Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

ラズロ・ボック『ワーク・ルールズ!』  ★★★★

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

ワーク・ルールズ!―君の生き方とリーダーシップを変える

君は、最強企業が欲しがる人材なのか?未来の新しい働き方のすべて、ベストチームをつくるアドバイス―世界最高の職場を設計した男、グーグルの人事トップが、採用、育成、評価のすべてを書いた。(Amazon

 久々に活字を読みました、サクッと読める短い本だけれど。それだけ読みやすく興味のある分野だったということで。

 一応人事的な領域で働いているんですが人事そのものではないので、人事にできることって何なんだろう、外出し可能なオペレーション以外でどういうことをしていけるのだろう……とぼんやり考えていたところに、こういう本を読めたのはよかった。車内カフェテリアやバスの送迎といった本流からは外れている些末な(ように見える)事柄を、快適に効率的によりよく働いてもらうために、すごいエネルギーと工数をかけて整理しているんだなあと。面白かった。

 一番印象に残ったのは「人間関係は自動化できない」って一文で、コミュニケーションへの積極性が欠如しているわたしはグサっときた(笑)あと巻末のパートナーへの感謝の言葉がすごかった、ありふれているけれどすごかった、USAは褒め文化と言うが、フィクションではなくあんなことが書けるんだな。

 この手の本を読むとやる気が少なからず湧く一方、でもそれって恵まれた、彼らの中では最低限のIQを持った人のお話でしょう……という士気の下がり幅の方がでかかったりして……からいつまで経ってもだめなんだけど! チェックリストでも読み直しますかねー。

2015年まとめ

 今年は2015年11月〜K-POPにハマった影響で11月12月とまったく読書をしない日々が続く、という異例の年でした。自分でも驚いていますが2016年3月くらいまでは小説読めないんじゃないかと思っています。

 ベスト3は図らずしも全て国内女性作家作品となりました。

 

江國香織『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』 

薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 (集英社文庫)

薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木 (集英社文庫)

 江國さん、思想的に好きではないんだけど小説はやっぱりすごいよなと思っています。この本は読んだ当初は「ふ〜ん」程度だったのが(わたしの審美眼がない)、何度か読み返すうちに「こいつはすげえ……」に変わり、今では彼女の作品の中で一二を争うくらい好きです。登場人物の多い群像劇なのですが、何でこんなに自然体な文章が書けるんだろうな……。

江國香織『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』 ★★★★☆ - Memoria de los Libros Preciosos

 

皆川博子『開かせていただき光栄です』『アルモニカ・ディアボリカ』

 18世紀ロンドンの医者+医者の卵たちを中心に据えた、ミステリ小説……でもあり耽美小説でもあり。とりあえずBLが好きな人は読みなよ。全てが極上だよ。絶対後悔しない。ただしネタバレは見ないように気をつけてな!!

 皆川さんて1929年or1930年生まれの86歳でいらっしゃるんですよ。『アルモニカ・ディアボリカ』なんて2013年に出てるんですよ。もう本当わたしが死ぬまで長生きしていただきたい作家です。今『双頭のバビロン』を積んでいるので2016年前半には読みたい。

皆川博子『開かせていただき光栄です』 ★★★★☆ - Memoria de los Libros Preciosos

皆川博子『アルモニカ・ディアボリカ』 ★★★★☆ - Memoria de los Libros Preciosos

 

中山可穂『愛の国』 

愛の国 (角川文庫)

愛の国 (角川文庫)

 

 ラストはこれ、王子ミチルシリーズの完結編!! デビュー作の『猫背の王子』、続く『猫背の王子』、と来てついに出ました『愛の国』。

『猫背の王子』の溢れる若さとエネルギーが素晴らしすぎて、わたしは中山可穂の本の中では今でも一番好きですが、続きなんて書けないだろうという勝手な予想を覆して、そりゃもう見事に覆して、作家の魂を込めまくったとんでもない本をお出しになりました。驚いた。書いてくださり有難うございましたと言いたい。政治色が強めで『猫背の王子』とは少し毛色が違いますが、未読の方はぜひね。てかもう文庫が出てるんじゃん、買わねば。

中山可穂『愛の国』 ★★★★★ - Memoria de los Libros Preciosos

 

 積んでいる本がそこそこあるので、2016年のなるべく早いうちに読書環境を整えたい。昨今の動きに全然ついていけてない。小説も読まなきゃだけどビジネス書も、あまり興味ないながらも読むようにしたいです……。

島田荘司『夏、19歳の肖像』  ★☆

夏、19歳の肖像

夏、19歳の肖像

 

