Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

井上夢人『風が吹いたら桶屋がもうかる』  ★★★

風が吹いたら桶屋がもうかる 井上 夢人 いつだって、そうなのだ。 ヨーノスケの超能力が人の役に立ったためしはないし、理屈屋イッカクの推理がなにかを解決したこともない。 結局、こうなるのだ。 この読みやすさは異常。連作短編集で、全てが同じ進み方・…

メグ・キャボット『プリンセス・ダイアリー ピンクのドレス篇』  ★★

プリンセス・ダイアリー ピンクのドレス篇 メグ・キャボット, 代田 亜香子, Meg Cabot ちがーーーーう!!! あたしはただ、ボーイフレンドが卒業して、ひげをぼーぼーはやす前にいっしょにプロムにいきたいだけなのーーーーっ!!! ねえねえ、それのどこが、いけ…

麻耶雄嵩『名探偵 木更津悠也』  ★★★

名探偵 木更津悠也 麻耶 雄嵩 名探偵を名探偵たらしめているのはその卓越した能力ゆえではない。類い希なる自制心ゆえである。 こんなまともな本を読んだの久しぶりだっ……! 信じられない。メルと美袋のための殺人もそうだったから、短編集はわりと普通なの…

恩田陸『夏の名残の薔薇』  ★★☆

夏の名残りの薔薇 恩田 陸 あの贅沢な監獄には、三人の女が待っている。 嘘つきな女たち。自分たちの生活も、他人の人生も、嘘のタペストリーに織り込んできた女たち。だが、本当に罪深いのはあの中の一人だけであることを私は知っている―― 山奥のクラシック…

メグ・キャボット『プリンセス・ダイアリー どきどきキャンプ篇』  ★★

プリンセス・ダイアリー どきどきキャンプ篇 メグ・キャボット, 代田 亜香子, Meg Cabot 読んでいて微笑ましいのでこれからもシリーズ追っかけようかな、と。普段の読書傾向から見るとかなり外れているのだけれど。

『ZOO』映画

ZOO サークルの人が泣けるよって言ってたから見たかったんだ! TSUTAYAでレンタルしちゃいました。原作を読んだのが今年の二月だから内容は殆ど抜けていた。でも好きな話が3/5だったのでやっぱり一般的に人気があるのはその3つなんだろうな、と思った。 …

麻耶雄嵩『木製の王子』  ★★☆

木製の王子 麻耶 雄嵩 魔は人ではないが人と交わることが出来る。魔は血として受け継がれていく。魔と交わった者は光の家系すなわち聖家族から外れていく。 うわーんばかー! 麻耶の本を読むたびに嘆いている自分がいる。ああ、誰か助けて……。既刊のメルカト…

瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』  ★★

天国はまだ遠く 瀬尾 まいこ 牧師さんの口ぶりから、愛や平和を語ろうとしているのはわかった。私の周りでは、たくさんの人がいろんな方法でラブアンドピースを伝えようとしているんだなあと少しありがたく思った。 「ここはほんまええ所や。ここにはたくさ…

三浦しをん『ロマンス小説の七日間』  ★☆

ロマンス小説の七日間 三浦 しをん これで三浦しをんは全制覇! やったねー。胸を張って彼女のファンだと言えよう。例え著作を一つも所有していなくとも……。買うならいつ読んでも元気が出そうなエッセイがいいかな。多分買わないけど。ごめんなさい! いつか…

加納朋子『ななつのこ』  ★★☆

ななつのこ 加納 朋子 北村薫っぽい! 北村薫も駒子や仲間達みたいな女の子書くよなあ。円紫さんシリーズがあまり好みではないので、微妙なんだが。これがデビュー作だったのか。北村薫の他に、読んでいて若竹七海を連想したのは『ぼくのミステリな日常』み…

