Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2009-01-01から1年間の記事一覧

三浦しをん『神去なあなあ日常』  ★☆

神去なあなあ日常 三浦 しをん 美人の産地・神去村でチェーンソー片手に山仕事。先輩の鉄拳、ダニやヒルの襲来。しかも村には秘密があって…!?林業っておもしれ~!高校卒業と同時に平野勇気が放り込まれたのは三重県の山奥にある神去村。林業に従事し、自然を…

シオドア・スタージョン『一角獣、多角獣』  ★★★★☆

SF

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集) シオドア スタージョン,Theodore Sturgeon,小笠原 豊樹 幻獣が微笑み、人外が嗤う。ページを開けば異形博物館の開館時間…。伝説の珍獣をめぐる皮肉な物語「一角獣の泉」や、代表作「めぐりあい」など、一癖もふた癖もある異…

ポール・オースター『偶然の音楽』  ★★★★

偶然の音楽 (新潮文庫) ポール オースター,Paul Auster,柴田 元幸 ポール・オースターならこの人と言われる、柴田元幸氏の翻訳はいつもながらの名調子。元消防士の主人公ジム・ナッシュは、妻に逃げられ、疎遠だった父も鬼籍に入った。父の遺産を手に新車を…

ガルシア・マルケス『愛その他の悪霊について』  ★★★

愛その他の悪霊について (新潮・現代世界の文学) G. ガルシア・マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,旦 敬介 愛は成就されず、成就されるのは愛でないものばかり。十二月の最初の日曜日、十二歳になる侯爵のひとり娘シエルバ・マリアは、市場で、額に白い斑点…

グレッグ・イーガン『順列都市』下  ★★★★☆

SF

順列都市〈下〉 (ハヤカワ文庫SF) グレッグ イーガン,Greg Egan,山岸 真 ソフトウェア・デザイナーのマリア・デルカは、思いもよらぬ申し出を受けた。天才的人工生命研究者ランバートが考えだした人工宇宙―オートヴァース内に、ひとつの惑星全体と、さらには…

グレッグ・イーガン『順列都市』上  ★★★★

SF

順列都市〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) グレッグ イーガン,Greg Egan,山岸 真 記憶や人格などの情報をコンピュータに“ダウンロード”することが可能となった21世紀なかば、ソフトウェア化された意識、“コピー”になった富豪たちは、コンピュータが止まらないかぎり…

P.G.ウッドハウス『でかした、ジーヴス!』  ★★★★★

でかした、ジーヴス! (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス,Pelham Grenville Wodehouse,森村 たまき 何度目かって? 読めば読むほど噴出す回数が増えていくんだから問題ナシです。「あなたのおひざですか?」って名訳だと思う。「おひざ」なんだ…

トマス・M.ディッシュ『アジアの岸辺』  ★★★★

SF

アジアの岸辺 (未来の文学) トマス・M.ディッシュ,浅倉 久志 最高に知的で最高に意地悪なSF作家、トマス・M・ディッシュの洗練された奇想と黒い笑いに満ちた短篇群を初集成。本邦初訳・幻の傑作「アジアの岸辺」等13篇を収録した日本オリジナル編集によるベ…

村上陽一郎編『現代科学論の名著』  ★★★★

現代科学論の名著 (中公新書) 村上 陽一郎 「科学とは何か」をラディカルに問う名著12冊のブックガイド。 ホワイトヘッド『科学と近代世界』 バシュラール『否定の哲学』 シュレーディンガー『生命とは何か』 マンハイム『イデオロギーとユートピア』 ウィ…

グレッグ・イーガン『宇宙消失』  ★★★★☆

SF

宇宙消失 (創元SF文庫) グレッグ イーガン,Greg Egan,山岸 真 2034年、地球の夜空から星々が消えた。正体不明の暗黒の球体が太陽系を包みこんだのだ。世界を恐慌が襲った。この球体について様々な仮説が乱れ飛ぶが、決着のつかないまま、33年が過ぎた…。ある…

冲方丁 『冲方式ストーリー創作塾』  ★★★

冲方式ストーリー創作塾 冲方 丁 キミにもあの名作『マルドゥック・スクランブル』が書ける!! 「小説や物語が好きだし、なんとなく自分も書いてみたいけど一体どうすればいいの?」 と考えているアナタ。 そんなアナタのために、今ライトノベル界でもっと…

リチャード・ドーキンス『神は妄想である』  ★★★★

神は妄想である―宗教との決別 リチャード・ドーキンス,垂水 雄二 人はなぜ神という、ありそうもないものを信じるのか? なぜ宗教だけが特別扱いをされるのか? 「私は無神論者である」と公言することがはばかられる、たとえば現在のアメリカ社会のあり方は、お…

ガルシア・マルケス『コレラ時代の愛』  ★★★★☆

コレラの時代の愛 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1985)) 木村 榮一 夫を不慮の事故で亡くしたばかりの女は72歳。彼女への思いを胸に、独身を守ってきたという男は76歳。ついにその夜、男は女に愛を告げた。困惑と不安、記憶と期待がさまざまに交錯する二人を乗…

ディーン・クーンツ『ベストセラー小説の書き方』  ★★★★

ベストセラー小説の書き方 (朝日文庫) ディーン・R. クーンツ,Dean R. Koontz,大出 健 どんな本が売れるのか?超ベストセラー作家が、自作をはじめ、さまざまな例をひきながら、成功の秘密を説き明かす。何百万もの読者に支持される人気作家ならではの、それ…

バルザック『ゴリオ爺さん』下  ★★★☆

ゴリオ爺さん (下) (岩波文庫) バルザック,高山 鉄男 ……ひ、ひどい。爺さんが哀れすぎて見ていられない。上巻はラスティニャックメインな感じだったけど、下巻は彼目線でのゴリオ爺さんがたくさん描かれている。最期にあの娘らは自分を愛してなんかいない、…

