2005-11-08 加納朋子『てるてるあした』 ★★ 国内現代小説 てるてるあした 加納 朋子 自分が嫌いだという思いは、いったいどこにぶつかり、どんなふうに跳ね返ってくるのだろう? 「変わった」という言葉が褒め言葉になるか否か。もしくは「頑張れ」という言葉が純粋な励ましとなるか否か。すべては自分次第なのだ、という気がする。 『ささら さや』の佐々良が舞台。しかしサヤは今回は脇役で、主人公は奔放な父母のせいで、見ず知らずの他人を頼ることになってしまった照代。はじめはひねくれてばっかりで、素直じゃなかった彼女が段々と佐々良になじみ、大切なものを得てゆくさまは元気付けられる。