Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2014-01-01から1年間の記事一覧

津原泰水『ピカルディの薔薇』  ★★★★☆

ピカルディの薔薇 (ちくま文庫) ピカルディの薔薇 (ちくま文庫)の他のレビューをみる» 津原 泰水 筑摩書房 ¥ 648 (2012-07-10) 作家として歩み始めたものの、相も変わらず貧困と怪異から手招かれてばかりの「おれ」こと猿渡。これは酔夢か現か。五感を失っ…

藤原伊織『名残り火』  ★★★★☆

名残り火―てのひらの闇〈2〉 (文春文庫) 名残り火―てのひらの闇〈2〉 ...の他のレビューをみる» 藤原 伊織 文藝春秋 ¥ 720 (2010-06-10) 飲料メーカーの宣伝部課長だった堀江の元同僚で親友の柿島が、夜の街中で集団暴行を受け死んだ。柿島の死に納得がいか…

藤原伊織『てのひらの闇』  ★★★★☆

てのひらの闇 (文春文庫) てのひらの闇 (文春文庫)の他のレビューをみる» 藤原 伊織 文藝春秋 ¥ 778 (2002-11) 飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診され…

藤原伊織『テロリストのパラソル』  ★★★☆

テロリストのパラソル (角川文庫) テロリストのパラソル (角川...の他のレビューをみる» 藤原 伊織 角川書店 ¥ 637 (2007-05) 史上唯一の、直木賞&江戸川乱歩賞ダブル受賞作! 新宿に店を構えるバーテンの島崎。ある日、島崎の目の前で犠牲者55人の爆弾…

藤原伊織『ダナエ』  ★★★

ダナエ (文春文庫) ダナエ (文春文庫)の他のレビューをみる» 藤原 伊織 文藝春秋 ¥ 525 (2009-05-08) 世界的な評価を得た画家・宇佐美の個展で、財界の大物である義父を描いた肖像画が、切り裂かれ硫酸をかけられるという事件が起きた。犯人はどうやら少女…

藤原伊織『シリウスの道』  ★★★★

シリウスの道〈上〉 (文春文庫) シリウスの道〈上〉 (文春文庫)の他のレビューをみる» 藤原 伊織 文藝春秋 ¥ 555 (2006-12) シリウスの道〈下〉 (文春文庫) シリウスの道〈下〉 (文春文庫)の他のレビューをみる» 藤原 伊織 文藝春秋 ¥ 555 (2006-12) 大手…

松浦理英子『セバスチャン』  ★★★

セバスチャン (河出文庫) セバスチャン (河出文庫)の他のレビューをみる» 松浦 理英子 河出書房新社 ¥ 670 (2007-12-04) あなたにとって世界とは佐久間背理なんでしょう?…麻希子は大学を辞めた今も、同級生だった背理と「主人と奴隷」ごっこの関係を続けて…

松浦理英子『裏ヴァージョン』  ★★★★★

裏ヴァージョン (文春文庫) 裏ヴァージョン (文春文庫)の他のレビューをみる» 松浦 理英子 文藝春秋 ¥ 607 (2007-11) 次々に書かれる短篇小説と、それに対する歯に衣着せぬ感想コメント。やがて感想は厳しい質問状となり、しだいに青春をともにした二人の中…

2014年まとめ

まだ早いけど思い立ったら記事を立てないと忘れるんだ。 津原泰水『読み解かれるD』 読み解かれるD: クロニクル・アラウンド・ザ・クロックIII (新潮文庫) 作者: 津原泰水 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2014/01/29 メディア: 文庫 この商品を含むブログ …

レイモンド・チャンドラー『さよなら、愛しい人』  ★★★★

さよなら、愛しい人 (ハヤカワ・ミステリ文庫) さよなら、愛しい人 (ハヤカ...の他のレビューをみる» レイモンド チャンドラー 早川書房 ¥ 1,028 (2011-06-05) 刑務所から出所したばかりの大男へら鹿マロイは、八年前に別れた恋人ヴェルマを探して黒人街に…