加納朋子『沙羅は和子の名を呼ぶ』  ★★★

沙羅は和子の名を呼ぶ 加納 朋子 冷たい態度や気のないセリフは、常に諸刃の剣だ。相手と同じだけ、自分も傷つき、不幸になる。馬鹿げた繰り返しだった。もはや夫と自分とが、決して同じ方向を見ないのだと、核心するための手段でしかない。(天使の都) 加…

中島たいこ『漢方小説』  ★★★

漢方小説 中島 たい子 「でも、二千年も病気を治してきたこじつけって、スゴイこじつけだよね」 私の目的は恐らく、「病気を治したい」から一歩踏み込んで、「変化を恐れない自分になりたい」ではないだろうか。 作者も実際に映画製作してるのねー。少し前に…

岡嶋二人『99%の誘拐』  ★★★

99%の誘拐 岡嶋 二人 ――あなたは、私にとって、すばらしい宝物を手に入れるための道具なのです。あなたの命と引き替えに、私はあなたのおじいさまからたくさんのお金をもらいます。 「え?」 兼介は、眉を寄せてパソコンを見返した。パソコンはまるで声のト…

梨木香歩『沼地のある森を抜けて』  ★★★☆

沼地のある森を抜けて 梨木 香歩 ――だから、個、というものが自分の行動を全て自分の意思決定によって行っているという考えがそもそも眉唾もの、だと? ――あらゆる思想や宗教や国の教育システム、そういうものが、自分を乗っ取ってゆく可能性について。もっ…

麻耶雄嵩『鴉』  ★★★☆

鴉 麻耶 雄嵩 うわーうわーもういやだ(笑)読み終えても何これ? と疑問が頭を飛び交ってた。一度で理解しようなんて甘すぎるけど、ゆっくり検討する時間もなさそうなのでネットでネタバレを検索。ほほー。そんな仕掛けが施されていたのか。後で流し読みし…

舞城王太郎『みんな元気。』  ★★★

みんな元気。 舞城 王太郎 『暗闇の中で子供』『世界は密室でできている』『熊の場所』あたりが読みたかったんだけどなかったので。 短編が五話入ってた。好きなのが二話、わけわかんなくてのめり込めなかったのが三話あったので、星を幾つつけるかかなり迷…

貫井徳郎『プリズム』  ★★★

プリズム 貫井 徳郎 真っ白で天使のような山浦先生を見るとあたしは、自分の醜さを否応なく思い知らされる。山浦先生のような愛すべき人を鬱陶しいと感じる自分の心が、ひたすら醜悪に思える。あたしは容姿はもちろんのこと、性格も山浦先生より劣っているの…

貴志祐介『ISOLA―十三番目の人格』  ★★

ISOLA―十三番目の人格(ペルソナ) 貴志 祐介 同じ文献によれば、古くから以心伝心という言葉で知られているように、激怒、悲嘆、憎悪といった強い心的エネルギーをとのまった感情は、人間の心から心へと直接伝わることがあるのだという。そうした能力は、通常…

麻耶雄嵩『メルカトルと美袋のための殺人』  ★★☆

メルカトルと美袋のための殺人 麻耶 雄嵩 「……本当にそうなのか」顔を上げ、メルカトルを見た。視覚が曇って濡れている。 「このメルカトルが云うのだから間違いはない」 「……そうなのか」 メル、ひどっ! シリーズを読み進めてきたから分かってたが……傍若無…

上遠野浩平『しずるさんと底無し密室たち』  ★☆

しずるさんと底無し密室たち The Bottomless Closed-Rooms In The Limited World 上遠野 浩平 飛躍し、循環し、明瞭な結末もない。そして、それは他に喩えようもなく、なんとも――馴染み深い癖に、とても新鮮だ。 しずるさんも笑い、私も笑う。 それは世界が…

大崎善生『孤独か、それに等しいもの』  ★★

孤独か、それに等しいもの 大崎 善生 「だから、僕が言いたいのは、失うってことは、それは本当に喪失してしまうことだから、きっと失ってしまったあとでは何を失ったかすらわからないんじゃないかな。それが失うということだから」 「もし失ったものがあっ…