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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

津原泰水『少年トレチア』  ★★★

少年トレチア (集英社文庫)
少年トレチア (集英社文庫)
津原 泰水
 某作家が「好きな作家がいるなら前作読破して分析しなさい」と言っていたので好きな作家誰だろうと考えていて、津原さんは好きだと思ったので読みあぐねていたホラーも借りてみた。グロテスクでした。
 都市のまどろみが生んだ欲望と邪悪の怪物! 混沌と邪悪の都市に生息する彼らは、殺戮と暴力の幻想と現実の狭間を漂っている。サテライトを巡る風聞、謎、「何か」の存在が、曼陀羅のように結び合い創り出したものとは!?(Amazon

 哺乳類・鳥類あたりが殺されるのが一番堪える、人間なら別に大丈夫、と思っていたけどとても痛かったです。描写が。徒に人間以外の動物を殺すのと人間を殺すのでは、抱く嫌悪感の質が全く違うんだけど、人間の場合描写をそのまま自分にうつしとってしまうから嫌悪というか悪寒、気持ち悪さが湧くんだよね。動物の場合はひたすら純粋につらいのでできれば読みたくないクラスです。
 『妖都』は最後の方が唐突でこれからって時に終わってしまったので理不尽だ! と思ったんだけど、今回は全体が良く見えたので満足です。幻想小説は読まないからセオリーがわからん。そんなものがないから幻想か。
 津原さんは文章(特に漢字表記)のこだわりが見えるから好きだ。怪奇幻想小説より、ミステリや恋愛・耽美の方が素直に楽しめるのでそっちメインで読んでいきたいよ(笑)めぼしいものは読んでしまったけど。
 萩尾望都の解説でちょっと癒されました。てか表紙が萩尾望都じゃなかったら思い切らなかったかも。