歌野晶午『死体を買う男』 ★★★
死体を買う男
歌野 晶午
「月恋病? なんだね、それは」
私は意味が呑み込めなかった。
「夜ともなると、月が恋しくなるのです。月に帰りたいと、サメザメ涙するのです。アア、あしたは十五夜でしたっけ。あの方はとうとう月に帰るのかしら」
乱歩を気取ってるのか? と思ってたら本当にそうだった!笑 不自然さは拭えないけど!
乱歩の未発表作品が発見された!? 『白骨記』というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ―南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド。(裏表紙)