Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

2005-01-01から1年間の記事一覧

若竹七海『八月の降霊会』  ★★☆

八月の降霊会 若竹 七海 謎解き部分までミステリだと思ったら最後のオチはホラー? どろどろに憎しみやらが渦巻いているところが大好き(笑) 寧が好きです。わかりやすく。 一応理屈に合った答えを導き出してくれるんだけど、それは否定されてあの終わり方…

井上夢人『クリスマスの四人』  ★★☆

SF

クリスマスの4人 井上 夢人 「いや、罪の重さが――」 ふん、と塚本は鼻を鳴らした。 「重いとか軽いとかじゃないんだよ」 僕は道路の向こうへ目をやった。数メートル先の路上に、男が倒れている。 「あの人のことは、どうでもいいのか?」 「どうでもいいなん…

小野不由美『緑の我が家―Home、Green Home』  ★★

緑の我が家―Home、Green Home 小野 不由美 「やっぱさ……いじめられたら、仕返ししたいと思うよな」 ぼくが言うと、和泉はキョトンとした。 「何、それ」 「そう思わないか?」 「……仕返ししたら、いいことあるの?」 本書も1990年のを加筆・訂正して再版した…

浅田次郎『天切り松 闇がたり〈第1巻〉闇の花道』  ★★★

天切り松 闇がたり〈第1巻〉闇の花道 浅田 次郎 「盗みは小手先でするもんじゃござんせん。心意気で盗るもんだと、手前どもの親分はいつも言っておりますから」 「歌を、唄いなさい。唄うことは、人間にしかできない」 「おいら、歌なんざ知らねえもの。学校…

アンドリュー・クレメンツ『ユーウツなつうしんぼ』  ★

ユーウツなつうしんぼ アンドリュー クレメンツ, Andrew Clements, 田中 奈津子 ヤングアダルトというかむしろ子供向けなのでこのような文句はお門違いなのかもしれないが、天才の掘り下げが浅い。天才なんだから、もっとスマートにできないものかね? まあ…

小野不由美『過ぎる十七の春』  ★★☆

過ぎる十七の春 小野 不由美 ――この子はわたしのたったひとつのものです。 力と力の拮抗で子供の手首を裂いた血が流れて伝わった。 ――母親とはその程度のものか。 ――なにを。 ――わが子の命よりわが身の執着のほうが愛しいか。 ラノベ読みたい~と物色してい…

石持浅海『扉は閉ざされたまま』   ★★★★

扉は閉ざされたまま 石持浅海 ――よし。 伏見は一人うなずいた。 密室殺人、完了。 これぞ探偵と犯人の攻防戦! と言った感じでよかった! 表紙に引いてしまう気持ちも分かるけど、ロジックが好きな人は読むべし。まあね、ノン・ノベル頑張りすぎだよね……。ド…

宮部みゆき『龍は眠る』  ★★★☆

龍は眠る 宮部 みゆき 「もしも高坂さんが僕だったら、僕みたいなガキで、まだ世間のことなんかよくわからないのに、見たくもないし聞きたくもないものを知る力を持って生まれちゃったらどうする? 見えるんだよ? 聞こえるんだよ? そしたら――自分のできる…

岩井志麻子『ぼっけえ恋愛道―志麻子の男ころがし』  ★★

ぼっけえ恋愛道―志麻子の男ころがし 岩井 志麻子 一般のお嬢さんたちは、小説を書くわけじゃないから、とにかく恋愛をする。恋愛が作品なんだよね。恋愛してると、自分が主人公になれるんだもん。恋愛ってすごい娯楽。金はかかるっちゃかかりますが、たいし…

加納朋子『てるてるあした』  ★★

てるてるあした 加納 朋子 自分が嫌いだという思いは、いったいどこにぶつかり、どんなふうに跳ね返ってくるのだろう? 「変わった」という言葉が褒め言葉になるか否か。もしくは「頑張れ」という言葉が純粋な励ましとなるか否か。すべては自分次第なのだ、…

ダ・ヴィンチ編集部/編『秘密。 私と私の間の十二話』  ★★☆

秘密。―私と私のあいだの十二話 ダヴィンチ編集部 「互いに一つずつ願いを叶え合いませんか」 「願い?」 「さしあたり僕は君の電話番号を知りたい」(森絵都) 『「毎晩、おぬしのことを夢に見る。これほどだれかを愛しいと思うのははじめてだ」』(三浦し…

麻耶雄嵩『まほろ市の殺人 秋 闇雲A子と憂鬱刑事』  ★★★

まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事 麻耶 雄嵩 「あなた、慰めるときにちゃんと相手の目を見てる? そうでなければ誠意も何も伝わらないわよ」 「いや、見てるつもりだけど……」 天城は口ごもった。思わず俯く。自分が責められている、そんな視線に耐えられ…

池井戸潤『オレたちバブル入行組』  ★★★

オレたちバブル入行組 池井戸 潤 「オレは基本的に性善説だ。相手が善意であり、好意を見せるのであれば、誠心誠意それにこたえる。だが、やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。十倍返しだ。そして――潰す。二度とはい上がれないように」 「たまには正義…

北方謙三@ソロモン流

かっこいー!! ハードボイルドを地で行く男・北方謙三。冒頭のサイン会(行きたかったなあ、三国志も水滸伝も未読だけど)では一人一人と握手して、写真までオッケーだった。ファンの一人と「ブラディ・ドールからのファンで」「誰、藤木?」「坂井です」と…

白石一文『私という運命について』  ★★

私という運命について 白石 一文 「所詮、人間なんて自分の夢や希望を実現するのが一番の希なんかじゃなくて、その夢や希望を誰かに託す方がずっと満足できるのかもしれないって近頃は思うわ。自分だけの夢や希望だったら、達成してしまえば、もうそれは夢で…