バイク事故で入院中の青年が、病室の窓から目撃した「谷間の家」の恐るべき光景! ひそかに想いをよせる憧れの女性は、父親を刺殺し工事現場に埋めたのか? 退院後、青年はある行動を開始する——。青春の苦い彷徨、その果てに待ち受ける衝撃の結末! 青春ミステリー不朽の名作が、著者全面改稿のもと新装版として甦る。(Amazon

 なぜいま突然島田荘司を読んだかというとですね、わたし最近K-POPにハマりまして、好きなアイドル(元EXOメンバー)が主演決定したっていうのを島田御大自らTweetしていて。

 これは読んでおかねばと、Kindleにあったのでワンクリックでポチったのですが。……ですが。

 Amazonレビューにあるように『異邦の騎士』系統の青春小説なんだよ。短いから何を言ってもネタバレになってしまうけど、若かりし頃にやらかした恥ずかしい思い出系なんだよ。19歳の夏の思い出を15年後に振り返って、俺はバカだったけど誇らしくもあるよ……ってやるやつ。ミステリではないがドッキリはある。

 でもね、これ書かれたの1988年なわけよ、主演アイドルが生まれてすらいない、携帯電話もポケベルもない時代の話でね。小道具のみならず、ジェンダー観も相当だし、2015年に読んだらどうしようもなく色あせてしまうところがあるんですよ。登場人物皆性格破綻してるし(これは作者のカラーかもしれない)。

 ほんっとに何でこの小説を現代中国で映画化しようと思ったんだよwww

 もーほんとにわからない。中国(都市部)は日本よりよっぽどスマホ大国でしょう、まあ政治レベルでは共産主義なので、ジェンダー観が多少古くても良いのかもしれないし(とはいっても職場における女性の進出は日本より数倍進んでいる、共産主義だから)、うん、でも、この小説のどこが監督を動かしたのか全然わからない……初心で馬鹿な青年の恋心が散る様を描きたいのかな?? でももっと他にいい題材があるんじゃないかな?

 島田さんが推しアイドルのことを好意的に紹介してくださっているのは大変感謝なのだが、後書きでご自身がおっしゃっている、「いったいこの未熟で下手クソで、しかも老獪な文字群は何なのであろう」、わたしは個人的に異論なくですね……いや勢いはすごくある、一気に書いたんだろうなって思うし、島田さん自身もお若かったのが伝わって来る……でも『異邦の騎士』には喜んだわたしにも、これは、女性を描いていると言う点で更に評価が辛口に……。ストーカー行為をそれと自覚していない主人公、かなりホラーですよ。

 散々言いましたすみません。しかし黄子韬にオファーが来た理由は分かりました。あの子も、少なくとも外に見えている部分は頭が良いとは言えない(婉曲表現)、非常に子供っぽい、わがままな性格だと思いますので。主演情報を聞いた直後は「演技大丈夫かな?! ミステリだけどシリアスな声とか出せるのか!?」と心配してしまったけれど、完全没問題、いつも通りに振る舞えば主人公になれます。よかったよかった、結果オーライ。

 全然関係ないけど、松浦理英子が1987年に『ナチュラル・ウーマン』を刊行したのがいかに偉業だったか感じ入ってしまった。いやはやまったくすごいよ。

 下記ネタバレです。

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ピエール・ルメートル『天国でまた会おう』  ★★★☆

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう(上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

天国でまた会おう(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。
真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。画才に恵まれた若きエドゥアールは顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる!
第一次世界大戦後のフランスを舞台に、おそるべき犯罪の顛末を鮮やかに描き上げた一気読み必至の傑作長篇。ゴンクール賞受賞作。(Amazon

 ブロマンスだと友達に聞いてポチりました。

 読み終えた感想は、つらい。笑

 今日で全部読み切るつもりじゃなかったのになあ。解説で言及されてる通り、手に汗握る「冒険小説」だから途中で止められるわけないのだが。もうちょっと小説的文章だったらすごくよかった(でも癖っぽいから直らなそう、翻訳のせいだけじゃない気がする)。あと勝手な感想として、過去エピソードを語る順番が結構とっ散らかっているので、そこもうちょっとスマートにならないかな? と思いました。

 登場人物で印象に残るのは小役人メルランですかね。『この女アレックス』のあのケチの同僚描写を思い起こしたよ。性格やアピアランスにやや(かなり)難のある、でも仕事はきっちりして、最後にほろっとするような行動を取ってみせる感じ。あとポリーヌ。ポリーヌが値切るとこ。

