Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

麻耶雄嵩『鴉』  ★★★☆

鴉

麻耶 雄嵩
 うわーうわーもういやだ(笑)読み終えても何これ? と疑問が頭を飛び交ってた。一度で理解しようなんて甘すぎるけど、ゆっくり検討する時間もなさそうなのでネットでネタバレを検索。ほほー。そんな仕掛けが施されていたのか。後で流し読みしないと……感想書けないし。ついでに夏と冬の解釈を見つけてほくほくです。私はそれで納得しておくからいいよ(笑)
 麻耶作品、講演会までに一日かけて全てをざーっと読み比べないと駄目だろうなあ……シリーズものはリンクを見つけるのが楽しいんだけど、作品ごとにどういう関係になっているのかをきちんと把握しないといけないから大変。特にメルカトルシリーズは。好きなんだけどさ! シリーズもメルも。メルが出てくる度複雑な心境になるもんねえ……でも今は石動とアントニオのペアが恋しいです……あの二人は癒しだ。大将がも少しかっこよさを取り戻してくれればいいと思う、メルみたいにならないでいいから。寡作なんだもん殊能。
 瑠璃色の香気が立ち昇る、天才の所業。弟・襾鈴の失踪と死の謎を追って、地図にない異郷の村に潜入した兄・珂允。襲いかかる鴉の大群。四つの祭りと薪能の儀式。蔵の奥の人形。錬金術。嫉妬と憎悪と偽善。五行思想。足跡なき殺害現場。連続殺人。人殺しの手に現れるという奇妙な痣。盲点を衝く大トリック。村を支配する大鏡の正体。ふたたび襲う鴉。そして、メルカトル鮎。逆転と驚愕の大結末が待っている。(Amazon
 出た出た出たー! 隔離された村もの(どうなのそのネーミング)! 最近読んだよな~と探してみたら『白蛇島』かな。真っ先に出てくるのは小野不由美の某二作なんだけど、ここまで閉鎖されてるのはないなあ。現代の日本じゃありえないだろ、と突っ込みたくなるからかしら。麻耶はやっちゃったわけだ。しかもうまいし。
 デビュー作『翼ある闇』はなんとも読みにくい文章だけど、随分改善されたのねえ。『あいにくの雨で』もそうか。比喩はやっぱり多いものの、翼での読みにくさは結構なものだった……気がする。あのはちゃめちゃぶりにやられてたのかな? 知識が豊富な作家の文章は難しい。引用や由来がわからずに困る作家は麻耶と殊能です。調べろよ。
 さてと、『木製の王子』にレッツゴー! 木更津の短編集も楽しみなんですが。

 

  村人は全員色盲だった! 紅葉の一本道が見えてない! 御簾の中にはメルカトル! 大鏡様=おっちゃんで、もうとっくに死んでた! 襾鈴は珂允の作り出した第二の人格だった! 橘花と櫻花は時代が違っていて、兄弟じゃなかった! 櫻花は珂允だった!
 カタストロフィ~カタストロフィ~(壊れた)。