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Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

トーマス・マン『ヴェニスに死す』  ★★☆

ヴェニスに死す (岩波文庫)
ヴェニスに死す (岩波文庫)
Thomas Mann,実吉 捷郎

 旅先のヴェニスで出会った、ギリシャ美を象徴するような端麗無比な姿の美少年。その少年に心奪われた初老の作家アッシェンバッハは、美に知性を眩惑され、遂には死へと突き進んでゆく。神話と比喩に満ちた悪夢のような世界を冷徹な筆致で構築し、永遠と神泌の存在さえ垣間見させるマンの傑作。


 設定としては好きな類だったんだけど、まあ、可もなく不可もなくというか。私に楽しむだけの素養がないというか。耽美っぷりはよかったよ。タッジオの美しさ、特にアッシェンバッハに共犯者的な笑みを向けるところなんかは、素晴らしくエロかったと思います。
 「これがワタシたちのベストセレクション 小説編」で紹介されていたんだけど、あの中村明日美子の絵を表紙にしたら、めちゃくちゃ売れると思う(笑)ぴったりだ!
 中身よりも、フォントの大きさと字間が好みすぎて、そっちにばかり気を取られてしまった。2000年版。あと二文字文字数を増やして、行も一行増やして、そしたら完璧だなあ。岩波文庫って他の文庫よりサイズが小さいのね。フォント自体も、古典にはあまり使われない平成明朝っぽいやつで、私にはとても読みやすかった。全ての本が使用フォントを明記するようになればいいのに。