 BLというよりブロマンスというのが適切な小説でした。作中で夫婦と形容されていたくらいだからね。まあ女性はいるんですけど、ブロマンスなので……。

 以下本編とはあまり関係のない話ですが、小説畑でずっと書いてきた人と、映像畑から来た人と、やっぱりどうしても書き方が違って、私は小説畑ずっぽりの人間なので、もうちょっと脚本っぽさを消して! と言いたくなることがままある(無論そんなの本人の自由です)。

 最初から最後まで言葉で物語ろうとするのと、映像化が前提としてあるのと。有名どころでいえばガルシア=マルケスは祖母の語り口を参考にして小説を書けるようになったと言っているけど、彼の小説は言葉で「物語る」とはどういうことなのかを教えてくれてとても好き。

 小説だけで完結しておいてほしい、これどうしても脱しきれないわたしのエゴイズムです。出来のいいエンタメを読んだときの感動と、出来のいい小説を読んだときの感動って別種なのよね。そして出来のいい小説を読んだあとじゃないと、小説書きたい気持ちが湧いてこないんだよねw 言い訳ですけどww

ジョージ・オーウェル『一九八四年』  ★★★★☆

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫)

“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。二十世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場。(Amazon

 友達が日本から来るときに持ってきてもらった。有難うございました。

 中身は、頭の悪いことを言うと、頭の良い人が書いた現在(当時)批判と未来実験的SF。思っていたよりものすごくSFしていた印象。わたしがSF寄り読者だからそう捉えてしまうのかもしれないけど、書き方自体は文学的とは思いませんでした。ただオーウェルの頭のよさはひしひしと伝わってきたよ。その上、解説がピンチョンだからな。

 まったく古びていないどころか現代日本かと思ってしまうな。教養をつける目的で読んだけれど、すごく面白かったわ。

稲森和夫『稲森和夫の実学 経営と会計』  ★★★

稲盛和夫の実学―経営と会計

稲盛和夫の実学―経営と会計

バブル経済に踊らされ、不良資産の山を築いた経営者は何をしていたのか。儲けとは、値決めとは、お金とは、実は何なのか。身近なたとえ話からキャッシュベース、採算向上、透明な経営など七つの原則を説き明かす。ゼロから経営の原理と会計を学んだ著者の会心作。(Amazon

 財務畑の友達に、財務の入門書教えてください! とお願いした一冊。

 読みやすくて素人にも優しい本でした。最初から最後まで読みやすかった。稲森さんの人となりが伝わってくる文章になっていた。うちも経費を下げなければ……下げられるところは分かってるんだからちゃんと決済を通してコストダウン達成したいと思いました……。

 しかしこの人、この年で2000年代から結構な本を出してるのすごいな。人に書かせるにしても大変だろうに。さすがバイタリティあるぜ。

服部まゆみ『この闇と光』  ★★★★

この闇と光 (角川文庫)

この闇と光 (角川文庫)

森の奥に囚われた盲目の王女・レイアは、父王の愛と美しいドレスや花、物語に囲まれて育てられた…はずだった。ある日そのすべてが奪われ、混乱の中で明らかになったのは恐るべき事実で―。今まで信じていた世界そのものが、すべて虚構だったのか?随所に張りめぐらされた緻密な伏線と、予測不可能な本当の真相。幻想と現実が混ざり合い、迎えた衝撃の結末とは!?至上の美を誇るゴシックミステリ!(Amazon

 すごいお勧めしたい層がいるのだけれど、その点を言ったらネタバレになるというジレンマww これはあらすじすら読まないまま中身を読んでほしいですね。短いし読みやすいからサクッと衝撃の結末を知れるよ。ゴシックミステリ……いや……何も言えぬ……笑

 巻末の解説は皆川博子です。彼女が書いている時点で惹かれる人はいるだろう! 分かるだろう!! 何も考えずにとりあえず読むと良いよ。教養は大事だよ(最終的な結論)

 下記は盛大なネタバレ。

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國貞克則『財務3表実践活用法』  ★★☆

財務3表実践活用法 会計でビジネスの全体像をつかむ (朝日新書)

財務3表実践活用法 会計でビジネスの全体像をつかむ (朝日新書)

決算書は「企業経営の成績書」といわれるが、実は過去を振り返るだけでなく、ビジネスの構造や将来を考える材料としても使える。累計50万部突破の「財務3表シリーズ」第3弾。「理解」から「分析」、そして「実践活用」へ。あなたの会社の事業で即、使える。全ビジネスマン必読。(Amazon

