Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

SF

コニー・ウィリス『航路』下  ★★★★★

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航路(下) 大森 望 最高だよ! 何個★をつけても足りないくらい! こんなブログを読んでいないで今すぐ読んで! お願い! 面白い本を読むと人に読ませたくて仕方がなくなるの! 読んで! 2002年あたりの「SFが読みたい!」一位の作品だから、とても今更なんだ…

コニー・ウィリス『航路』上  ★★★★☆

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航路(上) コニー ウィリス,大森 望 トンネル、光、天使、亡くなった家族など、心停止から蘇生までの間に見る不可思議な世界。認知心理学者のジョアンナは、これらの臨死体験を科学的に検証するため聞き取り調査を行っている。そんな彼女の元に、化学物質を投…

シオドア・スタージョン『ヴィーナス・プラスX』  ★★★★☆

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ヴィーナス・プラスX (未来の文学) Theodore Sturgeon,大久保 譲 チャーリー・ジョンズが目を覚ましたのは、謎の世界レダム。銀色の空に覆われ、荒唐無稽な建物がそびえ立ち、奇天烈な服を着た“男でもなく女でもない”住人が闊歩している世界だった。故郷に戻…

シオドア・スタージョン『不思議のひと触れ』  ★★★★

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不思議のひと触れ (シリーズ 奇想コレクション) シオドア・スタージョン,大森 望 ちゃんと働いて給料をもらい、だれにも憎まれず、それを言うならだれにも好かれない。どこにでもいるそういう平凡な人間に不思議のひと触れが加わると……? 表題作をはじめ、円…

津原泰水『アクアポリスQ』  ★★

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アクアポリスQ 津原 泰水 水没都市Q市の沖合いに浮かぶ人工島「アクアポリス」。この水上都市が建造された背後には、国家規模の陰謀を封じる仕掛けが隠されていた。Q市壊滅のため、伝説の牛鬼を召還しようとする政府の要人たち。その計画を阻止するべく、現…

シオドア・スタージョン『海を失った男』  ★★★★

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海を失った男 (晶文社ミステリ) シオドア・スタージョン,若島 正 これは……よくわからないがとてつもない引力……! 白痴の少女の美しい手に魅入られた青年ランは、その手を我が物とするために少女の家に移り住むが…エロスとタナトスの極致ともいうべき異形の愛…

フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』  ★★★★

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?―Do androids dream of electric sheep? フィリップ・K・ディック "The spider Mercer gave the chikenhead, Isidore; it probably was artificial, too. But it doesn't matter. The electric things have their lives, t…

小川一水『時砂の王』  ★★★☆

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時砂の王 (ハヤカワ文庫 JA オ 6-7) 小川 一水 手に取った感想は「薄っ!」だったんだけど、読み終わってやっぱりもっと一大巨編にしてもよかったのにーと思った。コンパクトにまとめてくれてありがとうと言うべきか。面白かったよ! ちゃんと盛り上がりもあ…

田中芳樹『銀河英雄伝説(10)』  ★★★★☆

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銀河英雄伝説〈10〉落日篇 田中 芳樹 本編読了! これぞエンターテイメント! とても楽しませてもらいました。面白かった! よく泣いた! 特に七巻以降は面白すぎて一気に読んだ。同時に悲しみにも打ち震えた。 新帝国暦003年、皇帝ラインハルトは、ヒルデガ…

田中芳樹『銀河英雄伝説(9)』  ★★★★★

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銀河英雄伝説〈9〉回天篇 田中 芳樹 何という盛り上がり。八巻に続いて泣かされてしまった。次で完結、早く読みたいような勿体無いからとっておきたいような。まずは借りに行かなきゃなんだけど。

田中芳樹『銀河英雄伝説(8)』  ★★★★☆

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銀河英雄伝説〈8〉乱離篇 田中 芳樹 フェザーンでの不幸な事件に関して、ミッターマイヤーの感想は痛烈をきわめた。 「あのオーベルシュタインは死ななかったか。奴が人間であると証明する、せっかくの好機であったのにな。まあルッツが軽傷であったのはせめ…

田中芳樹『銀河英雄伝説(7)』  ★★★☆

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銀河英雄伝説〈7〉怒濤篇 田中 芳樹 「おれにはまともな家庭など持つ意志もないし、その資格もない。誰よりも卿はそのことを知っているはずではないか」 「さあ、そんなことは知らぬ」 ミッターマイヤーが突き放したように応じると、金銀妖瞳の名将は彼らし…

グレッグ・イーガン『しあわせの理由』  ★★★★

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しあわせの理由 グレッグ イーガン, Greg Egan, 山岸 真 というわけで……あたしは死も踏みにじったし、母性も踏みにじった。ざまあみろだ。生け贄が必要だというなら、感情の奴隷監督であるそのふたつ以上にふさわしい犠牲者がいるだろうか? それに、そうす…

田中芳樹『銀河英雄伝説(6)』  ★★★★

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銀河英雄伝説〈6〉飛翔篇 田中 芳樹 「あなたは以前から良心的な政治家といわれておいでですし、実際にいくつかの行動でそれを証明していらっしゃる。そのあなたにして、国家のために個人の人権が犠牲になるのは当然だ、と、そうお考えですか」 レベロの表情…

田中芳樹『銀河英雄伝説(5)』  ★★★☆

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銀河英雄伝説〈5〉風雲篇 田中 芳樹 残酷さが彼らの戦う目的ではなかった。だが、正義と信念こそが、この世でもっとも血を好むものであることを、誰もが理解せずにはいられなかったであろう。最高指導者が呼号する正義を実現させるため、彼らの信念が飽食す…

