2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧
いつか王子駅で 堀江 敏幸 路面電車の走る町。「珈琲アリマス」と記された小さな居酒屋。隣で呑んでいた正吉さんは、手土産のカステラを置いたまま、いったい何処へ向かったのか? ―荒川線沿線に根をおろした人々とあてどない借家人の「私」。その日日を、テ…
チルドレン 伊坂 幸太郎 「俺たちは奇跡を起こすんだ」独自の正義感を持ち、いつも周囲を自分のペースに引き込むが、なぜか憎めない男、陣内。彼を中心にして起こる不思議な事件の数々―。何気ない日常に起こった五つの物語が、一つになったとき、予想もしな…
熊の敷石 堀江 敏幸 「なんとなく」という感覚に支えられた違和と理解。そんな人とのつながりはあるのだろうか。フランス滞在中、旧友ヤンを田舎に訪ねた私が出会ったのは、友につらなるユダヤ人の歴史と経験、そして家主の女性と目の見えない幼い息子だった…
ブラバン 津原 泰水 大麻を隠し持って来日したポール・マッカートニーが一曲も演奏することなく母国に送還され、ビル・エヴァンスがジョン・ボーナムがジョン・レノンまでも死んでしまった、1980年(昭和55年)。醒めた熱狂の季節に、音楽にイカれバンドに入れ…
フュージョン 濱野 京子 何なの、これ? 何やってんだよ、あいつら。それが、あたしとヤツらの、そして、あたしとダブルダッチの出会いだった――。いま人気のスポーツを題材に、少女たちの交流と成長を描いた、感動のYA青春小説。 ちょっと足を暖めがてら……と…
ゼラニウム 堀江 敏幸 黒革レーシングスーツ姿で事故に死した女、頭の鈍い老婦人、黄色いワンピース姿のフィリピンメイド…。どこか変な女たちを静謐なユーモアで描いた短編集。標題作「ゼラニウム」を含む6篇を収録。(Amazon) 一文一文が私にはちょっと長…
幻想運河 有栖川 有栖 アムステルダムに居ついたシナリオライターの卵・恭司は、彼の地で発生したバラバラ殺人事件の渦中に巻きこまれてゆく……。全編に乱舞する薔薇のイメージ、アムステルダムと大阪、二つの水の都をめぐる詩美性あふれるミステリとロジック…
正義のミカタ―I’m a loser 本多 孝好 いじめられっ子の亮太は自分を変えようと「正義の味方研究部」に入部する。果たして亮太は変われるのか。いじめ、リストラ、格差。こんな社会で生きていかなきゃならない、将来が少し不安なあなたに贈る、書き下ろし青春…
真夜中の五分前five minutes to tomorrow 本多 孝好 小さな広告代理店に勤める僕は、学生時代に事故で失った恋人の習慣だった「五分遅れの目覚まし時計」を今も使っている。その五分ぶん、僕は社会や他人とズレて生きているようだ。そんな折り、一卵性双生児…
村田エフェンディ滞土録 梨木 香歩 町中に響くエザン(祈り)。軽羅をまとう美しい婦人の群れ。異国の若者たちが囲む食卓での語らい。虚をつく鸚鵡の叫び。古代への夢と憧れ。羅馬硝子を掘り当てた高ぶり。守り神同士の勢力争い―スタンブールでの村田の日々は…
夏の階段 (teens’ best selections) 梨屋 アリエ 希望に胸ふくらませて入学した高校。でも新しいクラスメイトとは、まだまだ微妙な関係で―地方都市の進学校・巴波川高校、通称ウズ高を舞台に、5人の高校生が織りなす、恋と友情、未来への葛藤。ほんのり甘く…
チェーン・ポイズン 本多 孝好 誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、謎の人物からのささやき。「本当に死ぬ気なら、1年待ち…
リバウンド Eric Walters,小梨 直 大事なのはシュートして得点をかせぐことだけじゃない。「失敗したシュートを次にどうやって決めるかだ」。カナダのとある町に住むショーンと車いすに乗った転校生デーヴィッド。バスケットボールが好きな二人の物語。(Ama…
でかい月だな 水森 サトリ ある満月の夜、友人に突然崖から蹴り落とされた中学生の「ぼく」。一命はとりとめるが、大好きなバスケットボールができない身体になってしまう。加害者の友人は姿を消し、入れ替わるように「ぼく」の前にあらわれたのは、インチキ…
星のひと 水森 サトリ 特別な存在でありたいと願う中3のはるき。ある日、同級生の草太の家に隕石が落ちて来たことに嫉妬して、UFOが呼べると言ってしまい…。星はめぐり、人々はつどう。生の輝きを描く瑞々しい連作集。(Amazon) 母が借りてきたので、ち…