舞城王太郎『みんな元気。』 ★★★
みんな元気。
舞城 王太郎
『暗闇の中で子供』『世界は密室でできている』『熊の場所』あたりが読みたかったんだけどなかったので。
短編が五話入ってた。好きなのが二話、わけわかんなくてのめり込めなかったのが三話あったので、星を幾つつけるかかなり迷った。
「我が家のトトロ」「スクールアタック・シンドローム」は五個つけても良いくらいに面白かったんだが。ネットを彷徨っても同じ意見の人が多いのは、他の三話がぶっとびすぎてて理解不能だからなんだろう。地に足がついているのは、二話だけですよ(とは言っても舞城だからその辺は分かるよね)。
舞城で私が既読なのはデビュー作の『煙か土か食い物』。それに比べると、一文一文は長いし段落もあまりないけど、読点が増えたなあ……。全てが主人公の一人称で、気分によって読みやすい時と読みにくい時がありそう。めちゃくちゃ口語的だし。わけわかんない擬音語・擬態語がわんさかだし。それが味というものですか。
あらすじ書く前に返却しちゃった。ので覚えている限りで。
みんな元気。:私の妹が空から飛んできた一家の息子・昭と勝手に交換されてしまった。父も姉も私も取り返そうと頑張るが、結局無理でそのままに。
Dead for good:忘れた
我が家のトトロ:妻・娘・レモンスカッシュ(猫。通称レスカ)と暮らす父は、ある日突然脳外科にならなくてはという思いに駆られ、退職して医学部を受けるが何年も落ちっぱなし。
矢を止める五羽の梔鳥:わけがわからない
スクールアタック・シンドローム:主人公の男は仕事もせず、部屋のソファから動けなくなってしまった。妻にも見放される。別の女と若い頃に作った息子・崇が猫殺しの容疑をかけられ何だか大変なことに。暴力は感染する?
うーわー。ごめんなさい。こんな話じゃないよきっと。
全体としてのテーマは愛なのかなあ。家族愛。特に最後のやつは感動的ですらあったね! 父と息子っていい! 他のも読もうっと。