Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2014-01-01から1年間の記事一覧

小川洋子『密やかな結晶』  ★☆

密やかな結晶 (講談社文庫) 密やかな結晶 (講談社文庫)の他のレビューをみる» --- 講談社 --- (2013-11-22) 記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分…

佐々木丸美『雪の断章』  ★★★★

雪の断章 (佐々木丸美コレクション) 雪の断章 (佐々木丸美コレク...の他のレビューをみる» 佐々木 丸美 ブッキング ¥ 1,728 (2006-12-16) 伝説の作家・佐々木丸美の作品集「佐々木丸美コレクション」第1弾! 天涯孤独の少女・飛鳥は雪降る札幌で青年・祐也と…

瀬名秀明『ハル』  ★★★★

SF

ハル (文春文庫) ハル (文春文庫)の他のレビューをみる» 瀬名 秀明 文藝春秋 ¥ 637 (2005-10-07) 魂を感じさせる妻そっくりのヒューマノイド、幼い日の記憶のなかで語る科学館のロボ次郎、地雷撤去のため、探知犬と共にタイ東部国境をゆくデミル2、玩具とし…

原田マハ『さいはての彼女』  ★

さいはての彼女 (角川文庫) さいはての彼女 (角川文庫)の他のレビューをみる» --- KADOKAWA / 角川書店 --- (2013-02-21) 25歳で起業した敏腕若手女性社長の鈴木涼香。猛烈に頑張ったおかげで会社は順調に成長したものの結婚とは縁遠く、絶大な信頼を寄せて…

大崎善生『アジアンタムブルー』  ★★★

アジアンタムブルー (角川文庫) アジアンタムブルー (角川文庫)の他のレビューをみる» 大崎 善生 角川書店 ¥ 596 (2005-06-25) 葉子を癌で失ってからというもの、僕はいつもデパートの屋上で空を見上げていた―。万引きを犯し、衆人の前で手酷く痛めつけられ…

藤原伊織『てのひらの闇』  ★★★★☆

てのひらの闇 (文春文庫) てのひらの闇 (文春文庫)の他のレビューをみる» 藤原 伊織 文藝春秋 ¥ 778 (2002-11) 飲料会社宣伝部課長・堀江はある日、会長・石崎から人命救助の場面を偶然写したというビデオテープを渡され、これを広告に使えないかと打診され…

大崎善生『パイロットフィッシュ』  ★★★

パイロットフィッシュ (角川文庫) パイロットフィッシュ (角川...の他のレビューをみる» 大崎 善生 角川書店 ¥ 514 (2004-03-25) 人は、一度巡りあった人と二度と別れることはできない―。午前二時、アダルト雑誌の編集部に勤める山崎のもとにかかってきた一…

冲方丁『天地明察』上  ★★★

天地明察 上 角川文庫 天地明察 上 角川文庫の他のレビューをみる» --- KADOKAWA / 角川書店 --- (2012-09-01) 徳川四代将軍家綱の治世、ある「プロジェクト」が立ちあがる。即ち、日本独自の暦を作り上げること。当時使われていた暦・宣明暦は正確さを失い…

藤原伊織『ひまわりの祝祭』  ★★★★

ひまわりの祝祭 (講談社文庫) ひまわりの祝祭 (講談社文庫)の他のレビューをみる» 藤原 伊織 講談社 ¥ 864 (2000-06-15) 自殺した妻は妊娠を隠していた。何年か経ち彼女にそっくりな女と出会った秋山だが、突然まわりが騒々しくなる。ヤクザ、闇の大物、昔…

本多孝好『ストレイヤーズ・クロニクル』3  ★★

SF

ストレイヤーズ・クロニクル ACT-3 ストレイヤーズ・クロニクル ...の他のレビューをみる» 本多 孝好 集英社 ¥ 1,080 (2013-04-05) 運動能力、聴力、記憶力…に常人とはかけ離れた能力を持つ昴、沙耶、隆二、良介。仲間の亘を人質にとられ、政治家・渡瀬浩一…

月村了衛『機龍警察 未亡旅団』  ★★★★

SF

機龍警察 未亡旅団 機龍警察 未亡旅団の他のレビューをみる» --- 早川書房 --- (2014-04-01) チェチェン共和国から侵入してきた女性だけのテロリスト集団、『黒い未亡人』と特捜部との壮絶な闘いを描く至近未来警察小説。日本SF大賞&吉川英治文学新人賞受賞…

辻村深月『鍵のない夢を見る』  ★★

鍵のない夢を見る 鍵のない夢を見るの他のレビューをみる» 辻村 深月 文藝春秋 ¥ 1,512 (2012-05) 普通の町に生きる、ありふれた人々がふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる5篇。現代の地方の姿を鋭く衝く短篇集(Amazon) 全体的に嫌な本だ…

湊かなえ『少女』  ★★

少女 (双葉文庫) 少女 (双葉文庫)の他のレビューをみる» 湊 かなえ 双葉社 ¥ 669 (2012-02-16) 親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を…

金原ひとみ『TRIP TLAP』  ★★

TRIP TRAP トリップ・トラップ (角川文庫) TRIP TRAP トリップ・トラ...の他のレビューをみる» 金原 ひとみ 角川書店(角川グループパブリッシング) ¥ 596 (2013-01-25) 中学校にも行かず半監禁状態の同棲生活。高校は中退しヤクザに怯えながらもナンパ男を…

本多孝好『MEMORY』  ★★

MEMORY (集英社文庫) MEMORY (集英社文庫)の他のレビューをみる» 本多 孝好 集英社 ¥ 540 (2013-09-20) 葬儀店のひとり娘に産まれた森野、そして文房具店の息子である神田。同じ商店街で幼馴染みとしてふたりは育った。中学三年のとき、森野が教師に怪我を…

