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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

サラ・ウォーターズ『荊の城』上下  ★★★★★

ミステリ・エンタメ
19世紀半ばのロンドン。17歳になる少女スウは、下町で掏摸を生業として暮らしていた。そんな彼女に顔見知りの詐欺師がある計画を持ちかける。とある令嬢をたぶらかして結婚し、その財産をそっくり奪い取ろうというのだ。スウの役割は令嬢の新しい侍女。スウは迷いながらも、話にのることにするのだが…。CWAのヒストリカル・ダガーを受賞した、ウォーターズ待望の第2弾。(Amazon


 平易な文章でなめらかに丁寧に描いていってる印象。初めてのキスには心ふるえたね!! 百合目的で読んでいるので予想はついていたけどやっぱりキスはいいものだ。
 ぎゃー!!!(第一部読み終わったとき)ぎゃー!! こういう心臓に悪い話は好きだけど怖いんだよ!w やだー信じらんない視点代えやがってえええ(作者の思う壺)。でも基本的な構成の一つよね、一部で一通りの起承転結をつけて結ではメインキャラをピンチに陥らせておいて、二部から他のメインキャラに視点を代えてもう一度過去から話し始めるってのは。三部で一部の視点に戻るか全然違うとこに行くかは人によるけど私は一部に戻ってほしい派。安定志向。
 上巻、もう何も言えません……下巻が恐くて読めません……この作者初めてだから傾向もわかんないし! 私は殊に恋愛系エンタメではハッピーエンド主義者なので、そうでなかったときは結構凹むのである(ネタバレになるけどファージング三部作とか)。
 中山可穂は恋愛がすさまじくてストーリーまですさまじいという勝手な印象だけど、ウォーターズはストーリーありきなラブっぽいのでそういう意味では安心して読んでいられるとこはあるな。それだけにキャラがどうなるか分からなくもあるが。
 日本語でのスウとモードの文体が違うの、英語だとどんなんなってんだろうなあ。でもこれ英語じゃ読めないなあ。翻訳もとてもうまかったんじゃないかしら、不自然なところもなく。これはやっぱり女性に訳してもらって正解だね。ああ楽しかった。すっきり。趣違うっぽいけどせっかくだから『半身』も読んでおこうかしら。
 しかしこの子ら、まだ十代なのよね……時代が時代とはいえ波乱万丈すぎるだろう……。
 以下下巻読み終わったときのネタバレ。

 

  よかったー! よかったー!! 最後までしんどかったけど、あのラストであればもう言うことはない! お幸せに! ばんざーい! 波乱に満ちた過程と疲弊の果てに掴む幸せ、これぞ正しいエンタメ。読み始めたら見届けるまで止まらなかったわー。先が気になってページをめくる手がとまらない、幸せだねえこういう読書。しかしよかったねえ。この読後感幸せだよ。あーあの二人がラブラブしてるとこ見たいよ!笑 ファンフィクションありそう! 映画とかなってないのかな?