Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2010-01-01から1年間の記事一覧

本多孝好『at Home』  ★★

at Home at Homeの他のレビューをみる» 本多 孝好 (2010-10-27) そこは人がほんとうに帰るべき場所なのだろうか?ふぞろいで歪つな4つの家族とそこに生きる人々。涙と冷酷と波乱を存分にたたえたエンタテインメント小説。(Amazon) 春樹チルドレ…

斎藤美奈子『あほらし屋の鐘が鳴る』  ★★★★☆

あほらし屋の鐘が鳴る (文春文庫) あほらし屋の鐘が鳴る (文春...の他のレビューをみる» 斎藤 美奈子 (2006-03-10) 失楽園、もののけ姫、バイアグラ、ゴーマニズム宣言など、平成のおじさんたちの“勘違い”を、斎藤美奈子が「なにをゴチャゴチャゆうとんねん…

『日本のフェミニズム6 セクシュアリティ』

セクシュアリティ (新編 日本のフェミニズム 6) セクシュアリティ (新編 日本...の他のレビューをみる» --- (2009-10-29) 文化的・社会的に構築されたセクシュアリティは、現在どこまで揺らいだか。排他的で抑圧的な異性愛規範を踏み破り、自らのセクシュア…

大森望編『ぼくの、マシン』  ★★★★☆

SF

ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成<S> (創元SF文庫) ぼくの、マシン ゼロ年代日本...の他のレビューをみる» --- (2010-10-28) 00年代の日本短編SFの精華、宇宙・未来編。野尻抱介/小川一水/上遠野浩平/田中啓文/菅浩江/上田早夕里/…

魚住直子『園芸少年』  ★☆

園芸少年 魚住 直子 高校生活をそつなく過ごそうとする、篠崎。態度ばかりでかい、大和田。段ボール箱をかぶって登校する、庄司。空に凛と芽を伸ばす植物の生長と不器用な少年たちの姿が重なり合う、高1男子・春から秋の物語。(Amazon) 高校入学した男の子…

森見登美彦『有頂天家族』  ★★★

有頂天家族 森見 登美彦 時は現代。下鴨神社糺ノ森には平安時代から続く狸の一族が暮らしていた。今は亡き父の威光消えゆくなか、下鴨四兄弟はある時は「腐れ大学生」、ある時は「虎」にと様々に化け、京都の街を縦横無尽に駆けめぐり、一族の誇りを保とうと…

夏目漱石『草枕』  ★★★★☆

草枕 (新潮文庫) 夏目 漱石 智に働けば角がたつ、情に棹させば流される―春の山路を登りつめた青年画家は、やがてとある温泉場で才気あふれる女、那美と出会う。俗塵を離れた山奥の桃源郷を舞台に、絢爛豊富な語彙と多彩な文章を駆使して絵画的感覚美の世界を…

長野まゆみ『東京少年』  ★★

東京少年 (光文社文庫) 長野 まゆみ ぼく…祝常緑は、叔父と共同生活をしている十四歳。母はぼくを産んだのちに家を出た。父とも別に暮らしている。ある日、ぼくは母に通じる手がかりをひとつ教えられた。父と出逢った日、母は美しい黒椿を抱えていたと云う。…

色川奈緒、深澤真紀『女のオカズ』

女のオカズ 色川 奈緒,深澤 真紀 セックス自慢よりオナニー自慢! 作家、漫画家、会社員、子持ち、バツイチ、シングル、バイセクシャルなど、20代から40代の女たち12人が、自分のオカズ(オナニーに使うネタ)を語る。(Amazon) 休憩ラウンジ付近に新着図書棚…

津原泰水『瑠璃玉の耳輪』  ★★★☆

琉璃玉の耳輪 津原 泰水,尾崎 翠 時は昭和三年―名探偵・唐草七郎の一番弟子にして閨秀の女探偵・岡田明子のもとへ舞いこんだ、摩訶不思議な依頼。「三姉妹を探して下さい。手掛かりは、三人とも左の耳に、一粒の琉璃玉が嵌った白金の耳輪をしています」阿片…

P.G.ウッドハウス『サンキュー、ジーヴス』  ★★★★☆

サンキュー、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス,Pelham Grenville Wodehouse,森村 たまき バンジョレレを習い始めたバーティーはご近所から苦情を浴びせられ、田舎のコテージで練習を再開。だがジーヴスにも辞められて新たな執事を雇…

恩田陸『図書室の海』  ★★☆

図書室の海 (新潮文庫) 恩田 陸 あたしは主人公にはなれない―。関根夏はそう思っていた。だが半年前の卒業式、夏はテニス部の先輩・志田から、秘密の使命を授かった。高校で代々語り継がれる“サヨコ”伝説に関わる使命を…。少女の一瞬のときめきを描く『六番…

オースター『ティンブクトゥ』  ★★

ティンブクトゥ 柴田 元幸 本書は、ポール・オースターが、「犬の視点」を通してアメリカのホームレスを描いた作品。一見奇妙な設定だが、ジョン・バージャーの『King』同様、感情に流されない厳しい犬の目を通してホームレス生活を描くことで、メロドラマ的…

斉藤美奈子編『男女という制度』

男女という制度 (21世紀文学の創造) フェミニズムによって性とジェンダーのあり様は大きく変わった.私たちは「男」「女」をどのように見つめるのか.恋愛小説,エンターテインメント,教育,少年少女文学で変わりつつある「らしさ」の表現やストーリーの分…

オースター『鍵のかかった部屋』  ★★★★☆

鍵のかかった部屋 (白水Uブックス―海外小説の誘惑) ポール・オースター,Paul Auster,柴田 元幸 幼なじみのファンショーが、美しい妻と小説の原稿を残して失踪した。不思議な雰囲気をたたえたこの小説の出版に協力するうちに、「僕」は残された妻ソフィーを愛…

