Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ミステリ・エンタメ

松浦理英子『犬身』  ★★★☆

犬身 松浦 理英子 カテゴリ微妙だったけどストーリーが面白かったのでエンタメにしてみた。昨日の夜、久しぶりに小説をと思って読み出したら止まらなかった。文章は美しくないけど小説の醍醐味はストーリーだよな! と思わせてくれる一冊だった。いやあ単純…

津原泰水『ルピナス探偵団の当惑』  ★★★★

ルピナス探偵団の当惑 (ミステリー・リーグ) 津原 泰水 面白かったー! これが少女向けレーベルだったのはもったいない! 少年少女も楽しむであろうが(挿絵も見てみたい)ミステリだよ! 津原さんにしては口当たりソフトな。でも漢字表記とかに津原さんっぽ…

アガサ・クリスティ『オリエント急行の殺人』  ★★★

Murder on the Orient Express Agatha Christie すごい、読んだのはまさにこの表紙! 嬉しいな。冒頭ではPoirotって誰? ピエロみたいな名前ね! ……Poirot? …………(恥じ入る)ということがありました。いや、初めて見た単語を英語でなく読むのは結構でいなく…

P・G・ウッドハウス『でかした、ジーヴス』  ★★★

Very Good, Jeeves! (Collector¥'s Wodehouse) P. G. Wodehouse 面白い面白くないじゃなく、普段読む本と必要な語彙が違いすぎてわからない(笑)ジーヴスシリーズの面白さって、大枠のどたばたストーリーはもちろん、絶妙な比喩や言い回しにあるんだもん。…

綾辻行人『びっくり館の殺人』  ★★★

びっくり館の殺人 (ミステリーランド) 綾辻 行人 ミステリーランド何冊目? 館シリーズ八冊目と聞いて読んでみました。遅い。暗黒館書いている時に考えたそうで……うん、わかるよ。ちょっとオカルト風味。でも雰囲気やトラウマ度はよかったと思う! 気違いだ…

米澤穂信『遠まわりする雛』  ★★★☆

遠まわりする雛 米澤 穂信 講演会に来てくれたからってわけじゃないけど全部読んでるよ。米澤さんって素直に好き! って言いたくないけどええどうせ好きですよ、ってひねくれた好意を向けたくなる作品を書くね。ご本人は爽やかに素敵だったけど。青春小説が…

本多孝好『FINE DAYS』  ★★★★☆

FINE DAYS (祥伝社文庫) 本多 孝好 再読。私は問答無用にこの人の文章が大好きなのです。特に一つ目の話は。しかし読みたかったのはこの本じゃなかった。一冊目だった。 本多さんは長編よりも、ちょっと不思議な短編(集)の方が好きだな。『MISSING』『MOME…

P.G.ウッドハウス『ウースター家の掟』  ★★★★★

ウースター家の掟 (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス, Pelham Grenville Wodehouse, 森村 たまき 長編の方が面白いな! 登場人物はそこまで多くないのに、バーティーを襲う事態は極めて複雑で、これでもかこれでもかと難題が降りかかってきて…

米澤穂信『インシテミル』  ★★★☆

インシテミル 米澤 穂信 あああ怖かった! クローズドサークルものは怖いよ……風呂で二時間以上かけて読み終えるまで息がつけなかった。もう私は風呂にミステリを持ち込むべきじゃない。 充実した学生生活を送るために是非ともクルマが欲しい大学生、結城理久…

P.G.ウッドハウス『それゆけ、ジーヴス』  ★★★★

それゆけ、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス, Pelham Grenville Wodehouse, 森村 たまき ジーヴスシリーズ短編集。どっかで見た登場人物がたくさん出てくる。しかし一巻を読んだのが昔過ぎてあまり覚えていない。面白いけど突出して…

P.G. ウッドハウス『よしきた、ジーヴス』  ★★★★

よしきた、ジーヴス (ウッドハウス・コレクション) P.G. ウッドハウス, Pelham Grenville Wodehouse, 森村 たまき 笑った! これは笑うよ! 最後のオチも最高です。漫画化、心からおめでとうございます。 英国の国民的作家ウッドハウスの「ジーヴス物」から…

道尾秀介『シャドウ』  ★★★★

シャドウ (ミステリ・フロンティア) 道尾 秀介 「人間の精神はとても複雑なんだ。それが、ほかの動物にはない強みになっている。しかし、じつは人間の最大の弱点でもあるんだよ。世の中の複雑な物がすべてそうであるように、人間の精神も、とても壊れやすい…

道尾秀介『骸の爪』  ★★★☆

骸の爪 道尾 秀介 「相談事というのは、こうだろう。――きみはホラー小説の材料を仕入れに、ある仏所へ取材に行った。そして工房の作業風景を見学し、仏像の写真を撮っているうちに、この千手観音像に恐ろしい呪いをかけられてしまった」 「呪い……」 「そう、…

道尾秀介『片目の猿』  ★★☆

片眼の猿 One‐eyed monkeys 昔、九百九十九匹の猿の国があった。 その国の猿たちは、すべて片眼だった。顔に、左眼しかなかったのだ。ところがある日その国に、たった一匹だけ、両眼の猿が生まれた。その猿は国中の仲間にあざけられ、笑われた。思い悩んだ末…

道尾秀介『背の眼』  ★★★☆

背の眼 道尾 秀介 「およそすべての犯罪には少なからず偶然が関与しているものだ。犯罪にかかわらず、偶然のまったく関わっていない事象なんてないさ。ごく普通の線の集合が美人を形成するはずなのに、実際の美人に出会うのは稀なようにね。偶然云々で個々の…

