロニクル・ア...の他のレビューをみる» 津原 泰水 新潮社 ¥ 464 (2012-11-01) 熱烈な支持を受けてきた“爛漫”のボーカル、新渡戸利夫が急逝した。音楽ライターの娘にして絶対…

津原泰水『ブラバン』  ★★★★★

ブラバン (新潮文庫) ブラバン (新潮文庫)の他のレビューをみる» 津原 泰水 新潮社 ¥ 680 (2009-10-28) 何十回読んでるんだという勢いだが毎回いい小説だなと思いながら泣くんだ。本当に好きだ。

松浦理英子『セバスチャン』  ★★★

セバスチャン (河出文庫) セバスチャン (河出文庫)の他のレビューをみる» 松浦 理英子 河出書房新社 ¥ 670 (2007-12-04) あなたにとって世界とは佐久間背理なんでしょう?…麻希子は大学を辞めた今も、同級生だった背理と「主人と奴隷」ごっこの関係を続けて…

松浦理英子『裏ヴァージョン』  ★★★★★

裏ヴァージョン (文春文庫) 裏ヴァージョン (文春文庫)の他のレビューをみる» 松浦 理英子 文藝春秋 ¥ 607 (2007-11) 次々に書かれる短篇小説と、それに対する歯に衣着せぬ感想コメント。やがて感想は厳しい質問状となり、しだいに青春をともにした二人の中…

村上春樹『色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年』  ★★★☆

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 色彩を持たない多崎つくると...の他のレビューをみる» 村上 春樹 文藝春秋 ¥ 1,836 (2013-04-12) 良いニュースと悪いニュースがある。多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営み…

山内マリコ『ここは退屈迎えにきて』  ★★★

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫) ここは退屈迎えに来て (幻冬...の他のレビューをみる» 山内 マリコ 幻冬舎 ¥ 583 (2014-04-10) そばにいても離れていても、私の心はいつも君を呼んでいる―。都会からUターンした30歳、結婚相談所に駆け込む親友同士、売…

原田マハ『さいはての彼女』  ★

さいはての彼女 (角川文庫) さいはての彼女 (角川文庫)の他のレビューをみる» --- KADOKAWA / 角川書店 --- (2013-02-21) 25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せて…