Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』  ★☆

春期限定いちごタルト事件 米澤 穂信 「弱気になるのはわかるけど、小山内さん。ぼくたちは別に、自分を誤魔化してるんじゃない。自分の短所を直そうっていうんだ、多少は無理もあるさ。悪いってわかってて野放図にやるのは自制心がなさすぎるって、いつだっ…

乙一他『七つの黒い夢』  ★★☆

七つの黒い夢

重松清『きみの友だち』  ★★★★

きみの友だち 重松 清 「あと、世界の最後の生き残りになることも、ありえない」 「……うん」 「誰かいるよ、絶対に。嫌かもしれないけど、いるよ、ずうっと」(ふらふら) 「わたしは、一緒にいなくても寂しくない相手のこと、友達って思うけど」(にゃんこ…

奥田英朗『サウスバウンド』  ★★★★☆

サウス・バウンド 奥田 英朗 「ううん。世間なんて小さいの。世間は歴史も作らないし、人も救わない。正義でもないし、基準でもない。世間なんて戦わない人を慰めるだけのものよ」 「二郎。前にも言ったが、おとうさんを見習うな。おとうさんは少し極端だか…

金原瑞人『12歳からの読書案内』  ★★★★

12歳からの読書案内 金原 瑞人 小学校の頃は、親や教師やまわりの影響が強いが、中学校に入ると私大に自我が目覚めてきて、好き嫌いがはっきりしてくる。そのときに、自分のものとして本を選んだり、アニメを選んだりするのだろう。 (中略) しかし、中高生…

森絵都『屋久島ジュウソウ』  ★★★

屋久島ジュウソウ 森 絵都 「あのときは苦しかった」 「みんなよくやったよ」 「でも今思うと楽しかったねえ」 「あのときはもうダメかと思った」 「よく歩き通したよ」 「でも今思うと楽しかったねえ」 会話は概ねこんな感じで、たいして内容のある話はして…

星野智幸『虹とクロエの物語』  ★★☆

虹とクロエの物語 私の罪悪感はいつだってそこに根ざしている。自分を裏切ったくせに、子どもを作ってしまった。傲慢なだけで内容のない自分が、子どもの目の前でサンプルとして生き続けなくてはならない。私は子どもに自分を学び取ってほしくないのに、子ど…

山本幸久『幸福ロケット』  ★★★★

幸福ロケット 山本 幸久 「そうよ、ユウキ。女は努力してきれいになるの。お母さん、すっごく努力したんだから」 「男は」とコーモリは自分の二十歳の顔を横目で見つつ、いった。「どうすればかっこよくなれるの」 「苦労よ」 文句なしに優しい気持ちになれ…

サイモン・シン『暗号解読 ロゼッタストーンから量子暗号まで』  ★★★★★

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで サイモン シン, Simon Singh, 青木 薫 『フェルマーの最終定理』に続き、世界的ベストセラーとなったサイモン・シンの話題作『The Code Book』の邦訳。 暗号は古代から重要な情報を安全に伝達する手段であったが…

有川浩他『Sweet Blue Age』  ★★★

Sweet Blue Age 有川 浩, 角田 光代, 坂木 司, 桜庭 一樹, 日向 蓬, 森見 登美彦, 三羽 省吾 私たちの、はじめて深く人を好きになった気分、どうしたって手に入らないものがあると知った戸惑い、言葉よりさらに馬鹿でかい感情の下手な処理、手に負えない自分…

冲方丁『冲方式ストーリー創作塾』  ★★

冲方式ストーリー創作塾 冲方 丁 キミにもあの名作『マルドゥック・スクランブル』が書ける!! 「小説や物語が好きだし、なんとなく自分も書いてみたいけど一体どうすればいいの?」と考えているアナタ。そんなアナタのために、今ライトノベル界でもっとも…

恒川光太郎『夜市』  ★★★

夜市 恒川 光太郎 「いかなる奇跡を用いようとも、生を得るとはそういうことではないのですか? そのはじまりから終わりまで、覚悟と犠牲を必要とする」(風の古道) 日本ホラー大賞受賞、ということで話題になった本書。装丁も怪しげでよし! といったとこ…

あさのあつこ『弥勒の月』  ★★☆

弥勒の月 あさのあつこ 痛みにも、苦痛に耐えることにも、脆くなった。自らの肉を斬らせて相手の骨を断つことにも、心を僅かも乱さず止めを刺すことにも、瞬時の隙をついて急所を抉ることにも、脆くなった。もう、できまい。人というものと結びついた時、人…

有川浩『図書館戦争』  ★★★★☆

図書館戦争 有川 浩 「いい加減にしなさいよ、全部あんたが一番じゃないと気が済まないの!? 適所適材は貧乏軍隊の基本なのよ!」 「選ぶべきものを選ぶときに選び方を躊躇する奴は口先だけだ」 SFなのかなあ、と思いつつ恋愛小説のカテゴリに入れてしまっ…

重松清『その日の前に』  ★★★★

その日のまえに 重松 清 「よくわかんないけど、『ごめんな』って感じなんだよ。相手がシュンだからっていうんじゃなくて、同い年ぐらいの奴が死んだら、俺『かわいそう』とかの前に、『ごめんな』って言いそうな気がするな」(潮騒) 「俺みたいなバカ置い…

J.K.Rowling『Harry Potter and the Prisoner of Azkaban』  ★★★

Harry Potter and the Prisoner of Azkaban (UK) (Paper) (3) J.K. Rowling "What - live with you?" he said, accidentally cracking his head on a bit of rock protruding from the ceiling. "Leave the Dursleys?" "Of course, I thought you wouldn't w…

海堂尊『チーム・バチスタの栄光』  ★★★☆

チーム・バチスタの栄光 海堂 尊 (中略)沈黙も含めて全て。人の話に本気で耳を傾ければ問題は解決する。そして本気で聞くためには黙ることが必要だ。 「病に倒れるということは、無に還れという天からの指令です。それをヒトの力でねじまげようとする方が…

上遠野浩平『ビートのディシプリン<SIDE4>』  ★☆

ビートのディシプリン〈SIDE4〉 上遠野 浩平 「何かある度に、毎回毎回こんな風にボロボロになっていたら保たないわよ、実際」 「俺はずっとこうしてきたんだよ」 「だからそんな風に頑固になったのよ。味オンチだし」 「あ、味オンチは関係ねーだろ」 「あ…

ミステリ既読調査 2005

ミステリ既読調査 2005 いや、昨日で締め切ってしまったんですけどね(笑) 私も投票させて頂きました。 容疑者Xの献身(東野圭吾) 扉は閉ざされたまま(石持浅海) 犬はどこだ(米澤穂信) 死神の精度(連)(伊坂幸太郎) クドリャフカの順番(米澤穂信)…