歌野晶午『死体を買う男』  ★★★

死体を買う男 歌野 晶午 「月恋病? なんだね、それは」 私は意味が呑み込めなかった。 「夜ともなると、月が恋しくなるのです。月に帰りたいと、サメザメ涙するのです。アア、あしたは十五夜でしたっけ。あの方はとうとう月に帰るのかしら」 乱歩を気取って…

我孫子武丸『弥勒の掌』  ★★★

弥勒の掌 我孫子 武丸 ここ数年はやっぱりいろんな不満があったんですよね。ぼくらよりちょっと下の世代の中には、ミステリと言えないようなものも入ってきちゃってるし、ライトノベル化してたりもする。それと、最近ミステリ読者がすごく優しくなったような…

清涼院流水『コズミック 水』  ★☆

コズミック水 清涼院 流水 ナンセンスだwww いやあ、想像以上でした。壁に投げつけたくなる気持ちもわかるってもんよ。トリックや事件の真相のみならず、得意技を持ってる探偵たちの組織とかね。ないよね。ナンセンスですよねw 大風呂敷をひらめかせて終…

若竹七海『古書店アゼリアの死体』  ★★★☆

古書店アゼリアの死体 若竹 七海 たとえば、ミステリーの最終章で、真犯人がサディスティックな性格で数々の悲劇の源であり、自分の罪を妻にかぶせようとしていた、という衝撃の事実があきらかになったとする。これがハードボイルドなら探偵が面と向かって犯…

清涼院流水『コズミック流』  ★☆

コズミック流 清涼院 流水 稀代のバカミスを読んでみたくなったので。皆口を揃えて「あれはひどい」って言うからさ。読み終えたら本を投げつけたくなるそうな。ひとつ試してみようかと。 「1年に1200人を密室で殺す」警察に送られた前代未聞の犯罪予告が現実…

倉知淳『日曜の夜はでたくない』  ★★★

日曜の夜は出たくない 倉知 淳 いやあ、まさに創元クライムノベルですね! 『ぼくのミステリな日常』だなあと思ったら、若竹賞なるものを受賞されているとか。解説も若竹さん。猫丸先輩シリーズはチェックしつつも図書館になかったので読めてなかったんだけ…

宝島社『2007年度版 このミステリーがすごい!』

このミステリーがすごい!2007年版 結構前に読んでたけど忘れてた。ランクインされてる作品はほとんど読んでません。ミステリから離れ気味だったからかな。ちょっと淋しい。 隠し玉より。本多孝好の小説を待ち望んでいるところであります。殊能さんはいつも乗…

有栖川有栖『乱鴉の島』  ★★★

乱鴉の島 有栖川 有栖 レポート用の学術書漬けだった後に読むと、ライトノベルかと見紛うくらいに読みやすかった。いつ読んでも読みやすいか(笑)見た目結構なボリュームなのに、すぐ終わっちゃった。文章はやはり他のミステリ作家よりも詩的な感じ。 有栖…

古処誠二『少年たちの密室』  ★★

少年たちの密室 古処 誠二 生徒の前を歩くか、後ろを歩くか――教師は、そのどちらかに分かれると、宮下は言った。 「前を歩くには『知力』が要るし、後ろを歩くには『腕力』が要る。――知力っていうのは、まあ平たく言えば、生徒に合わせて思考の速度と方向を…

横山秀夫『陰の季節』  ★★★☆

陰の季節 横山 秀夫 柘植は絨毯に額を近付けた。頬が火を吹く。こめかみで血流が波打つ。絨毯との数センチの間隙がプライドだった。それすらも捨てた。化繊の臭いにむせそうになった。心がその場から逃げた。蛇の目をした少年と守夫の顔が見えた。底からも逃…

近藤史恵『モップの精は深夜に現れる』  ★★★

モップの精は深夜に現れる 近藤 史恵 シリーズ二作目だったー!

古処誠二『未完成』  ★★★

未完成 古処 誠二 というより、我々は、この島へやって来てからというもの、そういう話ばかりを聞かされていないか? 自衛隊においては、それが当たり前過ぎることだけに、意識していなかっただけではないのか? ――丸腰。 ――銃が持てない。 前作と変わらない…

古処誠二『UNKNOWN』  ★★★☆

UNKNOWN 古処 誠二 「そうだね、負けた方は生涯コーヒーをおごり続ける、というのは?」 「うーん、やめておきます。わたしの方が不利ですから」 「コーヒーの量のことかい? それとも賭け自体のことかい?」 「両方です」 この作家は初。とても読みやすく面…

綾辻行人『暗黒館の殺人(下)』  ★★★

暗黒館の殺人 (下) 綾辻 行人 「何故、選ばれたのが私だったのですか。よりによってこの私が」 「出会ってしまったから、だよ」 玄児はそう答え、静かに腕を組んだ。 「この春に君と出会って、俺は……」 ミステリじゃねえ……!笑 少なくとも本格ではないでしょ…

北乃坂柾雪『匣庭の偶殺魔』  ★★☆

匣庭の偶殺魔 北乃坂 柾雪 「犬猫の尻を追いかけて何が楽しいんだろうねっ? 変態としか思えない。あそうか、探偵って馬鹿じゃなくて変態だったんだなシン。僕に触るなよ!」 「そりゃあ……酷い酷過ぎだよ龍哉。俺が変態の汚名を着せられるのはいいとしても、…