川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』  ★★★

すべて真夜中の恋人たち (講談社文庫) すべて真夜中の恋人たち (講...の他のレビューをみる» 川上 未映子 講談社 ¥ 691 (2014-10-15) 「真夜中は、なぜこんなにもきれいなんだろうと思う」。わたしは、人と言葉を交わしたりすることにさえ自信がもてない。…

川上弘美『天頂より少し下って』

天頂より少し下って (小学館文庫) 天頂より少し下って (小学館...の他のレビューをみる» 川上 弘美 小学館 ¥ 551 (2014-07-08) “ふたたび恋を始めたのは、三十代の半ばころからだったか。その夏はじめてのプールにつかるときの感じだったな、あれは、と真琴…

川上美映子『愛の夢とか』  ★★

愛の夢とか 愛の夢とかの他のレビューをみる» 川上 未映子 講談社 ¥ 1,512 (2013-03-29) あのとき、ふたりが世界のすべてになった。なにげない日常がゆらいで光を放つ瞬間をとらえた、心ゆさぶる7ストーリーズ。(Amazon) 主婦ひいては女への悪意が感じら…

リディア・デイヴィス『ほとんど記憶のない女』

ほとんど記憶のない女 (白水Uブックス) ほとんど記憶のない女 (白水U...の他のレビューをみる» リディア デイヴィス 白水社 ¥ 1,296 (2011-01-22) 「とても鋭い知性の持ち主だが、ほとんど記憶のない女がいた」 わずか数行の箴言・禅問答のような超短編から…

江國香織『なつのひかり』  ★★★

なつのひかり (集英社文庫) なつのひかり (集英社文庫)の他のレビューをみる» 江國 香織 集英社 ¥ 626 (1999-05-20) 「私」は来週21歳。ウェイトレスとバーの歌手という、2つのアルバイトをしている。「年齢こそ三つちがうが双生児のような」兄がいて、兄に…

筒井康隆『男たちのかいた絵』  ★★★☆

男たちのかいた絵 (新潮文庫) 男たちのかいた絵 (新潮文庫)の他のレビューをみる» 筒井 康隆 新潮社 --- (1978-10-31) おくびょうで意気地なしでも、拳銃片手に怖いものなし――チンピラやくざの、カッコいい兄貴分へのあこがれが、屈折した心情に映し出される…

江國香織『神様のボート』  ★★★★

神様のボート (新潮文庫) 神様のボート (新潮文庫)の他のレビューをみる» 江國 香織 新潮社 ¥ 529 (2002-06-28) 昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。“私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ草子”。必ず戻るとい…

ベルンハルト・シュリンク『朗読者』  ★★★★

朗読者 (新潮文庫) 朗読者 (新潮文庫)の他のレビューをみる» ベルンハルト シュリンク 新潮社 ¥ 594 (2003-05-28) 15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」―ハンナは、なぜかいつも本を朗読して…

ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』  ★★★★★

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス) いちばんここに似合う人 (新...の他のレビューをみる» ミランダ・ジュライ 新潮社 ¥ 2,052 (2010-08-31) 水が一滴もない土地で、老人たちに洗面器一つで水泳を教えようとする娘(「水泳チーム」)。英国のウ…

江國香織『流しのしたの骨』  ★★★★

流しのしたの骨 (新潮文庫) 流しのしたの骨 (新潮文庫)の他のレビューをみる» 江國 香織 新潮社 ¥ 562 (1999-09-29) いまはなにもしていず、夜の散歩が習慣の19歳の私こと子、おっとりとして頑固な長姉そよちゃん、妙ちきりんで優しい次姉しま子ちゃん、笑…

小川洋子『ブラフマンの埋葬』  ★★☆

ブラフマンの埋葬 (講談社文庫) ブラフマンの埋葬 (講談社文庫)の他のレビューをみる» 小川 洋子 講談社 ¥ 432 (2007-04-13) ある出版社の社長の遺言によって、あらゆる種類の創作活動に励む芸術家に仕事場を提供している“創作者の家”。その家の世話をする…

南場智子『不格好経済』  ★★★★

不格好経営 不格好経営の他のレビューをみる» --- 日本経済新聞出版社 --- (2013-08-02) チームDeNAは、なにもそこまでフルコースで全部やらかさなくても、と思うような失敗の連続を、ひとつひとつ血や肉としてDeNAの強さに結びつけていった。とてもまっすぐ…

津村記久子『ポースケ』  ★★★

ポースケ ポースケの他のレビューをみる» 津村 記久子 中央公論新社 ¥ 1,620 (2013-12-09) 奈良のカフェ「ハタナカ」でゆるやかに交差する、さまざまな女の人たちの日常と小さな出来事。芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』から5年後の物語。(Amazon) 『ポ…

森絵都『この女』  ★★★★

この女 (文春文庫) この女 (文春文庫)の他のレビューをみる» 森 絵都 文藝春秋 ¥ 659 (2014-06-10) 釜ヶ崎のドヤ街に暮らす僕に、奇妙な依頼が舞いこんだ。金持ちの奥さんの話を小説に書けば、三百万円もらえるというのだ。ところが彼女は勝手気侭で、身の…

津原泰水『読み解かれるD』  ★★★★☆

読み解かれるD: クロニクル・アラウンド・ザ・クロックIII (新潮文庫) 読み解かれるD: クロニクル・...の他のレビューをみる» 津原 泰水 新潮社 ¥ 594 (2014-01-29) レオが、アルコール依存症に陥っていることが発覚した。ギタリストを失った“爛漫”は、新た…