Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

カズオ・イシグロ『遠い山なみの光』  ★★

A Pale View of Hills Kazuo Ishiguro 英語で読んだからこんなに消化不良なのだろうか……と思って感想を探したらそうじゃなかった。大事なことが明らかにされていないんですね。 故国を去り英国に住む悦子は、娘の自殺に直面し、喪失感の中で自らの来し方に想…

時雨沢恵一『学園キノ』  ★★★☆

学園キノ 時雨沢 恵一 ちょwwwおまwww この言葉で全てが説明できるんじゃないですかできませんか。いやあやってくれたぜ時雨沢☆ すごいです、純粋なキノファンは読まないほうがいい。どんなことでも笑って流せるヘビーなキノファンが読むべきです。だ…

桐野夏生『リアルワールド』  ★★

リアルワールド 桐野 夏生 何でもくれるんなら、俺にあんたの命くれ。俺は別にあんたらの息子として生まれたくなんかなかったんだから、俺にあんたらの命くれ。俺が心底軽蔑してるのわかってるのか。あんなババアが一生くっついて来ると思ったら、俺の人生は…

辻村深月『冷たい校舎の時は止まる(中)』  ★★★☆

冷たい校舎の時は止まる (中) 辻村 深月 自分は単に、他人に対する責任を放棄したいだけなのだ。人を木津つけてしまうことが怖い。ただそれだけだ。相手の声を否定せず、他人の言いつけを素直に聞いてさえいれば、充は誰のことを傷つける心配もない。だから…

辻村深月『冷たい校舎の時は止まる(上)』  ★★★☆

冷たい校舎の時は止まる (上) 辻村 深月 「何もできない、間に合わないって、本当に便利な言葉だけでど、本当はあれに比べたら全然つらくないよ、きっと。何かできるし、間に合うのに目の前でフェンスから落ちてった。あれ俺、死んでも忘れないと思う」 寝る…

阿刀田高『旧約聖書を知っていますか』  ★★★

旧約聖書を知っていますか 阿刀田 高

Stepehn W. Hawking『The Illustrated Theory of Everything』

The Illustrated Theory of Everything: The Origin and Fate of the Universe Stephen W. Hawking If we find the answer to that, it would be the ultimate triumph of human reason. For then we would know the mind of God. 私に評価をつけるだけの英…

垣根涼介『ワイルド・ソウル(下)』  ★★★★

ワイルド・ソウル〈下〉 垣根 涼介 金がある。未来もある。 そしてなによりも、解き放たれた自分がいる。 痛快でした! 読後感がいい。 呪われた過去と訣別するため、ケイたち三人は日本国政府に宣戦布告する。外務省襲撃、元官僚の誘拐劇、そして警察との息…

小川一水『こちら、郵政省特別配達課』  ★★☆

こちら、郵政省特別配達課! 小川 一水 「届けるものはお客の心。飛ばせなくても飛べなくっても、決して文句は言いません――だろ?」 ラノベだ!笑 これぞラノベという本だった! 「素早くお届けします。どんな物でもどこへでも。ただし切手が貼れる物」。かつ…

スティーヴン・ウェッブ『広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由』  ★★★★★

広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由―フェルミのパラドックス この銀河系には、地球外文明があちこちにいるはずだ。ところがその兆しは見えない。すでに向こうの存在を知っているはずなのに、実際にはまだわかっていない。みんなどこにいるのか。彼ら…

若竹七海『クール・キャンデー』  ★★★★

クール・キャンデー 若竹 七海 「だいだい、どうだいなしなのよ。あんたの家族は誰か自殺した? あんたの家族は殺人犯だって疑われてる? 悪い噂いっぱいたてられた? 友達だって思ってたひとが、親切ごかしにその噂わざわざ教えてくれた? 痴漢に突き飛ばさ…

中村航『ぐるぐるまわるすべり台』  ★★☆

ぐるぐるまわるすべり台 中村航 「一旦リセットしてから考えることで、ここから始めることは全部自分で決めたことだ、という精神が宿る。だから慌てずゆっくり決めればいい。固く固く一点を見つめながら、これから始まる物語を想像する。始める物語を創造す…

マイク・エイブラハム『イグ・ノーベル賞』  ★★★

イグ・ノーベル賞 大真面目で奇妙キテレツな研究に拍手! いやあよくこんなことを研究しようと思ったもんだ、という論文がたくさん。笑えて、何かを考えさせられるのがいいらしいです。役に立たないじゃん、と切り捨てることなく。 大学の教授が授業中に話し…

平安寿子『くうねるところすむところ』  ★★★☆

くうねるところすむところ 平 安寿子 「現実はシビアに決まってますよ。でも、そのシビアさに踏みにじられてばっかじゃ生きてけないでしょう。九八パーセントはシビアでも、二パーセントは夢が叶ったとか、やり甲斐を感じる瞬間があるはずですよ。そうじゃな…

飯田譲治・梓河人『アナザヘブン(下)』  ★★★★

アナザヘヴン〈下〉 飯田 譲治, 梓 河人 最後までヒヤヒヤさせていただきました。サスペンスやエンタテイメントはとにかく読むのが面白い! 読むのが面白いって、いい読書体験だよね。 殺害した人間の脳を料理して食べていたマッドクック柏木千鶴の死により…

垣根涼介『ワイルド・ソウル(上)』  ★★★☆

ワイルド・ソウル〈上〉 垣根 涼介 夢は、そこで砕かれた。 すべてが大嘘だった。 「おれはその相手から受けた恩をおまえに返す。おまえも、このおれから受けた借りをいつかは誰かに返す。そういうふうにして、世界は繋がってゆく」 無知って恐ろしくて恥ず…

飯田譲治・梓河人『アナザヘブン(上)』  ★★★

アナザヘヴン〈上〉 飯田 譲治, 梓 河人 今日もこの空の下には戦争がある。殺戮がある。犯罪がある。無数の人間達が黒い悪意の流れをくみ、思う存分に力をふるっている。やつらは頼もしい。ほんとうの力の使い方を知っている。死を味方につけている。ここは…

ソロコワ『ラフマニノフ―その作品と生涯』  ★★

ラフマニノフ―その作品と生涯 ソコロワ, 佐藤 靖彦 ロシア文化についてのレポートでラフマニノフを取り上げようと思ったので。彼の一生が書かれているんだけど、曲の解説が結構長い。私はピアノ協奏曲二番と四つの小品・鐘しかろくに聞いたことがなかったの…

江戸川乱歩『心理試験』  ★★★★

心理試験 江戸川 乱歩 難点は、いうまでもなく、いかにして刑罰をまぬがれるかということにあった。論理上の障害、すなわち、良心の呵責というようなことは、彼にはさして問題ではなかった。(心理試験) 彼女は、彼女の夫をほんとうの生きたしかばねにして…

井上順孝『図解雑学 宗教』  ★★

図解雑学 宗教 思い立って宗教を勉強してみようとした。私は主だった宗教の信者は何を信じ何に拠っているのだろうというのが知りたかったのだが、本書は割と歴史的な側面から見ていたのでニーズに合っていなかった。でも、世界の宗教の全体像みたいなものが…

遠藤周作『海と毒薬』  ★★★☆

海と毒薬 遠藤 周作 良心の呵責とは今まで書いた通り、子供の時からぼくにとっては、他人の眼、社会の罰に対する恐怖だけだったのである。勿論、自分が善人だとは思いもしなかったが、どの友人も一皮むけば、ぼくと同じだと考えていたのだ。 圧倒的な息苦し…