Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

越谷オサム『階段途中のビッグ・ノイズ』  ★★★☆

暑い夏、無意味に熱かった僕たち、ビールなんて苦くて飲めなかったあの頃―。だめな先輩のせいで、伝統ある軽音楽部が廃部になってしまう。がけっぷちに立たされても、啓人は煮え切らなかった。しかし、幽霊部員だった伸太郎に引きずられ…。太ももが眩しい同級生への恋、頼りにならない顧問、不協和音ばかりの仲間たち。四面楚歌の状況で、啓人は「一発ドカンと」やれるのか!?振り返れば、すべてが懐かしく、愛しい。(Amazon

 問題を起こして廃部になりかけた軽音楽部が、条件付きの活動を許され、メンバーを集め、練習を重ね、突然のハプニングを乗り越え、ステージを成功させる。それだけです。ザ王道。しかし王道とは、うまくやれば当たるということ。そんな教訓を教えてくれる青春小説。メンバー集めでもだもだしてねえで、都合よく突っ走るべし。毛色の違う高校生男子を四人集めて、主人公にヒロインをあてがい、先生方へ敵味方の役割を振り、OBを登場させる。さすれば青春は自然と展開します。敵を味方に変換したら爽やかに終われます。
 優柔不断だけどここぞというときは決める主人公、短気な特攻隊長、実力派のモテ優男、なに考えてるかイマイチ掴めない不思議ちゃん(×2)、健康的なヒロイン。基本だよなー。何にも通じる基本だ。とてもいい勉強になります。再読のはずだけど、全然覚えてなかったな。