Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ほしおさなえ『ヘビイチゴ・サナトリウム』  ★★

ヘビイチゴ・サナトリウム
ヘビイチゴ・サナトリウム
ほしお さなえ
「なんだか気味が悪いな。いくら仲がいいって言ったって。これじゃあ、レズみたいじゃないか。女の子っていうのはこんなもんかね」
(中略)
「どうも女っていうのは、子どものころから別の生きものって感じでな。どうもわからん。女子校なんかにはやらない方がいいのかもしれん」

 いやあ男だってそういうのあるでしょ!
 詩人として活躍している著者がはじめて書いた小説だそう。それを念頭に置いて読むと、何となく文章が詩人っぽいような(曖昧)。会話文に、普通なら省いてしまうような言葉が入っていたり。会話や地の文で、一人称っぽいところはリズムっていうか、よくわからないけど……。『BGあるいは~』を読んだあとすぐにまた女子校もの。
 女子校で起きた連続墜死事件。死んだ男性国語教師は女生徒と協力しあって書き上げた自作の新人賞受賞を死の直前に辞退していた。雑誌で作中の文章と同じものを発見したからだ。その文章の真の作者は誰なのか? 錯綜するテキストとP・オースターの小説『鍵のかかった部屋』。教師の自殺した妻が残した「ヘビイチゴサナトリウム」というウェブ・サイト。そして浮かび上がる密室殺人。(Amazon
 結構前に読んだから内容殆ど忘れちゃった。笠井潔氏の後書きが私は好きです。  ハルナを熱愛(笑)していたあの「わたし」って、ウミオだと思わせたかったのかしら。あれは騙されないよね。