読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

皆川博子『開かせていただき光栄です』  ★★★★☆

ミステリ・エンタメ
開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)

開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU― (ハヤカワ・ミステリワールド)

18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が…解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくも哀しい不可能犯罪に挑む。(Amazon

 久々の皆川博子! 面白かったです!! 後味も(思いのほか)いい! 皆川さんは女性同士の絆をよく書いているイメージがあったんだけど、下記の記事を読んで男性同士もあるならちゃんと読もうと。

 ちょうど文庫落ちしてるしミステリ的にも面白そうなので本書を選んだ。あたりでしたね!! ストレートなBLを期待して読むとアレッ? ってなるので、ミステリ・エンタメとしての期待を重めに読んでください。あとその日のうちに読み終わらずにはいられないので午前中から読んでください。ちなみに巻末の解説は有栖川有栖です。皆川さんは楽しんで書いていらっしゃるのであろう、というくだりにすごく同意。そんな細々した要素はもちろんのこと、ミステリ的などんでん返しが最後までほんとに面白いよ。

 もう説明読むより本読んだ方が早いんだけど、やおい的にはダニエル先生という解剖学者とその弟子5人がお互いを思いやっているところがいいんだよね。特に孤児であるエドと、天才画家ナイジェル……まあこの二人は完全にあれでそれ……最後のダニエル先生の独白が独白ではなくなって本当に良かったです、涙しました。

 続編にあの二人は出てくるんだろうか、本書読了して一番気になったのがそこでした。7月帰国時に必ず読みます。文庫落ちしないと買うのはちょっと厳しいけど……すみません……!

 てか皆川さん、現在85歳で、2013年に『開かせていただき〜』の続編『アルモニカ・ディアボリカ』が刊行されてるの、ばけものか……2000年代に12冊、2010年代に既に9冊新刊が出てるの恐ろしい刊行ペース。津原泰水が「津原泰水の本棚」で彼女のベストとしてあげた『冬の旅人』『蝶』が2000年代に書かれているのもすごい。2000年に入ってから、つまり70歳以降の方が有名な作品が多いという。120歳くらいまで生きてほしい。