Memoria de los Libros Preciosos

続きを読むとクリティカルなネタバレがあります

飯田譲治・梓河人『アナザヘブン(上)』  ★★★

アナザヘヴン〈上〉
アナザヘヴン〈上〉
飯田 譲治, 梓 河人
 今日もこの空の下には戦争がある。殺戮がある。犯罪がある。無数の人間達が黒い悪意の流れをくみ、思う存分に力をふるっている。やつらは頼もしい。ほんとうの力の使い方を知っている。死を味方につけている。ここはそれがまだ許されている世界だ。ケダモノの息吹が吹き渡る世界だ。

 ここのとこ古めの本や学術書(でもないか)ばかり読んでいたので久しぶりに現代っぽい話を読んだ。こういうの待ってた……!笑 
 ベテラン軍事飛鷹健一郎と部下の早瀬学の前に東京を震撼させる連続殺人事件が発生した。犯人は、殺害した被害者の首を切り取り脳を料理して食べていたのだ。飛鷹と早瀬は犯人らしきひとりの女を追いつめ、事件は解決するかのようにみえたが……。未知の猟奇殺人事件にふたりの刑事が挑む、サイコサスペンス巨編。(裏表紙)
 いやあ何て面白いんでしょうね、手に汗握るサスペンスって。先が気になってしかたないのはミステリ以上じゃないだろうか。角川ホラー文庫で出てるけど自らサスペンスって言ってるのでサスペンスにしておきました。
 テレビで映画をやってた時に最後だけ見ちゃったから、あまり驚けなかったのが残念。普通の人なら飛鷹(今読み方を知ったよ)のような思考を辿るのではなかろうか。まあ、ホラー文庫ですけどね。地に足のついた結論は望めないけどね。
 なのでこれを読んでってのは間違ってるかもしれないけど、カニバリズムについて色々考えてしまった。我孫子武丸『殺戮に至る病』が連想されたので、ネクロフィリアも一緒にウィキペディアで調べているうちに、変態性欲のページに辿り着いた。これが面白いんだわ。何が正常な性欲で異常な性欲なのか、っていうのが。是非皆様も一度お読みください。
 話が大幅にずれたな。映画のキャストを調べてみたら、どうも江口洋介(早瀬学)と柏原崇(木村敦)が主演のようである。飛鷹さんっ……! 下巻を早く借りてこなくちゃ。
 この二人の本は『NIGHT HEAD』シリーズを全て読みましたが、今調べたらGYAOでアニメ化されてるの! ってことで見てます(笑)