Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

倉知淳『日曜の夜はでたくない』  ★★★

日曜の夜は出たくない
日曜の夜は出たくない
倉知 淳

 いやあ、まさに創元クライムノベルですね!
 『ぼくのミステリな日常』だなあと思ったら、若竹賞なるものを受賞されているとか。解説も若竹さん。猫丸先輩シリーズはチェックしつつも図書館になかったので読めてなかったんだけど、読んでみてびっくり。猫丸先輩、大学生じゃなかった!笑 てっきり演劇サークルの四年生とかだと思ってたよ。もしくは江神さんみたいな存在。違いましたね。猫丸先輩は30代でしたね……ちょっと涙が。
 それぞれ視点の異なる短編が入っています。探偵役はもちろん猫丸先輩。くりくりした猫のような目と長めの前髪、小柄な身体がチャームポイントの彼は、好奇心旺盛で喋り出すと止まらない。猫丸先輩ってこういう人だったのか~と認識を新たにしました。「これがワタシたちのベスト70!」というブックガイドの挿絵のおかげで、きっちりイメージが固まってしまっていたんです(笑)
 話は謎解きが中心で、動機やその後はあまり語られません。漫画だけど、「金田一少年の事件簿」ではなく「名探偵コナン」、みたいな。なのでさっぱりミステリを読みたい人には向いているかも。私なんかはトリックが気になってしかたないので、さくさく進んでくれるのは嬉しいところ。しかしラストはすごいよ! 再読してニヤリとしたいです。物語がこちらに迫ってくるようなものは怖くて苦手なので、やめてくれ~と思いつつ、うーむ創元社め、という感じでした。怖いなあ。