Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2007-11-01から1ヶ月間の記事一覧

夏目漱石『こころ』  ★★★★☆

こころ (岩波文庫) 夏目 漱石 今更な一冊。高校時代に挫折したんだ確か。年を重ねた今はどうして挫折したんだろ? と思います。面白くてすぐ読み終えちゃった。 親友を裏切って恋人を得たが、親友が自殺したために罪悪感に苦しみ、自らも死を選ぶ孤独な明治…

津原泰水『ピカルディの薔薇』  ★★★★☆

ピカルディの薔薇 津原 泰水 大変おいしゅうございました。手に取ったときは薄いし字が小さくて、もっと読みたいよ~とがっかりしたんだけど、中身が濃いから満足。 頑迷な男を襲う白昼夢。(「夕化粧」)人形作家の恐るべき新作。(「ピカルディの薔薇」)鳥を…

津原泰水『蘆屋家の崩壊』  ★★★★☆

蘆屋家の崩壊 津原 泰水 図書館の棚を総当りしていたところ『エロチカ』(ええ題名だけで手に取りましたともw)というアンソロジーに津原さんの名前が。わかったー今私が求めているのはこの人だ! ということで嬉々として「つ」の棚を漁ると結構揃っている…

ビル・ブライソン『人類が知っていることすべての短い歴史』  ★★★★★

人類が知っていることすべての短い歴史 ビル ブライソン, Bill Bryson, 楡井 浩一 一家に一冊置いておいてもいいんじゃなかろうか。面白かった! 帯に「科学が退屈だと信じているあなたへ」って書いてあるけど、私はそんな人がいることを信じられないよ。 宇…

島本理生『ナラタージュ』  ★★★

ナラタージュ 島本 理生 「卒業間際の感傷なんてふざけたことを言わないで。あの日から私はずっと同じ場所にいます。そして、あなたから連絡が来るのを待っていた。それでもあなたは思い込みだって言うんですか」 いろんな場所に出掛けたし、一緒に食事をし…

三中信宏『系統樹思考の世界』  ★★

系統樹思考の世界 (講談社現代新書) 三中 信宏

藤崎慎吾他『深海のパイロット』  ★★★★☆

深海のパイロット (光文社新書) 藤崎 慎吾, 田代 省三, 藤岡 換太郎 櫻井「はい前進停止」 廣瀬「はい前進停止」 櫻井「はい舵中央」 廣瀬「はい舵中央」 櫻井「わあ、すごい、向こう! ブラックスモーカーだよ」 研究者「どこ?」 櫻井「正面」 研究者「う…

松本健一『砂の文明・石の文明・泥の文明』  ★★★★☆

砂の文明・石の文明・泥の文明 (PHP新書) 松本 健一 世界はいま「文明の衝突」の世紀を迎えたという。だが、「アメリカ中心の民主主義」V.S.「野蛮なテロ集団」という構図だけで、深層は読み解けない。本書では、民族と風土のあり様を三つのカテゴリーに分類…

道尾秀介『シャドウ』  ★★★★

シャドウ (ミステリ・フロンティア) 道尾 秀介 「人間の精神はとても複雑なんだ。それが、ほかの動物にはない強みになっている。しかし、じつは人間の最大の弱点でもあるんだよ。世の中の複雑な物がすべてそうであるように、人間の精神も、とても壊れやすい…

道尾秀介『骸の爪』  ★★★☆

骸の爪 道尾 秀介 「相談事というのは、こうだろう。――きみはホラー小説の材料を仕入れに、ある仏所へ取材に行った。そして工房の作業風景を見学し、仏像の写真を撮っているうちに、この千手観音像に恐ろしい呪いをかけられてしまった」 「呪い……」 「そう、…

道尾秀介『片目の猿』  ★★☆

片眼の猿 One‐eyed monkeys 昔、九百九十九匹の猿の国があった。 その国の猿たちは、すべて片眼だった。顔に、左眼しかなかったのだ。ところがある日その国に、たった一匹だけ、両眼の猿が生まれた。その猿は国中の仲間にあざけられ、笑われた。思い悩んだ末…