Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

津原泰水『瑠璃玉の耳輪』  ★★★☆

琉璃玉の耳輪
琉璃玉の耳輪
津原 泰水,尾崎 翠
 時は昭和三年―名探偵・唐草七郎の一番弟子にして閨秀の女探偵・岡田明子のもとへ舞いこんだ、摩訶不思議な依頼。「三姉妹を探して下さい。手掛かりは、三人とも左の耳に、一粒の琉璃玉が嵌った白金の耳輪をしています」阿片窟の女傑・女掏摸・生人形の少女・男装の麗人・旅芸人一座・変態性慾の男・老刑事・放蕩の貴公子…奇想天外、魑魅魍魎、百花繚乱、女探偵・岡田明子の事件簿。(Amazon

 私は何をとち狂ったのか、耳輪のデザインを大幅に勘違いしていた……太いプラチナ輪に小さな瑠璃玉がはまっているのかと。違いますよね。初読時はストーリーのみを駆け足で追いがちとはいえ、自分の想像力を疑うわw 尾崎翠の原案は未読の津原ファンの感想。
 こういう文体で書くのは綺憚集でちらっとやったくらいかな? 時代物の長編は書いて……ないよな? どこまでが尾崎でどこまでが津原なのか分からないので何ですが、本人があとがきで言ってる通り後半は津原節だったような気がする。津原節というか文体が現代寄というか。
 おおまかに括れば耽美系ミステリかね。女性同士の同性愛描写がちらちらあったりして、個人的には百合萌えした(笑)元々この人の性愛描写好きだからな。狂言回しは女探偵、ってなってるけど特に主役はいない感じだね。私はマリーことえいこが好きだったな。ついでに明夫とマリー萌えだ。笑
 ステリらしく(?)先が気になるように作られているので結局二日で読んでしまってもったいなかった。原案があると、しかもそれを読んでないとスパッと物事をいいにくいな。とりあえず面白かったです。また何度か再読して精読します。
 八重子と瑶子についてはぐああああとなって何もいえません。私はハッピーエンド主義です。