本多孝好『FINE DAYS』 ★★★☆
余命いくばくもない父から、三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた僕。彼らが住んでいたアパートで待っていたのは、若き日の父と恋人だった……。新世代の圧倒的共感を呼んだ、著者初の恋愛小説。(Amazon)
……著者初?
リアルタイムで読んでいた頃は大好きだったし、今も文章的にはこういうのを書けるようになりたいと思っているけど、ミサンドリーが出たぞ!! と叫びだしたい気持ちになるね。女性にのみ適用される徹底的なルッキズム。思春期の男は愚かなんだよという男でごめんなさい感を、表面的には一段高みにいる主人公に言わせる姿勢。それでも表題作と「眠りのための暖かな場所」は好きなんだよ。「シェード」は目が滑るからあんまり読んでない。