Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

上野千鶴子『発情装置』  ★★★

発情装置―エロスのシナリオ
発情装置―エロスのシナリオ
上野 千鶴子
 人はなぜ欲情するのか?もはや「対」幻想の時代は終わった―ブルセラ援助交際セックスレス…地滑りを起こしたように変わっていく性意識。その構造を読み解く鍵とは? 20世紀というエロスの世紀を、快刀乱麻を断つごとく著者が鮮やかに跡づける。(Amazon

 ざーっと読んだだけなので詳しいとこは覚えてないが、やっぱりね、北原さんを読むときも思うんだけど、世代の差をものすごく感じるんだよね。70年代にリブが「抱かれる女から抱く女へ」を掲げて運動しだしてから40年、たった40年ですごい変わったんだね。
 もちろんまだまだなんだけど、それでも全然違うよね。少年愛漫画考察で「風と木の詩」「摩利と新吾」「日出づる処の天子」や中島梓が取り上げられてたんだけど、ジルベールを男ではない第三の性と見たり、私はしてないんだよな。普通に男が男に犯されてハアハアというか……w 論文自体が少し前のものだったからね。今だったら腐界隈のにぎやかさを考察せざるをえない……書いてるかな、既に。男を男として消費する、そういう視線を大分身につけてきたように思いますよ。本に載ってたゲイ向けの男ヌード絵、めっちゃ萌えたもん……! あれ生で見たいわ!
 対幻想はもう終わった、みたいなこと対談では言ってたと思うんだけどどうだったかな……読み込んではないからな……恋愛の項あたりは世の恋愛万歳っぷりに疲れた人が読むとほっとするのではないでしょうか。私は結構しました。笑 フェミやゲイスタの当事者性についても興味深く読んだ。