有川浩『フリーター、家を買う』  ★★

フリーター、家を買う。 (幻冬舎文庫) フリーター、家を買う。 (幻...の他のレビューをみる» 有川 浩 幻冬舎 ¥ 700 (2012-08-02) 就職先を3ヵ月で辞めて以来、自堕落気儘に親の脛を齧って暮らす“甘ったれ"25歳が、母親の病を機に一念発起。バイトに精を出し…

村上春樹『色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年』  ★★★☆

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 色彩を持たない多崎つくると...の他のレビューをみる» 村上 春樹 文藝春秋 ¥ 1,836 (2013-04-12) 良いニュースと悪いニュースがある。多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営み…

津原泰水『赤い竪琴』  ★★★★☆

赤い竪琴 (創元推理文庫) 赤い竪琴 (創元推理文庫)の他のレビューをみる» 津原 泰水 東京創元社 ¥ 691 (2009-09-30) いつ読んでも毎回泣くんだけど、今回は「仕事なんて(中略)一時的にスランプにおちいったって、本人がしあわせな気分だったら、いずれ克…

クリストファー・プリースト『逆転世界』  ★★★★

SF

逆転世界 (創元SF文庫) 逆転世界 (創元SF文庫)の他のレビューをみる» クリストファー プリースト 東京創元社 ¥ 1,188 (1996-05) 「地球市」と呼ばれるその世界は、全長1500フィート、七層から成る要塞のごとき都市だった。しかも年に36.5マイルずつレール上…

山内マリコ『ここは退屈迎えにきて』  ★★★

ここは退屈迎えに来て (幻冬舎文庫) ここは退屈迎えに来て (幻冬...の他のレビューをみる» 山内 マリコ 幻冬舎 ¥ 583 (2014-04-10) そばにいても離れていても、私の心はいつも君を呼んでいる―。都会からUターンした30歳、結婚相談所に駆け込む親友同士、売…

津原泰水『妖都』  ★★★★

妖都 (講談社文庫) 妖都 (講談社文庫)の他のレビューをみる» 津原 泰水 講談社 --- (2001-06) “死者”が東京に増殖し、街に自殺者が溢れ始めたのは、CRISISのヴォーカリスト、チェシャが自殺してからのこと。両性具有と噂された美しく妖しい彼が遺した歌「妖…

本多孝好『FINE DAYS』  ★★★☆

FINE DAYS (祥伝社文庫) FINE DAYS (祥伝社文庫)の他のレビューをみる» 本多 孝好 祥伝社 ¥ 689 (2006-07) 余命いくばくもない父から、三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた僕。彼らが住んでいたアパートで待っていたのは、若き日の父と恋人だった…

本多孝好『MISSING』  ★★★

MISSING (双葉文庫) MISSING (双葉文庫)の他のレビューをみる» 本多 孝好 双葉社 ¥ 648 (2001-11) 繊細な視線で描かれた物語が、心の奥底に潜むミステリアスな風景を呼び覚ます…。小説推理新人賞受賞作「眠りの海」ほか「祈灯」「蝉の証」など、4作品を収録…

津原泰水『アクアポリスQ』  ★★☆

SF

アクアポリスQ アクアポリスQの他のレビューをみる» 津原 泰水 朝日新聞社 --- (2005-01-12) 水没都市Q市の沖合いに浮かぶ人工島「アクアポリス」。この水上都市が建造された背後には、国家規模の陰謀を封じる仕掛けが隠されていた。Q市壊滅のため、伝説の牛…

瀬名秀明『希望』  ★★☆

SF

希望 (ハヤカワ文庫JA) 希望 (ハヤカワ文庫JA)の他のレビューをみる» 瀬名 秀明 早川書房 ¥ 778 (2011-07-08) 少女は語った。エレガントな宇宙の不在を証明した母親と、コミュニケーションの定性・定量化モデルを構築した父親と、自分の人生を。科学と哲学…

