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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

小野不由美『過ぎる十七の春』  ★★☆

怪奇幻想
過ぎる十七の春
過ぎる十七の春
小野 不由美
 ――この子はわたしのたったひとつのものです。
 力と力の拮抗で子供の手首を裂いた血が流れて伝わった。

 ――母親とはその程度のものか。
 ――なにを。
 ――わが子の命よりわが身の執着のほうが愛しいか。

 ラノベ読みたい~と物色していたところ、小野不由美ホワイトハート時代のものが! 発刊は十年前、書かれたのは更に昔! 嬉々として手に取る。怪しげな表紙。耽美か!? と思いきや微妙なホラーでした。
 三月。直樹と典子兄妹は、従兄弟の隆の家を訪れた。ここは、木蓮や馬酔木や海棠や空木などに埋もれた野草の里。まさに桃源郷だ。しかし、久方ぶりに会う隆の目は昏かった。そして、心やさしい隆が母親に冷酷な態度をとるのは何故。母子に、いったい何が。「あの女が、迎えにくる……」隆は、幼い日の冷たい雨の夜を思い出し、直樹には、あの記憶が甦る。十七歳――少年たちを繋ぐ運命の春が来た。(Amazon
 少年たちを繋ぐからね。しかも二人は十七歳、眩しい。そんなことを言いたいわけではなく……難しく古風な漢字を沢山用いる小野不由美。しっとりとした雰囲気出てるなー。逆に、会話文ははじけていたかな。何たって十七歳ですk(略)
 母の子供を想う気持ちの何と強いことか。そこまでして子供を守るのか。私が子供を産んだらわかるのかなあ。自分ですら子供以上の存在になりえないのかしらん。
 『屍鬼』や十二国記シリーズを読んだ後だと物足りなさが残るのは仕方ない。だって話し自体が短いし、深さも足りない。でも「らしさ」はあるので少年好きな方は読んでみてはいかがでしょうか。