Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

スタニスワフ・レム『ソラリス』  ★★★☆

惑星ソラリス――この静謐なる星は意思を持った海に表面を覆われていた。惑星の謎の解明のため、ステーションに派遣された心理学者ケルヴィンは変わり果てた研究員たちを目にする。彼らにいったい何が? ケルヴィンもまたソラリスの海がもたらす現象に囚われていく……。人間以外の理性との接触は可能か?――知の巨人が世界に問いかけたSF史上に残る名作。レム研究の第一人者によるポーランド語原典からの完全翻訳版。(Amazon

 オールタイムベストを高評価できないの、自分のバカさの表現でしかなくてつらい。

 ずっとレムはロシア人なのだと思っていたらポーランド人とな。沼野さんはロシア語の翻訳のみならずポーランド語のもやっているのか……2言語はどのくらい似ているのだろう……。SFの古典だから、名前だけはもちろん知っていて、でも内容についてはビタイチ知らなかったんだけど、そういう本って「こんな話だったのか〜」という感想が第一に来てしまうんだよなw コンタクトもの(一言でいうならこれしかないようだ)のハードSFでしたかー。本当に知りませんでした。

 メタSFの部分は正直初読で頭に入ってこなかった……笑 イーガン的なものならまだいけるんだけど、ボルヘス的というか、一つの体系だった学問として描かれると入り込むのが大変だ……。コンタクト部分は面白かったんですけどね。難しい構造を自力で読み解く力がないもんでね。

 沼野訳はかなり直訳っぽいところがあるけど、私はへたに熟れた超訳をされるよりは原文が透けて見える方が好きです(スラブ系言語まったくわからないけど)。昔の版はかなりカットされてるみたいだもんね。実はブックオフで買ったやつが手元にある。比べる気にはならないw

 とりあえず相当昔からの積ん読を消化したので気持ちはいいです。