京極夏彦『百器徒然袋―雨』 ★★★☆
文庫版 百器徒然袋―雨
京極 夏彦
彼の作品を読み始めたのは私が高校二年生の夏だった。かれこれ三年ほどになるけど、まだ七作目とはね。しかも『百鬼夜行―陰』は飛ばしているからね。一つ一つが長くて全ての事件を曖昧にしか把握していないから、しばらく読まないでいいやーと思っていたところ、サークルで「榎さんは神ですね」と盛り上がり、ついでに後輩から借りてしまったという。まあいっか。
帯にでかでかと書いてあるように、本書は榎さんが破天荒に振舞って色々解決しちゃった短編集(御幣あり)。
鳴釜:
瓶長:
山嵐:
私も例に漏れず榎さんファンなのでとても楽しかった。京極ってこんなに読みやすいものだっけ!? と驚いたりもした。『姑獲鳥の夏』冒頭の薀蓄からくる先入観かしら。文庫で七百ページほどあるけれど、長いとは感じなかった。字が大きいのかな。
榎さん率いる薔薇十字団のご活躍を、今後も応援しております。