Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

江國香織他『いじめの時間』  ★★☆

いじめの時間 江國 香織, 角田 光代, 稲葉 真弓, 野中 柊, 湯本 香樹実, 大岡 玲, 柳 美里 どんなことでもいい、彼女たちが私より劣っている何かを見つけ出して、バカだの下品だの低俗だの、思いあたる言葉をつらねても、どこかへ行けるわけではないのだ。私…

あさのあつこ『The MANZAI 2』  ★★★

The MANZAI 2 あさの あつこ 「忘れんといてくれな」 「え?」 「おれ、いつでも傍におるからな。おまえのことだけは、絶対、裏切らへんからな。そこんとこ、忘れんといてくれな」 秋本、おれは本当におまえを支えているか。一方的に励まされたり、慰められ…

島田荘司『異邦の騎士』  ★★★★☆

異邦の騎士 改訂完全版 島田 荘司 「とにかく出ていってくれ! 一人になりたいんだ! 良子と、良子の思い出と一緒に、ここにいたいんだ!」 すると御手洗は、悲し気にこう言った。 「解ったよ。じゃ行くが、君はきっと僕に謝りたくなるだろう。そうしたら、…

伊島りすと『ジュリエット』  ★☆

ジュリエット 伊島 りすと 血のようだった。 貝の血だった。 それが地面に向かってぽとぽとと滴り落ちている。 健次はその姿をじっと見つめた。 濡れた糸に向かってカミソリの刃を近付けようとしたとき、また風が吹いてきた。 揺れる、と思った瞬間、すっと…

北村薫『スキップ』  ★★★☆

スキップ 北村 薫 「そのずれが、あんまりいいものじゃあないと思ったから、少しずつ、元にもどそうとしている。――そんな僕から見ると、君のすらりとした心の向きは、とても綺麗に見える」 しんと胸を打った。嘘のない言葉だった。でも女のわたしには、同時…

石井睦美『卵と小麦粉それからマドレーヌ』 ★★☆

卵と小麦粉それからマドレーヌ 石井 睦美, 長 新太 爽やかな、女の子の成長物語。『レモン・ドロップス』より好きかも。話しかけるみたいな地の文がいい。でも、自分の母親との関係が余りに本の中の二人とはかけ離れていて、フィクションとしか読めない(フィ…

有栖川有栖『海のある奈良に死す』  ★★★

海のある奈良に死す 有栖川 有栖 相変わらず夫婦みたいな助教授と作家のシリーズ。有栖川有栖の本は手堅いイメージ。好きだ。

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私が借りてきた重そうな本の山。

no title

母親が借りてきたヤングアダルトの山。

ガース・ウィリアムズ『しろいうさぎとくろいうさぎ』  ★★★★★

しろいうさぎとくろいうさぎ ガース・ウイリアムズ, まつおか きょうこ 「ねがいごとって?」しろいうさぎがききました。 「いつも いつも、いつまでも、きみといっしょにいられますようにってさ」くろいうさぎは いいました。 文句なしに傑作。皆読むといい…

村上春樹『スプートニクの恋人』  ★★★

スプートニクの恋人 村上 春樹 『ノルウェイの森』よりもよかった。終わり方も、途中経過も含んで。村上春樹は文体と雰囲気を楽しめればいいと思う。新入生歓迎会で石田純一が来るんだけど、どうせなら村上春樹に来てほしい。文学部しか喜ばないかな。

角田光代他『Teen Age』 ★★

Teen age 角田 光代、瀬尾まいこ、藤野千夜、川上弘美他 神さま。わたしは一度も信じたことのない人の名前を心のなかでくりかえした。神さま、お願いします。タクシーを一台、それだけでいい、タクシーを一台わたしたちの前にあらわしてください。そうしたら…

宮部みゆき『長い長い殺人』  ★★☆

長い長い殺人 宮部 みゆき いつもの場所である。私よりもあるじの心臓に近いところにいるのは、あるじの警察手帳だけである。私は彼と交信したことはない。彼は私よりもはるかに年長であり、常に忙しいか忙しいふりをしており、職業柄沈黙が好きなのである。…

あさのあつこ『The MANZAI』  ★★★☆

The MANZAI あさの あつこ, 鈴木 びんこ 「なっ、歩、やろうな」 ぼくだけにむけられた言葉と笑顔だった。悪意などかけらもなかった。 こいつ、ほんとに、おれのこと好きなんだ。おれといっしょに漫才やりたいんだ。 本作の続編である『The MANZAI2』が高校…

堀江敏幸『雪沼とその周辺』  ★★

雪沼とその周辺 堀江 敏幸 感想を書く前に返さなくてはいけなくなってしまった一冊。ダ・ヴィンチのプラチナ本だったので読んでみたのだが、いまいちだった。雪沼に住む人たちの生活を追った連作短編集で、落ち着いて(?)生きている様が淡々と描かれている…

京極夏彦『塗仏の宴 宴の支度』  ★★★

塗仏の宴 宴の支度 京極 夏彦 学校の図書館で借りたので、卒業する前に読んでしまわないと! と急ぎ足で読み終えたのが1日。翌日卒業しちゃったから感想も書けずじまいで悔いが残る。でもあれをもう一度読み直して話ごとにあらすじを書く気はしない。京極さ…