Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2007-01-01から1年間の記事一覧

森鴎外『雁』  ★★★

雁 岩波文庫 緑 5-5 森 鴎外 よかった。お玉の恋心はどうなるの! と最後まで読んでしまった。 生まれてすぐに母を亡くし、貧困の中で父親に育てられたお玉は、高利貸末造の妾となり、上野不忍池にほど近い無縁坂にひっそりと住んでいる。やがて、散歩の道す…

あさのあつこ『NO.6 #6』

NO.6〔ナンバーシックス〕#6 (YA! ENTERTAINMENT) あさの あつこ, 影山 徹, 北村 崇 ついに

夏目漱石『こころ』  ★★★★☆

こころ (岩波文庫) 夏目 漱石 今更な一冊。高校時代に挫折したんだ確か。年を重ねた今はどうして挫折したんだろ? と思います。面白くてすぐ読み終えちゃった。 親友を裏切って恋人を得たが、親友が自殺したために罪悪感に苦しみ、自らも死を選ぶ孤独な明治…

津原泰水『ピカルディの薔薇』  ★★★★☆

ピカルディの薔薇 津原 泰水 大変おいしゅうございました。手に取ったときは薄いし字が小さくて、もっと読みたいよ~とがっかりしたんだけど、中身が濃いから満足。 頑迷な男を襲う白昼夢。(「夕化粧」)人形作家の恐るべき新作。(「ピカルディの薔薇」)鳥を…

津原泰水『蘆屋家の崩壊』  ★★★★☆

蘆屋家の崩壊 津原 泰水 図書館の棚を総当りしていたところ『エロチカ』(ええ題名だけで手に取りましたともw)というアンソロジーに津原さんの名前が。わかったー今私が求めているのはこの人だ! ということで嬉々として「つ」の棚を漁ると結構揃っている…

ビル・ブライソン『人類が知っていることすべての短い歴史』  ★★★★★

人類が知っていることすべての短い歴史 ビル ブライソン, Bill Bryson, 楡井 浩一 一家に一冊置いておいてもいいんじゃなかろうか。面白かった! 帯に「科学が退屈だと信じているあなたへ」って書いてあるけど、私はそんな人がいることを信じられないよ。 宇…

島本理生『ナラタージュ』  ★★★

ナラタージュ 島本 理生 「卒業間際の感傷なんてふざけたことを言わないで。あの日から私はずっと同じ場所にいます。そして、あなたから連絡が来るのを待っていた。それでもあなたは思い込みだって言うんですか」 いろんな場所に出掛けたし、一緒に食事をし…

三中信宏『系統樹思考の世界』  ★★

系統樹思考の世界 (講談社現代新書) 三中 信宏

藤崎慎吾他『深海のパイロット』  ★★★★☆

深海のパイロット (光文社新書) 藤崎 慎吾, 田代 省三, 藤岡 換太郎 櫻井「はい前進停止」 廣瀬「はい前進停止」 櫻井「はい舵中央」 廣瀬「はい舵中央」 櫻井「わあ、すごい、向こう! ブラックスモーカーだよ」 研究者「どこ?」 櫻井「正面」 研究者「う…

松本健一『砂の文明・石の文明・泥の文明』  ★★★★☆

砂の文明・石の文明・泥の文明 (PHP新書) 松本 健一 世界はいま「文明の衝突」の世紀を迎えたという。だが、「アメリカ中心の民主主義」V.S.「野蛮なテロ集団」という構図だけで、深層は読み解けない。本書では、民族と風土のあり様を三つのカテゴリーに分類…

道尾秀介『シャドウ』  ★★★★

シャドウ (ミステリ・フロンティア) 道尾 秀介 「人間の精神はとても複雑なんだ。それが、ほかの動物にはない強みになっている。しかし、じつは人間の最大の弱点でもあるんだよ。世の中の複雑な物がすべてそうであるように、人間の精神も、とても壊れやすい…

道尾秀介『骸の爪』  ★★★☆

骸の爪 道尾 秀介 「相談事というのは、こうだろう。――きみはホラー小説の材料を仕入れに、ある仏所へ取材に行った。そして工房の作業風景を見学し、仏像の写真を撮っているうちに、この千手観音像に恐ろしい呪いをかけられてしまった」 「呪い……」 「そう、…

道尾秀介『片目の猿』  ★★☆

片眼の猿 One‐eyed monkeys 昔、九百九十九匹の猿の国があった。 その国の猿たちは、すべて片眼だった。顔に、左眼しかなかったのだ。ところがある日その国に、たった一匹だけ、両眼の猿が生まれた。その猿は国中の仲間にあざけられ、笑われた。思い悩んだ末…

道尾秀介『向日葵の咲かない夏』  ★★★☆

向日葵の咲かない夏 道尾 秀介 「ミチオ君も、みんなと同じだったんだね」 ――そのとき、僕を襲った恐怖。 自分がやっている、そのこと自体が、僕に与えた恐怖。自分自身に対する恐ろしさ。 「僕だけじゃない。誰だって、自分の物語の中にいるじゃないか。自…

道尾秀介『背の眼』  ★★★☆

背の眼 道尾 秀介 「およそすべての犯罪には少なからず偶然が関与しているものだ。犯罪にかかわらず、偶然のまったく関わっていない事象なんてないさ。ごく普通の線の集合が美人を形成するはずなのに、実際の美人に出会うのは稀なようにね。偶然云々で個々の…

ジェーン・オースティン『自負と偏見』  ★★★★

自負と偏見 (新潮文庫) J. オースティン, Jane Austen, 中野 好夫 去年の夏、英文学専攻の友達が読んでいて面白いと言われたので、今更読んでみた。映画「プライドと偏見」はCMしか見たことないな。フェミニズム的な話かと思いきや、ユーモアのある恋愛娯楽…

