太宰治『ヴィヨンの妻、駆込み訴え』 ★★★★
久々にKindleで小説を読みました。どちらも良かった。文学をちゃんと勉強しておらず申し訳ないのだが、自殺未遂を繰り返したのちようやく心中が成功した作家なのにか、だからか、明るくユーモアのある文章が魅力的ですね。『人間失格』『斜陽』くらいしか読んでいない気がするのでその二つも読み返しつつ、他も読みたい。Kindleで0円なんだもの。
「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の短編小説。初出は「展望」[1947(昭和22)年]。泥酔状態で帰り、借金を作ってくる大谷を夫に持つ「私」が、大谷が泥棒を働いた椿屋で働くようになるという話。戦後の太宰文学を代表する作品のひとつで、太宰とイメージが重なる大谷と、妻の「私」の繊細な関係が見事に描かれている。(Amazon)
夫が大金を盗んで逃げたと聞かされた妻がもうどうしようもなくて笑ってしまうところがよい。笑うしかないときは笑おう。でもレイプは笑い事ではないからな。
「無頼派」「新戯作派」の破滅型作家を代表する昭和初期の小説家、太宰治の短編。初出は「中央公論」[1940(昭和15)年]。聖書から素材を採った作品で、「あの人は酷い。酷い。厭な奴です。悪い人です。」という誹謗から始まって、ユダの心のゆれ動きが迫力に満ちた告白体で一気に綴られている。ユダの中にあるキリストに対するアンビバレンツな愛憎を、切実に心理的に表現した傑作として名高い。(Amazon)
これはヤンデレコメディBL……とうち震えてしまった。お友達が以前よくこの小説は萌えると力説しており、後で読もう読もうと思っていたんだけどこいつはとんでもなかった。こいつは……BLである(語彙の消失)。
最高に笑ったのは、59%の「もはや、あの人の罪は、まぬかれぬ。必ず十字架。それにきまった。」でした。天才じゃないかな。