 評価できるほど分野について詳しくないんだけども。自著の宣伝が多すぎるのはどうにかならんかったのかね。笑 一番伝わって来たのは、この人ドラッガーが好きなんだなあ……ということでした。各章の冒頭にドラッガー紹介が挟まってるんだぜ!? どんなこと言ってる人なのか全然知らなかったので、ふ〜んと思いながら読みましたが……。

 オリンパスの話は面白かったです。素人に分かる程度の説明だけ書いておいてくれるところが優しい。この手の本を数冊読んだので、基本用語は何となく頭に入ったかな〜。売掛金の回収をきっちりやるまでが営業の仕事、というのは本当にもっともです、身にしみます。ここをほっといたら真面目にキャッシュが足りなくなる組織で働いている。

 ビジネス書は全て弟の買った電子書籍をアカウント共有して読んでいるのだが、表と説明文を比べながら読むことが難しいので、本気で勉強したいときは紙で買わねばいけないのだなと思う。

山根節『経営の大局をつかむ会計 健全な“ドンブリ勘定”のすすめ 』  ★★★

経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ (光文社新書)

経営の大局をつかむ会計 健全な”ドンブリ勘定”のすすめ (光文社新書)

財務諸表をアバウトに見るだけで、次の戦略が見えてくる。楽天ソフトバンクはなぜ何期も赤字を続けても成長するのか? ソニーはなぜ行き詰まったのか? トヨタ、セブン‐イレブン…、大企業はすでに金融業になっている。経理マン、会計士が絶対に教えてくれない経営戦略のための会計学。(Amazon

 私にはこの本の専門的妥当性はさっぱり判断できないんだけど、読み物としては飽きずに読み進められる内容。短いし。仕事上必要に迫られているので、とりあえずふんわりとした知識や用語だけでも……と思って手を出しました。BSとPLをサイズ感で掴むのはわかりやすくてよかったです(真面目に小学生並の感想)

 ただし10年も前の本なのでトレンドはまったく移り変わっているし(シャープ……! 色々あって大損を引っ被ったシャープ!)、ITについては門外漢なんだなあという感じはする。あとジェンダー的にどうなのって部分は大いにある。洋菓子の練習問題の「その前に嫁を探さないとですね」という締めには脱力した。

グレッグ・イーガン『プランク・ダイヴ』  ★★★★

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)

プランク・ダイヴ (ハヤカワ文庫SF)

地球から遙か遠宇宙のブラックホール“チャンドラセカール”では、ある驚異的なプロジェクトが遂行されようとしていた。果たして人類は時空の構造を知り得るのか?―ローカス賞受賞の表題作、別の数学体系をもつ並行世界との最終戦争を描く「暗黒整数」、ファースト・コンタクトSFの最高峰「ワンの絨毬」ほか、本邦初訳作品を含む全7篇を収録。現代SF界最高の作家の最先端作品を精選した日本オリジナル短篇集第4弾。(Amazon

 ようやく読んだ。イーガンって感じでした。『ひとりっ子』読んだの2008年だから当然覚えてなかったよ……まさか続編がこんなとこに載ってるなんて……。2008〜09あたり、SFを読もうキャンペーンをやっていたのだと思われる。オーストラリア出身ってことすら読み始めは忘れていたわ。あの頃出ていた本は全部読んだのか。我ながらよくわからん趣味だな。10月発売予定の三部作に手を出すのはしんどそうだけど『白熱光』『ゼンデギ』は読んでおこうかな。

 ハードSFの先鋒を走っている(まだそうなのだと思う)イーガンが、それでもすごく読みやすいのは、文学的なメタ構造を作り出すことはしない……ほとんどしないような気がする……からかなあと思いました。この状態でボルヘスみたいなことやられたらもう手がつけられない。でもイーガンは、フィクションの内部で更なる次元を作ることはあっても、外側よりも内側に作り込むタイプのようなので、何と言うか、物語性が強い感じがする。端的に言えばバカにも読みやすい。笑

「グローリー」や「プランク・ダイブ」はかなり読み飛ばしながら読んだけど、それでも中心のテーマは何とか分かるように書かれているので、こっちのガチさの方がまだマシ!(比較対象:ソラリス)いやソラリスソラリスでよかったんですけど……。まあ英語圏なので最低限の教養がないとやっぱなあ、というのはある。いいかげんシェイクスピアを読まなくてはいけないよな。

 イーガン、読書に時間がかかって暇つぶしになりそうという理由で買ったのに、なんで今日一日で読み切っちゃったんだろう。変な意地を起こすのではなかった。哲学やりつつエンタメ忘れない精神が感じられて、リーダビリティあるんだよな。