Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

小川一水『第六大陸 1』  ★★☆

SF

第六大陸〈1〉 小川 一水 はじめから宇宙進出しているSFよりも、さあロケット打ち上げるぜ! ってのが好きなんだけど、いかんせん、理系知識ゼロの私には専門用語が解読できないのですよ。宇宙関係の本は好きだからたまによむけどさ、宇宙そのものについてだ…

沢村凛『カタブツ』  ★★★

カタブツ 沢村 凛 亜子。 あいつをあんまり待たせちゃいけない。 ただでさえ孤独を感じやすいこんな夜に、ぼくの帰りを一人で待っている亜子を思うと、自分の幸福がひどく申し訳なく感じられて、ぼくは夜道を走り出した。(袋のカンガルー) そのとき、私に…

有栖川有栖他『血文字パズル―ミステリ・アンソロジー〈5〉』  ★★★

血文字パズル―ミステリ・アンソロジー〈5〉 有栖川 有栖, 麻耶 雄嵩, 太田 忠司, 若竹 七海 「どうだった。意外と様になっていただろ」 自信を持って後ろを振り返る。すると今までずっと顔を伏せ待機していたワトソン役がつつと近寄ってきた。 「君ねぇ。君…

森谷明子『七姫幻想』  ★★★☆

七姫幻想 森谷 明子 世界史選択だったためか日本史にはとことん疎く、思う存分味わえ尽くせなかったのが残念無念。何回か読まないと永い歴史の流れを感じ取れないね。古典のうつくしくあやしい要素をぎゅっとつめたような文章でした。

瀬尾まいこ『強運の持ち主』  ★★☆

強運の持ち主 瀬尾 まいこ 「あの時は、ああ、またこれを繰り返したいなって思ったんだ。なんかさ、映画とか海とか行った後って、帰ってくると、デートがやっと終わったって、ほっとしちゃう面もあるだろう? でも、ジャスコに行ったときは、またすぐに行き…

いしいしんじ『雪屋のロッスさん』  ★★★☆

雪屋のロッスさん いしい しんじ 「偉大なるフェリペは教えてくれた。この世界は、勝者のためにだけうつくしいというわけではない」(ボクシング選手のフェリペ・マグヌス) 「まあ幸いなことに、雪はいずれ溶けます。はかないようですが、そこが雪のいいと…

J. K. ローリング『ハリー・ポッターと謎のプリンス』  ★★★

ハリー・ポッターと謎のプリンス ハリー・ポッターシリーズ第六巻 上下巻2冊セット (6) J. K. ローリング, J. K. Rowling, 松岡 佑子 おおおショック……! 五巻に勝るとも劣らないショック……!

上遠野浩平『オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス』  ★☆

オルフェの方舟―ブギーポップ・イントレランス 上遠野 浩平 結構前に読んだのに記事の投稿すらしてなかったのかな。ブギーポップは惰性で読んでいるからかしら。リンクを全てなくして、他のシリーズも書いてほしい。

小川一水『老ヴォールの惑星』  ★★★★

SF

老ヴォールの惑星 たとえ人類が滅びていても、確かめる手段がないのだ。ひょっとするとみな生きているのかもしれない――そんな望みでもって、残酷に縛りつけてくるのだ。 今あるのは、共感を失い、餓死を阻まれ、自殺を封じられた、どのような意味でも価値が…

時雨沢恵一『リリアとトレイズ(2)』  ★★☆

リリアとトレイズ〈3〉イクストーヴァの一番長い日〈上〉 時雨沢 恵一 「そうよ、ヴィル。――ごらんなさい。あれが岸の背中よ」 「あの人は、誰を信じて、誰を裏切らないの? 誰のため何をするの?」 「この世界に住む、ほとんど全ての人達のため」(騎士の背…

山本文緒『恋愛中毒』  ★★★☆

恋愛中毒 山本 文緒 レポートのために再読した。面白くてついつい読みふけってしまった。どろどろしていて好きだ。水無月美雨について考察しすぎてしまったので、感想はパスしておこう。

三浦しをん他『最後の恋』  ★★★

最後の恋 阿川 佐和子, 角田 光代 このひとでいい。 このひとが、いい。(LAST LOVE) 信じられるものを、ぼくは創り出したかったんだろう。それは恋愛感情というあいまいなものでも、結婚という形式でもなくて、もっとささやかでちいさいもの。(おかえりな…

姫野カオルコ『受難』  ★★★

受難 姫野 カオルコ 「かなしむと怒るじゃない。かなしむということは、“自分の現状が自分にはふさわしくなくて、自分はもっと男に愛されるべき女なのだ、それなのになぜ愛されないのか”という心理の表れだから傲慢だ、って」 面白い面白くない以前の問題。…

辻村深月『凍りのくじら』  ★★★☆

凍りのくじら 辻村 深月 私の考える頭の良さというものは、多分その人の今までの読書量と比例する。頭の良さは様々だし、勿論この側面からだけで簡単に測れるものではないが、それでも私の場合はそこが大事。 例えば、今もし母が死んでしまったら私は後悔す…

江戸川乱歩『孤島の鬼』  ★★★☆

孤島の鬼 江戸川 乱歩 「悪魔の子としてこのうえ生恥を曝そうより、君と抱き合って死んで行くほうが、どれほど嬉しいか。蓑浦君、地上の世界の習慣を忘れ、地上の羞恥を棄てて、今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」 乱歩が同性愛者ってのは知ってた…

舞城王太郎『世界は密室でできている。』  ★★☆

世界は密室でできている。 舞城 王太郎 「すげーなオイ」。うん。その台詞を聞くために僕は体を張ったギャグをここで見せたのだ。今は笑えないだろうけれど、後から長い時間が経っても忘れられずに憶えていて、何度も何度も笑えるギャグを。痛みからいくらか…

殊能将之『子どもの王様』  ★★

子どもの王様 殊能 将之 「大人になりたいな。」 「なにいってんのよ。大人になったら、大人になるのはあたりまえじゃない。」 ミステリーランド第一回配本。出版されたのは2003年だった。そんな昔の話なの! 私がミステリーランドで読んだのは『くらのかみ…

光原百合『最後の願い』  ★★★★

最後の願い 光原 百合 「人の批評なんか気にするようじゃ困るが、人の批評を聞く勇気もない奴はもっと困るんだ。そんな奴ならいらない。だからそっちが言い出すのを待っていた」 関係ないけど俺、「何でも私に任せておいて」って言葉、嫌いですね。「そっち…