Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

P・G・ウッドハウス『でかした、ジーヴス』  ★★★

Very Good, Jeeves! (Collector¥'s Wodehouse)
Very Good, Jeeves! (Collector¥'s Wodehouse)
P. G. Wodehouse
 面白い面白くないじゃなく、普段読む本と必要な語彙が違いすぎてわからない(笑)ジーヴスシリーズの面白さって、大枠のどたばたストーリーはもちろん、絶妙な比喩や言い回しにあるんだもん。詩などの引用もさっぱりわからないし、私の英語力じゃおっつかない、日本語で読まねばだめだ! フランス語も出てくる。"mot juste"ってのは「ぴったりの言葉・表現」だよね多分。わかると嬉しい。訳書だとカタカナ表記だから、そこはよくないな。単語わかんなくなるもん。
 でもジーヴスとバーティの仲良しっぷりはひしひしと伝わってきましたよ。風呂の鼻歌まで熟知してるってどんだけだよ。会話なんかは英語で読むとまた違っていいよね。「だめだだめだ、お前の『Indeed, sir?』はもう聞きたくない!」とか、伯母さん達とのやりとり、すごい面白い。まくし立てる感じが。
 たまき訳だと全体的にかなりかしこまった表現してるけど、原文はそんなことないと思う。"Indeed, sir?"、"Very good, sir"は日本語だと「左様でございますか、ご主人様?」「大変よろしゅうございました、ご主人様」あたりでしょうか。fancyって単語がかなり出てくるんですけど、これは婉曲表現と取っていいのかしら?
 最初の三話と最後の二話は割とわかりやすかったな。真ん中の話はオチすら捉えられなかった気がします。原書と訳書をあわせて読めば色んなニュアンスもわかってよさそう。とりあえずこれの訳書を読んでみる(笑)