田中芳樹『銀河英雄伝説(4)』  ★★★★

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銀河英雄伝説〈4〉策謀篇 田中 芳樹 「いいか、ユリアン、誰の人生でもない、お前の人生だ。まず自分自身のために生きることを考えるんだ。それから……」 考えるそぶりをしたが、ヤンの言葉の泉はこのとき一時的に涸れてしまったようで、やがて口にしたのは無…

田中芳樹『銀河英雄伝説(3)』  ★★★

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銀河英雄伝説〈3〉雌伏篇 田中 芳樹 「人間の行為のなかで、何がもっとも卑劣で恥知らずか。それは、権力を持った人間、権力に媚を売る人間が、安全な場所に隠れて戦争を賛美し、他人には愛国心や犠牲精神を強制して戦場に送り出すことです。宇宙を平和にす…

田中芳樹『銀河英雄伝説(2)』  ★★★★

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銀河英雄伝説〈2〉野望篇 田中 芳樹 「暴力によって自ら信じる正義を他人に強制する種類の人間がいるわ。大なるものは銀河帝国の始祖ルドルフ・フォン・ゴールデンバウムから、小は大佐、あなたに至るまで……」 「なるほど、ブラウンシュバイク公は不運な人か…

田中芳樹『銀河英雄伝説(1)』  ★★★☆

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銀河英雄伝説〈1〉黎明篇 田中 芳樹 人間が老いを約束されているように、国家は堕落と退廃を約束されているのかもしれない。(中略) 戦争をする者とさせる者との、この不合理きわまる相関関係は、文明発生以来、時代を経てもいささかも改善されていない。む…

打海文三『裸者と裸者(下)』  ★★★★

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裸者と裸者〈下〉邪悪な許しがたい異端の 打海 文三 「二級日本人と犯罪者同然の外国人が住む、水も電気もろくすっぽない、汚臭ただよう巨大なスラムだ」姉妹は言った。 「そういう場所は、もう一度、徹底的に破壊してもかまわないって、全勢力が心のどこか…

打海文三『裸者と裸者(上)』  ★★★☆

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裸者と裸者〈上〉孤児部隊の世界永久戦争 「せかいは、ひさんなしゃしんなんかみなくたって、せんそうのしんじつをしってる」 「すでに?」 「とっくのむかしに」 SF? エンタメ? カテゴリがわからないけど。 面白い。どの軍がどちら側について、現在の戦況…

冲方丁『マルドゥック・ヴェロシティ 1』  ★★

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マルドゥック・ヴェロシティ〈1〉 冲方 丁 「クリストファー教授と一緒に行けば、俺を受け入れてもらえるのか? 研究所の外に、そういう相手がいるのか? 俺を廃棄しようとする相手ばかりじゃなくて?」 「いよいよマルドゥック・スクランブル-09が本格実働…

森奈津子『からくりアンモラル』  ★★★★

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からくりアンモラル 森 奈津子 美花に触れた瞬間、強烈な快感が押し寄せてきた。 あの行為の最中だわ! 思わずわたしはシャーペンを放り出し、床に転がった。手足の力が抜けて、まるで軟体動物になってしまったみたい。(一卵性) 調教型セクサロイドの悲し…

小川一水『復活の地 Ⅱ』  ★★★★☆

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復活の地 2 小川 一水 「ソレンス、人間にはな」 デスクを回ったセイオが、血色の悪い頬を歪めてにやりと笑みを浮かべた。 「本当に疲れ切った時には、倒れるという機能が備わっているんだ。――その安全装置が働くまで、俺は動けるさ」 「……閣下のそれは壊れ…

小川一水『復活の地 Ⅰ』  ★★★★

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復活の地 1 小川 一水 知り合ってまだ半日もたっていない。だがソレンスにはもうわかっていた。 自分には――そして帝国には、この男が必要なことを。 「指導者なんてこんなものだ。他人より損な役回りをするから責任者と言えるんだ。そうでない責任者が存在す…

小川一水『第六大陸 2』  ★★★★

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第六大陸〈2〉 小川 一水 天竜ギャラクシートランスが開発した新型エンジンを得て、月面結婚式場「第六大陸」建設計画はついに始動した。2029年、月の南極に達した無人探査機が永久凍土内に水の存在を確認、もはや計画を阻むものは存在しないかに思われた。…

小川一水『第六大陸 1』  ★★☆

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第六大陸〈1〉 小川 一水 はじめから宇宙進出しているSFよりも、さあロケット打ち上げるぜ! ってのが好きなんだけど、いかんせん、理系知識ゼロの私には専門用語が解読できないのですよ。宇宙関係の本は好きだからたまによむけどさ、宇宙そのものについてだ…

小川一水『老ヴォールの惑星』  ★★★★

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老ヴォールの惑星 たとえ人類が滅びていても、確かめる手段がないのだ。ひょっとするとみな生きているのかもしれない――そんな望みでもって、残酷に縛りつけてくるのだ。 今あるのは、共感を失い、餓死を阻まれ、自殺を封じられた、どのような意味でも価値が…

機本伸司『僕たちの終末』  ★★★★

SF

僕たちの終末 機本 伸司 <僕たちの宇宙船構造は、まだまだ貧弱だ。それを非難するのも自由だ。けどその先に待っているのは自滅でしかない。だったら、僕たちと一緒に新しいアイデアを出し合えばいいじゃないか。(中略)これでもまだごちゃごちゃ抜かす奴は…

北野勇作『かめくん』  ★★

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かめくん 北野 勇作 なぜなら、この世界は、甲羅の内側と外側で出来ているのだから。甲羅が動くということは、その内側と外側、つまり世界すべてが動くということだ。 カメは甲羅といっしょに世界を動かすことが出来る。 それゆえに、カメは神を必要としてい…