Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

萩原浩『オロロ畑でつかまえて』  ★★

オロロ畑でつかまえて
オロロ畑でつかまえて
荻原 浩
「代理店、雇うだ」
 映画『七人の侍』の長老のような重々しい口調で言った。
「ダイリ……テン?」
日本生命?」
「んにゃ、広告代理店だば。アメリカじゃ選挙に勝たすために、広告代理店が大統領のネクタイの色まで決めるっちゅう話だ。ま、イメージ戦略っちゅうやつだな。これからは、イメージの時代だば。宣伝でもイベントでもなんでもええ、代理店に牛穴をイメージアップさせる面白ぇ知恵を出さすべよ」

 米澤穂信『犬はどこだ』でハンペーが読んでいたので。サリンジャーのタイトルのもじり。他の場所でも褒められていた気がした。
 超過疎化にあえぐ日本の秘境・牛穴村が、村おこしのため、倒産寸前の広告代理店と手を組んだ。彼らが計画した「作戦」とは!?(Amazon
 けど、私はあんま素直に楽しめなかったなあ。自分が田舎者だからかもしれない。慎一たちが見分不相応の依頼をしちゃうとこなんて不憫でなりませんでした。そういう風に読む小説じゃないってことは分かってる、分かってるけど……!! 彼らを笑うことはできませんでした。明日はわが身みたいな……。