吉本ばなな『アムリタ(上)』  ★★☆

アムリタ〈上〉 (新潮文庫) 吉本 ばなな これはアテネのホステルの、下のベッドにいた日本人の女の子に「読み終わった本があったら貸してほしい」と申し出て借りたもの。その子は翌日帰国だったから、貰ってしまった。最初見たとき、既読だ! とがっくりして…

トルストイ『アンナ・カレーニナ(上)』  ★★★

アンナ・カレーニナ (上巻) トルストイ, 木村 浩 浮気をするアンナの話ってことしか知らなかったので、あばずれ女なアンナを想像していたんだけど全く違った。魅力的な淑女じゃないか(途中まで)。旅行中のホステルにあって、読むのが大変そうなロシア文学…

あさのあつこ『晩夏のプレイボール』  ★★☆

晩夏のプレイボール あさの あつこ あさのさんのネーミングセンスはちょっぴりDQNだな、と思っていたら、母にもそれを言われた。やっぱりそうか。あと、「あさのあつこって野球が大好きなんだね」と言うと「離れられないだけじゃない」だとさ。んー、確かに…

現時点でOperaに入ってるメモ

首無の如き祟るもの 作者: 三津田信三 鶴 (講談社文芸文庫) 作者: 長谷川四郎 小川未明童話集 G・ガルシア=マルケス『百年の孤独』 佐藤亜紀『ミノタウロス』 2 鹿島田真希『六〇〇〇度の愛』 笙野頼子『金毘羅』 ウソの歴史博物館 (文春文庫) (2006/07) 他…

エーリヒ・ケストナー『ケストナーの終戦日記』  ★★

ケストナーの終戦日記―一九四五年を忘れるな エーリヒ・ケストナー, 高橋 健二 星で評価つけるようなもんじゃないんだけど……なかなか頭に入ってこなかったので飛ばし飛ばし。ナチスが強制収容所で行っていたことを一般市民が知らなかったということは、本当…

クラウス・コルドン『ベルリン1945』  ★★★★☆

ベルリン1945 クラウス・コルドン, 酒寄 進一 ついに戦争終結。三部作も終結。これが一番リーダビリティがあったなあ。一番分厚かったのに、すぐ読みきっちゃったもの。ゲープハルト一家と三十年を歩んできた気分。広く読まれるといいなあ。

エーリヒ・ケストナー『ふたりのロッテ』  ★★★★☆

ふたりのロッテ (ケストナー少年文学全集 (6)) ケストナー, 高橋 健二 文句なしに双子がかわいい。お話としてのまとまりも、一番良い気がします。ファミリーに絞って書いてあるからかな。 おたがいを知らずに別々の町で育った、ふたごの姉妹ルイーゼとロッテ…

ウーリー・オルレブ『走れ、走って逃げろ』  ★★★★

走れ、走って逃げろ ウーリー オルレブ, Uri Orlev, 母袋 夏生 ノンフィクションというカテゴリでいいのだろうか……? 児童文学のつもりで読んだら、実話でした。 ユダヤ人が強制移住させられたゲットーで、8歳のスルリックは家族と生き別れになってしまった…

エーリヒ・ケストナー『動物会議』  ★★☆

動物会議 ケストナー, 高橋 健二 カラーで読みたかったな。せっかくの絵本だし。表題作以外に詩が何篇か。 第二次大戦が終わり、各国の首脳たちは世界平和を維持するために国際会議を重ねていますが、成果があがりません。それを見て怒った動物たちは、自分…

フレッド・ウルマン『友情』  ★★★★

友情 フレッド ウルマン, Fred Uhlman, 清水 徹, 清水 美智子 少年二人の友情にくらくらしてたけどそんな生易しいもんじゃなかった。 彼は、1932年1月、私の人生にはいってきて、それからは一度も立ち去ることはなかった。あのときから四半世紀あまりが過ぎ…

エーリヒ・ケストナー『点子ちゃんとアントン』  ★★★★

点子ちゃんとアントン (岩波少年文庫) エーリヒ ケストナー, Erich K¨astner, 池田 香代子 主役二人がかわいかった! お金持ちの両親の目を盗んで、夜おそく街角でマッチ売りをするおちゃめな点子ちゃんと、おかあさん思いの貧しいアントン少年。それぞれ悩…

エーリヒ・ケストナー『エーミールと三人のふたご』  ★★☆

エーミールと三人のふたご (ケストナー少年文学全集 (2)) ケストナー, 高橋 健二 子どもたちが短い間だけでも自分たちだけで生活する、というのは小さい頃誰もが憧れたことじゃなかろうか。 どろぼうを追跡してみごとにつかまえた、少年たちの大活躍から2年…

エーリヒ・ケストナー『エーミールと探偵たち』  ★★★

エーミールと探偵たち (ケストナー少年文学全集 (1)) ケストナー, 高橋 健二 男の子は友情・努力・勝利が好きですよね(ジャンプじゃないんだから)。 おばあちゃんをたずねる列車の中で、大切なお金を盗られてしまったエーミール。ベルリンの街を舞台に、少…

エーリヒ・ケストナー『飛ぶ教室』  ★★★★

飛ぶ教室 エーリヒ ケストナー, Erich K¨astner, 池田 香代子 私が読んだのは高橋健二訳だったけど、画像が出なかったので。名前の表記が微妙に違うな。 ボクサー志望のマッツ、貧しくも秀才のマルティン、おくびょうなウーリ、詩人ジョニー、クールなゼバス…