Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2006-05-14から1日間の記事一覧

姫野カオルコ『受難』  ★★★

受難 姫野 カオルコ 「かなしむと怒るじゃない。かなしむということは、“自分の現状が自分にはふさわしくなくて、自分はもっと男に愛されるべき女なのだ、それなのになぜ愛されないのか”という心理の表れだから傲慢だ、って」 面白い面白くない以前の問題。…

辻村深月『凍りのくじら』  ★★★☆

凍りのくじら 辻村 深月 私の考える頭の良さというものは、多分その人の今までの読書量と比例する。頭の良さは様々だし、勿論この側面からだけで簡単に測れるものではないが、それでも私の場合はそこが大事。 例えば、今もし母が死んでしまったら私は後悔す…

江戸川乱歩『孤島の鬼』  ★★★☆

孤島の鬼 江戸川 乱歩 「悪魔の子としてこのうえ生恥を曝そうより、君と抱き合って死んで行くほうが、どれほど嬉しいか。蓑浦君、地上の世界の習慣を忘れ、地上の羞恥を棄てて、今こそ、僕の願いを容れて、僕の愛を受けて」 乱歩が同性愛者ってのは知ってた…

舞城王太郎『世界は密室でできている。』  ★★☆

世界は密室でできている。 舞城 王太郎 「すげーなオイ」。うん。その台詞を聞くために僕は体を張ったギャグをここで見せたのだ。今は笑えないだろうけれど、後から長い時間が経っても忘れられずに憶えていて、何度も何度も笑えるギャグを。痛みからいくらか…

殊能将之『子どもの王様』  ★★

子どもの王様 殊能 将之 「大人になりたいな。」 「なにいってんのよ。大人になったら、大人になるのはあたりまえじゃない。」 ミステリーランド第一回配本。出版されたのは2003年だった。そんな昔の話なの! 私がミステリーランドで読んだのは『くらのかみ…