Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ベルンハルト・シュリンク『朗読者』  ★★★★

15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」―ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。(Amazon

 松永美穂訳を昨日から読んでいるのだが、30代の女性と15歳の男の子の交歓から始まって軽くきゃっきゃしていたら、30代の女性はナチス時代の看守であり、罪を問われて裁判にかけられる、という展開でドイツ文学……と思っている。私がもっと教養のある人間だったら、あるいはドイツ人だったら即座に見抜くのだろうなあ。ちなみにこの翻訳はぶっちゃけあんまりうまくない。翻訳がうまくないのか原文がうまくないのかというのは私にはわからんけどな。うまい翻訳に当たると嬉しいだけで。
 カバー折り返しに「ギュンター・グラスの『ブリキの太鼓』以来最大の世界的成功を収めた」って書いてあるけどマジで? ギュンター・グラスレベルの作家なのかい?いや、実は読んだことはないんですけど、さすがに名前はね……。
 最後は予想していなかったのでショッキングだった。うーん。胸が重くなるな。