Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2017-01-01から1年間の記事一覧

津村記久子『浮遊霊ブラジル』  ★★☆

今気づいたけどこの本のタイトル「幽霊」じゃなくて「遊霊」なんだな。 浮遊霊ブラジル 作者: 津村記久子 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2016/10/24 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (12件) を見る 初の海外旅行を前に死んでしまった私。幽霊と…

村上春樹『レキシントンの幽霊』  ★★★

同時期に読んだ『TVピープル』より余程よかった。特に表題作は好きと言ってもいい。男性作家が国外の同性の友人の家で留守番をするというシチュエーションに、堀江敏幸の『熊の敷石』を思い出したりした。そちらも好きです。 レキシントンの幽霊 (文春文庫) …

村上春樹『TVピープル』  ★★

文章はうまいと思うんだけど、この短編集の内容は好きではなかった。 TVピープル (文春文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1993/05 メディア: 文庫 購入: 4人 クリック: 19回 この商品を含むブログ (95件) を見る 不意に部屋に侵入して…

桜庭一樹『私の男』  ★★★☆

この本、はっきりと児童虐待の話なんだけれど(被虐待者の父親が娘を虐待する)、これを「禁じられた性と愛」なんて解説で書いちゃだめだろ。映画の時にも無批判に賛美するなって散々言われてたけどさ。この北上次郎の解説、赤朽葉の方に載せた方がいいよ。 …

高村薫『レディ・ジョーカー』  ★★★★

『マークスの山』『照柿』と読んできてようやくの『レディ・ジョーカー』、聞きしに勝るとは正にこの事でした。わたしは活字倶楽部読者だったと申し上げたら伝わりますでしょうか。いやーとんでもなかった。とんでもなかった。びっくりした。下巻の終章には…

遠藤周作『深い河』  ★★★

この話ってこれで終わりなの……!? と解説に切り替わったときに三度見くらいしてしまいました。びっくりした。 深い河 (講談社文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1996/06/13 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 65回 この商品を含むブ…

村上春樹『回転木馬のデッド・ヒート』  ★★★

春樹訳カポーティを読んだ流れで手をつけた。感想としては、わたしは春樹の思想や人となりはあまり好きではなくて(主に彼が男性的であるという点において)、けれど文章は好きだし技巧的にとても上手いと思っている、という既に分かっていたことでした。 回…

トルーマン・カポーティ『誕生日の子どもたち』  ★★★★

村上春樹の自作はあまり好みではないんだが、彼の翻訳はものすごく好きなので、単純に文章がうまいんだと思う。一番好きなのはチャンドラーのマーロウシリーズだけどこれも大変よかった。 誕生日の子どもたち (文春文庫) 作者: トルーマンカポーティ,Truman …