津原泰水『たまさか人形堂物語』  ★★★★★

たまさか人形堂物語 (文春文庫) たまさか人形堂物語 (文春文庫)の他のレビューをみる» 津原 泰水 文藝春秋 ¥ 576 (2011-08-04) 二十回くらい読んでいるような気がするけど「ガブ」の最後で毎回泣く。これの続編、文庫になってくれないかなあ……多分第三弾に…

小林雅一『クラウドからAIへ』  ★★★★

クラウドからAIへ クラウドからAIへの他のレビューをみる» --- 朝日新聞出版 --- (2013-07-18) 秘書のように問いかけに応えるスマホ、自動運転車、ビッグデータ──。時代を読み解くキーワードは「クラウド」から「AI=人工知能」へ。人間が機械に合わせ…

津原泰水『音楽は何も与えてくれない』  ★★★

音楽は何も与えてくれない 音楽は何も与えてくれないの他のレビューをみる» 津原 泰水 幻冬舎 ¥ 1,512 (2014-05-22) まだ誰も見たことがない、音楽の夢に、触れてみないか。『ブラバン』『バレエ・メカニック』『五色の舟』…いま最も注目される作家の生立ち…

マリオ・バルガス=リョサ『都会と犬ども』  ★★★★★

都会と犬ども 都会と犬どもの他のレビューをみる» マリオ バルガス=リョサ 新潮社 ¥ 3,024 (2010-12) 厳格な規律の裏では腕力と狡猾がものを言う、弱肉強食の寄宿生活。首都リマの士官学校を舞台に、ペルー各地から入学してきた白人、黒人、混血児、都会っ…

木村榮一『ラテンアメリカ十大小説』  ★★★★☆

ラテンアメリカ十大小説 (岩波新書) ラテンアメリカ十大小説 (岩...の他のレビューをみる» 木村 榮一 岩波書店 ¥ 756 (2011-02-19) インディオたちがのこした伝承とヨーロッパの近代をともに腐葉土としながら、夢や魔術と苛酷な現実とがふしぎに入り乱れる…

津原泰水『ルピナス探偵団の憂愁』  ★★★★★

ルピナス探偵団の憂愁 (創元推理文庫) ルピナス探偵団の憂愁 (創元...の他のレビューをみる» 津原 泰水 東京創元社 ¥ 842 (2012-12-11) 何度読んでも全話において号泣する……好きすぎる……だから原稿には使えないんだ…………。これは津原さんが少女小説家から一…

カート・ヴォガネット『デッドアイ・ディック』  ★★★☆

SF

デッドアイ・ディック (ハヤカワ文庫SF) デッドアイ・ディック (ハヤ...の他のレビューをみる» カート ヴォネガット 早川書房 ¥ 821 (1998-01) 人生にご用心―オハイオ州ミッドランド・シティのドラッグストアで薬剤師をつとめるルディ・ウォールツは、いか…

汀こるもの『パラダイス・クローズド』  ★★☆

パラダイス・クローズド THANATOS (講談社文庫) パラダイス・クローズド THAN...の他のレビューをみる» 汀 こるもの 講談社 ¥ 679 (2011-02-15) 周囲の人間に不審な死をもたらす「死神(タナトス)体質」の兄・美樹(よしき)と、発生した事件を解決する「探偵…

津原泰水『ルピナス探偵団の当惑』  ★★★★

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫) ルピナス探偵団の当惑 (創元...の他のレビューをみる» 津原 泰水 東京創元社 ¥ 778 (2007-06) 再読。3話目のやつは瑠璃玉の耳輪ネタなわけだけど、これだけ書き下ろしなんだっけか。いや最後のページを見れば多分書い…

上遠野浩平『ドラゴンフライの空、ギニョールアイの城』  ★☆

ドラゴンフライの空 ギニョールアイの城 【復☆電書】 ドラゴンフライの空 ギニョ...の他のレビューをみる» --- 講談社 --- (2012-12-21) 社内で追い詰められたOLと、自分は“幽霊じゃない”と言い張る変な幽霊との出逢い。奇妙な交際の先に待つものは?……「ド…