Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

川上健一『四月になれば彼女は』  ★★

四月になれば彼女は
四月になれば彼女は
川上 健一

 俺は生きていたんだ。生きていたらやりたいことをやろうと決めてたんだ。
 そのことを思い出したら、パッと一気に気分がよくなった。
 何をやりたいのかはわからないけど、とにかくやりたいと思ったことができるじゃないか。やりたいことをやろう。俺は生きていたんだ。何をやりたいかはそのうち見つければいい。きっと見つかる。


 どこかでいい評判を聞いたように思ったのだが……そしてそれは大抵WEB本の雑誌なのだが……違ったみたい。忘れた! 川上健一は『翼はいつまでも』が読んでみたいなあと思ってる。サークルの部室にいらない本としてあってので貰ってきちゃった!
 作家のぼくは、インタビューでこの職業に就いたきっかけを尋ねられた。野球選手という夢を捨て、ケンカをしてみたりした高校を卒業した三日後の一日が、そうだったのだろうと思い返してみる。その後は延々と起きた出来事が続くんだこの本。
 「~ってしまった」という言葉がやけに多く使われていた。「~ちゃった」じゃだめなのか? 口に出すとものすごく変な気がする。しかも連続で出てきたりするから違和感が。あくまで紙上のことだけど……。あと、同じ意味の文章が二回繰り返されたり。さっきも読んだよね? みたいな。文の構成まで同じだとちょっとなあ。ひっかかったところでした。
 読み終わって拍子抜け。最後がこれで終わり? もうちょっと何かないのかしら。うーむ、爽やかではある……前日に読んだ『疾走』の青春時代とは天と地ほどの差がある。後味がさ。でも、どうせならもっと、ねえ? 起承転結が、ねえ? 私感受性が足りないのかな(笑)

 

 友達の駆け落ちを手伝い、そのせいで就職が取り消しになって相撲取りへの道を歩まされそうになり、他校との抗争に巻き込まれ、空気銃を持ってたことで警察に職務質問され、昔好きだった女の子と良い感じになり、バスケットの試合に出、従姉妹夫婦の悶着にまたも巻き込まれ……。翌日には伝法寺と二人で東京に駆け落ち。しかもすごいポジティブシンキング。
 作家になったターニングポイントの本も女性も出てこないのかよ! まあ最初に言ってるわけだけど。一日であれだけのことが起こるってのは、そりゃあ人生変わっちゃうかもしれないけど。疲れそうだなあ、全力で。