舞城王太郎『熊の場所』  ★★

熊の場所 舞城 王太郎 そして恐怖に立ち向かうのは、明日ではもう遅いのだ。今すぐそこに戻らなくてはいけない。でないと、自分の恐怖を消し去ることはできなくなるのだ。(熊の場所) 愛情というのはどうしてこんなにも乱暴になれるのだろう?どうして物事…

中村うさぎ・岩井志麻子『女神の欲望』  ★★★

女神の欲望(リビドー) 中村 うさぎ, 岩井 志麻子, テレビ東京『女神の欲望』 いやーはじけてるなあ。岩井さんがこんなエロスにまみれた方だとは知りませんでした。

井上夢人『風が吹いたら桶屋がもうかる』  ★★★

風が吹いたら桶屋がもうかる 井上 夢人 いつだって、そうなのだ。 ヨーノスケの超能力が人の役に立ったためしはないし、理屈屋イッカクの推理がなにかを解決したこともない。 結局、こうなるのだ。 この読みやすさは異常。連作短編集で、全てが同じ進み方・…

メグ・キャボット『プリンセス・ダイアリー ピンクのドレス篇』  ★★

プリンセス・ダイアリー ピンクのドレス篇 メグ・キャボット, 代田 亜香子, Meg Cabot ちがーーーーう!!! あたしはただ、ボーイフレンドが卒業して、ひげをぼーぼーはやす前にいっしょにプロムにいきたいだけなのーーーーっ!!! ねえねえ、それのどこが、いけ…

麻耶雄嵩『名探偵 木更津悠也』  ★★★

名探偵 木更津悠也 麻耶 雄嵩 名探偵を名探偵たらしめているのはその卓越した能力ゆえではない。類い希なる自制心ゆえである。 こんなまともな本を読んだの久しぶりだっ……! 信じられない。メルと美袋のための殺人もそうだったから、短編集はわりと普通なの…

恩田陸『夏の名残の薔薇』  ★★☆

夏の名残りの薔薇 恩田 陸 あの贅沢な監獄には、三人の女が待っている。 嘘つきな女たち。自分たちの生活も、他人の人生も、嘘のタペストリーに織り込んできた女たち。だが、本当に罪深いのはあの中の一人だけであることを私は知っている―― 山奥のクラシック…

メグ・キャボット『プリンセス・ダイアリー どきどきキャンプ篇』  ★★

プリンセス・ダイアリー どきどきキャンプ篇 メグ・キャボット, 代田 亜香子, Meg Cabot 読んでいて微笑ましいのでこれからもシリーズ追っかけようかな、と。普段の読書傾向から見るとかなり外れているのだけれど。

『ZOO』映画

ZOO サークルの人が泣けるよって言ってたから見たかったんだ! TSUTAYAでレンタルしちゃいました。原作を読んだのが今年の二月だから内容は殆ど抜けていた。でも好きな話が3/5だったのでやっぱり一般的に人気があるのはその3つなんだろうな、と思った。 …

麻耶雄嵩『木製の王子』  ★★☆

木製の王子 麻耶 雄嵩 魔は人ではないが人と交わることが出来る。魔は血として受け継がれていく。魔と交わった者は光の家系すなわち聖家族から外れていく。 うわーんばかー! 麻耶の本を読むたびに嘆いている自分がいる。ああ、誰か助けて……。既刊のメルカト…

瀬尾まいこ『天国はまだ遠く』  ★★

天国はまだ遠く 瀬尾 まいこ 牧師さんの口ぶりから、愛や平和を語ろうとしているのはわかった。私の周りでは、たくさんの人がいろんな方法でラブアンドピースを伝えようとしているんだなあと少しありがたく思った。 「ここはほんまええ所や。ここにはたくさ…

三浦しをん『ロマンス小説の七日間』  ★☆

ロマンス小説の七日間 三浦 しをん これで三浦しをんは全制覇! やったねー。胸を張って彼女のファンだと言えよう。例え著作を一つも所有していなくとも……。買うならいつ読んでも元気が出そうなエッセイがいいかな。多分買わないけど。ごめんなさい! いつか…

加納朋子『ななつのこ』  ★★☆

ななつのこ 加納 朋子 北村薫っぽい! 北村薫も駒子や仲間達みたいな女の子書くよなあ。円紫さんシリーズがあまり好みではないので、微妙なんだが。これがデビュー作だったのか。北村薫の他に、読んでいて若竹七海を連想したのは『ぼくのミステリな日常』み…

加納朋子『沙羅は和子の名を呼ぶ』  ★★★

沙羅は和子の名を呼ぶ 加納 朋子 冷たい態度や気のないセリフは、常に諸刃の剣だ。相手と同じだけ、自分も傷つき、不幸になる。馬鹿げた繰り返しだった。もはや夫と自分とが、決して同じ方向を見ないのだと、核心するための手段でしかない。(天使の都) 加…

中島たいこ『漢方小説』  ★★★

漢方小説 中島 たい子 「でも、二千年も病気を治してきたこじつけって、スゴイこじつけだよね」 私の目的は恐らく、「病気を治したい」から一歩踏み込んで、「変化を恐れない自分になりたい」ではないだろうか。 作者も実際に映画製作してるのねー。少し前に…

岡嶋二人『99%の誘拐』  ★★★

99%の誘拐 岡嶋 二人 ――あなたは、私にとって、すばらしい宝物を手に入れるための道具なのです。あなたの命と引き替えに、私はあなたのおじいさまからたくさんのお金をもらいます。 「え?」 兼介は、眉を寄せてパソコンを見返した。パソコンはまるで声のト…