Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

瀬尾まいこ『優しい音楽』  ★★★★

優しい音楽
優しい音楽
瀬尾 まいこ
 カップラーメンも缶ジュースもとてもおいしかったし、のんびり過ごすのは気持ちよかった。すごく時間を無駄にしているようなのに、とても満たされた気持ちがした。こんな所で何もせずに過ごすなんて、友達ともしないだろうし、一人じゃできないことだ。そう考えると、贅沢な気持ちさえした。(優しい音楽)

 やっと予約していた本作が届きました。わーい! 家に未読の本が切れた私は、学校行きがてら図書館に寄ったんだけど、鞄が重くなるっていうのに結局計六冊を借りてしまった。しかもミステリばっかり。唯一軽く読めそうなこれを残しておきたかったのに、我慢のきかない私は行き帰りの電車で読み終えてしまったのでした。
 あらすじにネタバレが含まれているやも。
 優しい音楽:僕・永居タケルは、駅のホームで鈴木千波という女子大生に一目惚れのようなものをされた。二人は付き合いはじめるが、千波はなかなか家に招いてくれない。
 タイムラグ:妻子持ちの平太と恋人関係の私・石川深雪は、平太と奥さんが旅行にいく間、彼らの娘・佐菜ちゃんをあずかることになる。複雑な気持ちの私は……。
 がらくた効果:物好きな同棲相手のはな子が拾ってきたのは、なんと佐々木さんだった。章太郎は戸惑うが、三人で年末を過ごす。
 なるべく先入観は与えないようにしたいんだけど、ちゃんと書かないと私が忘れてしまうので……。さて、これを読んだ私と母親の共通の感想は、「三つとも少しずついいね」でした。私は表題作が特に好きで、うっすら涙ぐんでしまったよ。優しい音楽、という題名であるように、瀬尾まいこの本はいつも優しい気持ちにさせてくれる。疲れて荒んだ心を癒してくれる。最近読書の時間がうまくとれずに苛々していたけれど、何となく気が抜けてしまいした。良いほうにね。
 彼女の本はいつも美味しそうな描写が出てくる……! わらび餅とスイートポテトが食べたい。あとは『天国はまだ遠く』を読めばコンプリートではなかろうか? 予約しよう。読みきってしまうのも惜しいけど、やっぱり我慢がきかない子なもので。