野尻抱介『太陽の簒奪者』  ★★★★

SF

太陽の簒奪者 (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション) 野尻 抱介 西暦2006年、突如として水星の地表から噴き上げられた鉱物資源は、やがて、太陽をとりまく直径8000万キロのリングを形成しはじめた。日照量の激減により破滅の危機に瀕する人類。いったい何者が…

大原まりこ『ハイブリッド・チャイルド』  ★★★☆

SF

ハイブリッド・チャイルド (ハヤカワ文庫JA) 大原 まり子 長期にわたるアディアプトロン機械帝国との闘いに終止符を打つべく、最終兵器が軍の施設内でひそかに研究・開発された。組み替え自在の特殊金属ユニットの骨組みに、バイオ技術で創り上げた細胞を肉…

津原泰水『バレエ・メカニック』  ★★★★

SF

バレエ・メカニック (想像力の文学) 津原 泰水 造形家である木根原の娘・理沙は、9年前に海辺で溺れて以来、昏睡状態にあった。「五番めは?」―都心での商談後、幻聴らしき言葉を耳にした木根原は、奥多摩の自宅へと帰る途中、渋滞の高速道路で津波に襲われる…

バルザック『ゴリオ爺さん』上  ★★★★

ゴリオ爺さん (上) (岩波文庫) 高山 鉄男 奢侈と虚栄、情欲とエゴイズムが錯綜するパリ社交界に暮す愛娘二人に全財産を注ぎ込んで、貧乏下宿の屋根裏部屋で窮死するゴリオ爺さん。その孤独な死を看取ったラスティニャックは、出世欲に駆られて、社交界に足を…

本多孝好『WILL』  ★★★★☆

WILL 本多 孝好 累計30万部超のベストセラー『MOMENT』の待望の姉妹編。『MOMENT』の主人公・神田の幼馴染の女性、葬儀屋・森野の視点で描かれる本作は、前作のラストから7年後の物語。18歳のときに両親を事故で亡くし、家業の葬儀屋を継いだ森野。29歳にな…

P.G.ウッドハウス『ジーヴスと恋の季節』  ★★★★★

ジーヴスと恋の季節 (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス,P.G. Wodehouse,森村 たまき 百に及ぶウッドハウスの全小説中もっとも複雑で凝りに凝ったプロットを持ち、英国ウッドハウス協会元会長をして“全作品中のベスト”と言わしめた傑作長編小説…

P.G.ウッドハウス『サンキュー、ジーヴス』  ★★★★☆

サンキュー、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス,Pelham Grenville Wodehouse,森村 たまき バンジョレレを習い始めたバーティーは、ご近所から苦情を浴びせられ、田舎のコテージで練習を再開。だが、ジーヴスにも辞められて新たな執事…

若竹七海『プラスマイナスゼロ』  ★★

プラスマイナスゼロ 若竹七海 はじまりは、落ちてきた一匹の蛇だった―。なんか最近、アタシら死体に縁がねーか? 凸凹女子高生トリオが、海辺の町・葉崎を駆け抜ける! ドタバタ×学園×青春ミステリー。(Amazon) あー新刊(ってほどじゃない)と思っておつ…

米原万里『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』  ★★★★★

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (文芸シリーズ) 米原 万里 1960年、小学校4年生のマリは、プラハのソビエト学校にいた。男の見極め方やセックスのことを教えてくれるのは、ギリシャ人のリッツァ。ルーマニア人のアーニャは、どうしようもない嘘つきのまま皆に…

P.G.ウッドハウス『ジーヴスと封建精神』  ★★★★

ジーヴスと封建精神 (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス,P.G. Wodehouse,森村 たまき バーティー、またもや婚約か!? お相手は、灰色の脳細胞が破裂寸前までオツムに詰まったあのフローレンス嬢? ―大好評シリーズ第9弾。(Amazon) 再読。フ…

伊坂幸太郎『ゴールデンスランバー』  ★★★☆

ゴールデンスランバー 伊坂 幸太郎 仙台で金田首相の凱旋パレードが行われている、ちょうどその時、青柳雅春は、旧友の森田森吾に、何年かぶりで呼び出されていた。昔話をしたいわけでもないようで、森田の様子はどこかおかしい。訝る青柳に、森田は「おまえ…

P.G.ウッドハウス『ウースター家の掟』  ★★★★☆

ウースター家の掟 (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス,Pelham Grenville Wodehouse,森村 たまき 極北的理不尽美少女の無理難題を前に、またまたスープに浸かり続けるご主人様。あらゆる難問を解決し続ける天才執事ジーヴス、今回のお手並みはい…

P.G.ウッドハウス『ジーヴスと朝のよろこび』  ★★★★

ジーヴスと朝のよろこび (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス,Pelham Grenville Wodehouse,森村 たまき うむ、これによって、地平線は目に見えて明るさを増したと言わねばならない。友人たちのこじれた結婚問題を解決しようと鬼門スティープル・…

P.G.ウッドハウス『それゆけ、ジーヴス』  ★★★★☆

それゆけ、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス,Pelham Grenville Wodehouse,森村 たまき 英国の国民的作家ウッドハウスの「ジーヴス物」から傑作を厳選したコレクション第3弾。ウッドハウス初期の代表的短編集を完訳。天才執事ジーヴ…

P.G.ウッドハウス『比類なきジーヴス』  ★★★★

比類なきジーヴス (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス,Pelham Grenville Wodehouse,森村 たまき 英国の国民的作家ウッドハウスの「ジーヴス物」から傑作を厳選したコレクション。ぐうたらでダメ男の若旦那バーティーと、とんち男の召使いジーヴ…