Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

江戸川乱歩『孤島の鬼』  ★★★☆

孤島の鬼
孤島の鬼
江戸川 乱歩
「悪魔の子としてこのうえ生恥を曝そうより、君と抱き合って死んで行くほうが、どれほど嬉しいか。蓑浦君、地上の世界の習慣を忘れ、地上の羞恥を棄てて、今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」

 乱歩が同性愛者ってのは知ってたけど思った以上にホモでしてびっくりした次第です。そしてこの寸止めエロスは何だ。ちょっと昔の文章ってやたらとエロいよなあ。
 蓑浦金之助は会社の同僚木崎初代と熱烈な恋に陥った。彼女は捨てられた子で、先祖の系図帳を持っていたが、先祖がどこの誰ともわからない。ある夜、初代は完全に戸締まりをした自宅で、何者かに心臓を刺されて殺された。恋人を奪われた蓑浦は、探偵趣味の友人、深山木幸吉に調査を依頼するが……!(Amazon
 はっ! 挿絵のある文庫もあったのか! 私が読んだのは古めかしい文庫サイズのハードカバーでした。大学にあった。
 初乱歩だったんだけど、そこまでの衝撃はうけなかったかな。何だろう。古くなっているってこと? それとも、衝撃的な作品を書く人が多くて霞んだってこと? サークルの初代顧問だから、これからも代表作を中心に読み進めていくつもりです。