P.G.ウッドハウス『ジーヴスと恋の季節』 ★★★★

ジーヴスと恋の季節 (ウッドハウス・コレクション)
P.G.ウッドハウス,森村 たまき

　間違った相手と結ばれかかった４組のカップルのこんがらがりを解消する、天才執事ジーヴスの一石四鳥の大技とは？（ビーケーワン）

　前半の怒涛のおかしさは神の御業としか思えない……今までで一番笑ったかも。いや、いつも笑ってるんだけど。愉快になりたいときはウッドハウスを読めば一発だね。いやはや尊敬します。
　テーブルに立って狩の歌をうたいだすところなんて歌詞見ただけで吹いた。節もメロディーもわからないのにどうしてあんなに面白いのか。とにかく前半は笑ったー。そうくるか！　やっぱりか！　最低だ！　みたいな。後半は別の日に読んだからか、普通（ウッドハウス的に）だったかな。
　大体四組もキャラを立てたカップルを登場させる時点ですごいのに、更にああもこんがらがせてしまうのがすごい。皆が揃ってスープに浸かりにいってるとしか思えない（笑）素直じゃなかったり勘違いをしていたり踏み切れなかったり調子に乗っちゃったり。本人たちは絶望の淵に立ってるみたいなのに、何かもう笑うしかない。
　バーティのいい人っぷりは今回も存分に！　自分がどんな状態であれ、友達の幸せを喜んで祝福する。愛らしいよー。ジーヴスとバーティって二人揃うとどうしてこんなにかわいいの。他のシリーズも気になるけど、二人が好きすぎて手を出せないよ。