Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

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冲方丁『マルドゥック・スクランブル The Third Exhaust 排気』  ★★★★

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マルドゥック・スクランブル―The Third Exhaust 排気 冲方 丁 「バロット……」 ウフコックが呼んだ。バロットは、ぎゅっとスーツの肩を抱いた。 ――愛されたいと思った人は沢山いた。でも愛したいと思った人はあなただけ。 「……我々は殺さない。我々は殺されな…

冲方丁『マルドゥック・スクランブル The Second Combustion 燃焼』  ★★★

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マルドゥック・スクランブル―The Second Combustion 燃焼 冲方 丁 「動物が様々に捕食以外の殺害行為に走る一方、人間は、生命と死に対して、価値という観念を、長い時間かけて創り出してきた。命の価値があるのではない。人間は価値という観念を創り出し、…

冲方丁『マルドゥック・スクランブル The First Compression 圧縮』  ★★☆

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マルドゥック・スクランブル―The First Compression 圧縮 冲方 丁 (私は生きていていいの――?) 誰もイエスと言ってはくれない気がする。それが、無条件に愛された経験がない人間が抱える欠落だった。その欠落に従うか、それとも――イエスという答えを探すた…

赤木かん子編『科学者達の陰謀』  ★★☆

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科学者たちの陰謀 福島 正実, 大海 赫, 赤木 かん子

石持浅海『BG、あるいは死せるカイニス』  ★★★

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BG、あるいは死せるカイニス 石持 浅海 生まれた時は女性、その後優秀な女性だけが男性化することができる(人口の四分の一)。その中でも、「別格」なBG。それによって変化する制度や常識はあるものの、他はあまり現実と変わらない世界の話。こういうのをパ…

井上夢人『クリスマスの四人』  ★★☆

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クリスマスの4人 井上 夢人 「いや、罪の重さが――」 ふん、と塚本は鼻を鳴らした。 「重いとか軽いとかじゃないんだよ」 僕は道路の向こうへ目をやった。数メートル先の路上に、男が倒れている。 「あの人のことは、どうでもいいのか?」 「どうでもいいなん…

井上夢人『オルファクトグラム』  ★★★☆

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オルファクトグラム 井上 夢人 鋭敏な鼻を持つっていうのは、ただ単に香水の成分が嗅ぎ分けられるとか、一ヶ月も前に部屋を訪ねてきた人をその匂いでみつけだすことができるとか、そんなものじゃないんだ。世界が違うんだよ。イヌはね、あんたたちとはまるっ…

恩田陸『ロミオとロミオは永遠に』  ★★★★☆

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ロミオとロミオは永遠に 恩田 陸 先人たちは、自分の子供たちのことなど何も考えてはくれなかった。自分たちさえよければ、自分の孫が野垂れ死にしても平気だったのさ。 分かっているね? 我々は、どこまでも、救いようのないほど愚かなのだ。 この愚かさは…