Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

佐々木丸美『雪の断章』  ★★★★

伝説の作家・佐々木丸美の作品集「佐々木丸美コレクション」第1弾!
天涯孤独の少女・飛鳥は雪降る札幌で青年・祐也と出会い、彼に育てられる。
2人の運命と苦しいほどの愛を描いた珠玉の名作がついに復刊!(Amazon


 読み始めたらつい読み切ってしまった。足長おじさんと結婚する話だった笑 昨日『私の男』の話をしてたからタイムリーだなと思いながら読んだ。22歳7歳で暮らし始め、33歳18歳くらいでゴールインか。まあ私は断然史郎くん派なのでこのラストにはやりきれない。
 いつも同じことを書いている人らしいから、たぶん他も足長おじさん的な話なのだろう。せめて二十歳まで待たないかと言いたくなるが、時代も時代だからな。見込みがないならさっさと転職しろよと言えない雰囲気だった。とか何とか言いつつ私は足長おじさんの原典を読んだことがありません。この小説では孤児7歳を会社員22歳が引き取って二人暮らしを始めるんだけど、最初のうちは「子供がやるべきじゃない」と家事をさせなかったのが、高校進学にあたって「家のことはお前に全て任せようと思う」となったので、突っ込みたくなった。
 女性が結婚したら仕事も大学も辞めて男様の世話をしなければいけない時代をひしひしと感じました。少しでも未来に生まれることができてよかったです。中途半端に古い小説を読むのはここが一番のネックになる。1975年刊行か。ほんの40年前にはこんな社会でしたか。この調子で40年後には日本のジェンダーフリーが達成されているといいね☆
 話としては面白かったけど飛鳥と祐也さんの主人公カップルに一ミリも萌えられなかったから負けだ。

 

史郎くんはいいキャラしてたと思います。祐也さんよりよほど生き生きしていた。それだけにショックです。