宮部みゆき『夢にも思わない』  ★★★

夢にも思わない (角川文庫) 宮部 みゆき 毎年、九月末になると「白河庭園」で行われる、虫聞きの会。もう二十年近くも続いているという、そんな風流な催しに、僕が行く気になったのは、一にも二にもクドウさんのためだった。毎年家族で訪れているというクド…

宮部みゆき『今夜は眠れない』  ★★★☆

今夜は眠れない (角川文庫) 宮部 みゆき 母さんと父さんは今年で結婚十五年目、僕は中学一年生でサッカー部員。そんなごく普通の平和な我が家に、ある日突然、暗雲がたちこめた。“放浪の相場師”とよばれた人物が母さんに五億円もの財産を遺贈したのだ。お隣…

若竹七海『スクランブル』  ★★★★★

スクランブル (集英社文庫) 若竹 七海 80年代を背景に、名門女子校で起きた殺人事件をめぐって、鮮やかに描き出された青春群像。17歳だったことのあるすべての人に贈る、ほろにがくて切ない学園ミステリの傑作。(Amazon) 読み返したら思ってたより毒々しく…

麻耶 雄嵩『貴族探偵』  ★★★

貴族探偵 麻耶 雄嵩 本格愛好家へ贈る、ディテクティブ・ミステリーの傑作!! 自らは推理をしない「貴族」探偵、登場。 推理などという〈雑事〉はすべて、使用人任せ…。 「趣味」探偵の謎の青年が、生真面目な執事や可愛いメイド、巨漢の運転手などを使い、難…

紅玉いづき『ガーデン・ロスト』  ★★★☆

ガーデン・ロスト (メディアワークス文庫) 紅玉 いづき 誰にでも、失いたくない楽園がある。息苦しいほどに幸せな安住の地。しかしだからこそ、それを失うときの痛みは耐え難いほどに切ない。誰にでも優しいお人好しのエカ、漫画のキャラや俳優をダーリンと…

森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』  ★★★☆

夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) 森見 登美彦 「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!…

森見登美彦『宵山万華鏡』  ★★★

宵山万華鏡 森見 登美彦 祇園祭前夜。妖しの世界と現実とが入り乱れる京の町で、次々に不思議な出来事が起こる。登場人物たちが交錯し、全てが繋がっていく連作中篇集。森見流ファンタジーの新境地! ●祭りの雑踏で、幼い妹が姿を消した。妹は神隠しに遭った…

森見登美彦『四畳半神話大系』  ★★★★

SF

四畳半神話大系 森見 登美彦 妄想してないで、とっとと恋路を走りやがれ! 私は冴えない大学三回生。バラ色のキャンパスライフを想像していたのに、現実はほど遠い。できればピカピカの一回生に戻ってやり直したい! 四つの平行世界で繰り広げられる、おかし…

石田衣良『シューカツ!』  ★

シューカツ! 石田 衣良 仕事も会社も、わからない。でも今、闘うしかないんだ。水越千晴、鷲田大学三年生。仲間七人で「シューカツプロジェクトチーム」を結成した。目標は全員で、最難関マスコミ合格。(Amazon) 母が借りてきたようなので読んでみたが二時…

津原泰水『ルピナス探偵団の当惑』  ★★★★

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫) 津原 泰水 私立ルピナス学園高等部に通う吾魚彩子は、あるときうっかり密室の謎を解いたばかりに、刑事の姉から殺人事件の推理を強要される。なぜ殺人者は犯行後冷えたピザを食べたのか?その後も飄々たる博識の少年・祀…

森絵都『つきのふね』  ★★★★

つきのふね (角川文庫) 森 絵都 あの日、あんなことをしなければ…。心ならずも親友を裏切ってしまった中学生さくら。進路や万引きグループとの確執に悩む孤独な日々で、唯一の心の拠り所だった智さんも、静かに精神を病んでいき―。近所を騒がせる放火事件と…

上野千鶴子『発情装置』  ★★★

発情装置―エロスのシナリオ 上野 千鶴子 人はなぜ欲情するのか?もはや「対」幻想の時代は終わった―ブルセラ、援助交際、セックスレス…地滑りを起こしたように変わっていく性意識。その構造を読み解く鍵とは? 20世紀というエロスの世紀を、快刀乱麻を断つご…

遥洋子『東大で上野千鶴子に喧嘩を学ぶ』  ★★

東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ (ちくま文庫) 遥 洋子 教授は言った。「相手にとどめを刺しちゃいけません。あなたはとどめを刺すやり方を覚えるのでなく、相手をもてあそぶやり方を覚えて帰りなさい。そうすれば、勝負は聴衆が決めてくれます」タレントは…

上野千鶴子、小倉千加子『ザ・フェミニズム』  ★★★★☆

ザ・フェミニズム (ちくま文庫) 上野 千鶴子,小倉 千加子 決着をつけましょう―。当代を代表するフェミニスト二人が、フェミニズムについて徹底的に語りあった。「夫婦別姓は支持しない。」「リベラリズムはフェミニズムの敵である。」「援交と新・専業主婦は…

中山可穂『花伽藍』  ★★★☆

花伽藍 (角川文庫) 中山 可穂 夏祭りの夜の出会いから別れまでの濃密な恋の顛末を描いた「鶴」、失恋したばかりの一夜の出来事「七夕」、離婚した夫が転がり込んできたことから始まる再生の物語「花伽藍」、恋人とともに飼い猫にまで去られてしまった「偽ア…